阪和線の沿線から

阪和線沿線に住まう管理人による、鉄道やバスなどのブログ。

【JR西日本】「(ICOCAでGO)JR西日本無限大パス」発売。ICOCAエリアの普通列車が30日間乗り放題が50,240円で発売

JR西日本では、ICOCAエリア(一部除く)の普通列車が30日間乗り放題となる周遊パス「(ICOCAでGO)JR西日本無限大パス」を発売することを発表しました。

さあ、西日本の無限大の旅へ!「(ICOCAでGO)JR西日本無限大パス」を発売!:JR西日本
JR西日本 無限大パス:JRおでかけネット

概要は以下のとおりです。

【商品概要】
・JR西日本のICOCAエリア普通列車(新快速、快速含む)の普通車自由席が30日間乗り放題
(※)特急列車や座席指定券等が必要な列車は、別途料金券が必要。
(※)新幹線は利用不可
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▲自由周遊区間
(上記発表資料(https://www.westjr.co.jp/press/article/items/250212_00_press_icoca_mugendaipass_1.pdf)より引用)

・関西主要駅での対象店舗で割引等のクーポンを合計8回まで利用可能

【発売期間】
2025年2月14日(金)〜3月12日(水)
(枚数限定、上限に達した場合には発売期間にかかわらず発売終了。)

【利用期間】
2025年2月15日(土)〜4月10日(木)のうち連続する30日間

【価格】
おとな50,240円
(※)こども用の設定は無し

【購入方法】
「KANSAI MaaS」アプリでのみ発売

【利用方法】
●事前に以下の準備が必要。
・利用するICOCA番号を「KANSAI MaaS」アプリへ登録
・利用開始前にJR西日本の券売機等でWESTERポイント(チャージ専用)サービス利用登録を完了
・利用開始日に「KANSAI MaaS」アプリ内で購入済みの「JR西日本無限大パス利用開始券」の「チケットを使う」ボタンを押下
●JR線を利用の際には、登録済みのICOCAに事前にチャージし、自動改札機等を通過する。
利用者が運賃を一時的に立て替え
利用月の翌月末に、自由周遊区間内をICOCAで利用した運賃相当分をWESTERポイント(チャージ専用)で全額還元

【その他留意事項】
自由周遊区間外にまたがって利用した場合(JR四国、ハピラインふくい区間等)は全乗車区間がWESTERポイント付与対象外
他社エリアとまたがって乗車する場合は、境界駅(児島、敦賀等)で降車した上で、再度乗車が必要
利用区間は1回あたり200kmまで(一部例外除く)。超えそうな場合は途中駅で一度改札を出て、再度入場が必要。


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



関西地区の鉄道事業者が提供するMaaSアプリ「KANSAI MaaS」などを介して乗り放題チケットを購入し、実際利用する際には利用者が一時的に運賃を立て替え、後日ポイントで還元する「ICOCAでGO」という名称の商品が、少しずつ増えているように感じます。

実際、昨年夏には、和歌山方面では「ICOCAでGO 和歌山満喫わくわくパス」が、兵庫方面へは「(ICOCAでGO)ひょうご夏の体験デジタルパス」が発売されました。
(参考)



今回発表された「ICOCAでGO」商品は、なんと「30日間・JR西日本ICOCAエリア乗り放題」という、文字通り「無限大」な乗り放題パスとなっています。

50,240円で、30日間乗り放題ですので、1日当たり1,675円(50,240円÷30日)。
単純計算で840円以上の区間(電車特定区間:51km以上、幹線:46km以上)を往復すると元が取れる、という計算になります。

ただこの「無限大パス」、購入時に50,240円をクレジットカードで支払う上に、パス利用時の運賃はICOCAのチャージ残高から利用者が一時的に立て替える必要があります。
加えて、利用月の翌月末にポイントで還元されることとなっていますので、これらを併せますと、
・一時的に10万円以上の手元資金(あるいはクレジットカードの与信枠)が確保できる
・パス利用終了後も、5万円以上ICOCA(乗車あるいは電子マネー)で利用する予定がある

と、最終的にはお得になるとはいえ、利用時の資金繰りや利用後のICOCA利用の目途が無いと、なかなか手出ししにくいきっぷともいえます。

そもそも、30日間乗り放題とはいえ、それは普通列車(新快速等含む)に限った話で、別途特急券を購入すれば在来線特急列車が利用可能とはいえ、運賃相当で5万円分を乗ろうと思えば、これまたそれ相応の特急料金も必要となってきます。
加えて、新幹線は利用不可であるため、新幹線のスピードを活かして距離を稼ぐ、という使い方もできません。

これらのことを考えてみると、果たしてこの「無限大パス」、どんな利用者を想定しているのか、が見えてこないところがあります。
考えられるとすれば、発売時期が春休みと重なることから、時間にゆとりのある大学生が一つのターゲットになるかも知れません。

ただ大学生がターゲットだとしても。「一時的に10万円程度が必要」という資金的な負担の重さはネックになりそうな感じです。
そうなると、この「30日間乗り放題」を活かしきる使い方ができるのは、果たしてどんな属性の利用者なのか、謎に思うところです。

もっとも「使い方は買った人が考える」趣旨のきっぷ、とネタ的な要素の大きいきっぷなのかも知れませんが、これまでに見たことのない規模の乗り放題きっぷなだけに、実際の利用者がどんな人達なのか、また今後も発売されることがあるのか、という点も気になったニュースでありました。

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▲阪和線・山中渓駅に停車する225系普通列車。
今回の「無制限パス」は、桜の咲く時期も利用期間に入るため、各地の桜を見にいく旅行にも利用できるものと考えられます。
ただ、桜を見にいくだけで、運賃が5万円以上の区間を乗ることができるのか、と言われると難しい点もあるかと思いますので、果たしてどんな人がこの「無限大パス」を利用するのか、気になるところであります。

今日の乗車記録(通勤)


和泉鳥取(0809)-和歌山 区間快速 モハ224-5135
和歌山(1940)-和泉鳥取 紀州路快速 モハ225-5101

大和路線・快速「うれしート」に乗車する(2025.2.10)座りたいニーズに柔軟に対応できている一方、課題も感じたり…

JR西日本で提供されている、有料座席サービス「うれしート」。
221系などの転換クロスシート車の座席を活用し、ラッシュ時間帯等に一部指定席とするものです。

指定席に充当する際は、乗車口や通路に「のれん」を設けるだけという手軽さもあって、サービス開始2023年10月のサービス開始以降、設定路線は増え続け、来月のダイヤ改正でもさらなる拡大が予定されています。
(参考)






私が通常利用する阪和線には「うれしート」が設定されていない上に、他の設定路線でも、主に朝夕の通勤時間帯の設定となりますので、なかなか乗車する機会が無かった「うれしート」。

今回、平日の夕方に大阪市内に居るというタイミングがあったので、これはいい機会とばかりに、天王寺18時10分発の快速奈良行き(列車番号:408K)の「うれしート」に乗車してみることにしました。

18時10分発の快速「うれしート」設定列車は、6両編成で、最後尾6号車の後ろ寄りが「うれしート」となります。
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▲天王寺駅の発車案内。
「△8うれしートあり」の表記がありますが、やはり小さいか…

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乗車位置には「うれしート」のステッカーが貼られています。

18時10分発の快速列車が到着しました。

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▲乗車口には「うれしート」の「のれん」が掛けられており、何も知らない乗客でも「ここから乗るためには別途料金が必要」ということが分かるようになっています。
しかもこの「のれん」、丁度成人の目の高さくらいの位置に掲げられているので、嫌でも「特別な車両」であることが分かるようになっています。

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>ご覧のとおり、「うれしート」区画はゆったりと着席できる一方、「のれん」の先の自由席の区画は立ち客が多数となっており、混雑したエリアから隔離できる、という意味でも、300円(「うれしート」チケットレス料金)を支払う価値はあると感じました。

この列車の「うれしート」は、窓側が全て埋まるほどの乗車率で天王寺を発車しました。
既に一定の利用は定着しているようで、私の他は男女問わず通勤客が帰宅時に利用しているように見受けられました。


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▲「うれしート」のれん。
丁度目の高さにこの「のれん」がありますので、普通の利用者なら何かしらの違いに気づくはずです。

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▲「うれしート」ステッカー

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▲「優先座席」に「うれしート」が設定されている場合は、優先座席の設定は無くなります。

今回は、試乗がメインのため、早速ですが次の久宝寺で下車します。
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▲久宝寺発車時の「うれしート」車両を外から見た状況。

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▲「うれしート」チケットレス指定券。

「チケットレス」という名前が付いているもの、このように発券することも可能となっていますので、乗車記念に手元に残しておくことにしました。
ご覧のとおり、「指のみ券」と指定券の2枚セットとなっています。



以上が、はじめての「うれしート」の乗車記録であります。
ところで上述のとおり、「うれしート」は線区に限らず(※)列車最後尾に設定されています。
(※)2025年3月に導入される嵯峨野線では、列車の進行方向に関わらず、園部方に設定されることとなっています。

そのため、今回の大和路線奈良方面のの列車の場合、天王寺駅の構造上、最も利用者が多いと考えられる「中央口改札」の階段に最も近い位置に「うれしート」専用乗車口が来ることになってしまいます。
(参考)
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▲天王寺駅構内図(JRおでかけネット(https://www.jr-odekake.net/eki/premises?id=0620831)より引用、赤枠は管理人による。)
赤枠部分で強調しているように、「中央口改札」に近い階段が、奈良方面に向かって最後尾(「うれしート」設定時の専用乗車口)となります。


そのため、「うれしート」と知らずに乗った乗客は、車掌の案内で前方の自由席エリアに動いていくわけですが、そこはラッシュ時間帯であることに加え、短い6両編成でもあることが災いし、大混雑の自由席エリアに移らずに、「うれしート」エリアに立ち続けるお客さんもいました。

私が乗車した際には、担当車掌が、直接肉声で何度か自由席エリアへの移動を促しましたが、混雑で入れないことから最後まで動くことの無いままの乗客が、結局数名残ることとなりました。
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▲久宝寺駅到着直前の「うれしート」エリアから自由席エリアを見てみます。
立ったまま、自由席エリアに入れない乗客が数名いました。

グリーン車と違い、指定席車の場合は指定券が無い場合にその区画から排除する直接的な規程は無いように認識しています。
しかしやはり、「有料エリア」と銘打っているのであれば、混雑していたとしてもきっちり対応して欲しい、という意見も出てくるのでは、と疑問にも思いました。



それならば、JR西日本の公式案内で、「うれしート」の通路部分はどのような取り扱いになっているのか、改めて見てみたいと思います。
(参考)
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「快速 うれしート」の通路エリアは誰でも利用できますか。 – 西日本旅客鉄道株式会社より引用)

「通路部(指定席エリア内)での立席乗車はできません。」と記されているとおり、立席乗車はできないことになっています。

これをこのまま解釈すれば、「うれしート」指定席券を持っていない乗客は自由席エリアに移動しなければならない、ということになります。
一方、指定席券があくまで座席の確保に対する対価で、当該区画に居続けることまで排除していない、という解釈もあり得ます。

ただ、上記の公式Webサイトの記述、そして下記の天王寺駅での案内表示などを併せて考えてみますと、実際の運用上としては、「うれしート区画の通路部分には、指定席券がなければ入れない」と解釈すべきところと感じました。
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▲天王寺駅15番・16番のりばに掲出されている「うれしート」案内。
「うれしート設定列車は最後部車両一部エリアがデッキを含め「有料エリア」となります」と記されていますので、出入口付近に立っている場合でも、指定席券を別途購入する必要がある、と解釈できます。

なお、この「うれしート」は、車掌が発券端末を所持していないからなのか、車内で指定券を購入することはできない模様です。



下記記事でご紹介したように、来月のダイヤ改正で「うれしート」設定路線・列車が更に拡大することとなっています。
(参考)

特に奈良線(京都〜奈良)では、全ての快速列車(みやこ路快速、快速、区間快速)に「うれしート」が設定されることとなります。

一方、奈良線の京都駅ホームは多くが行き止まり式となっていることから、奈良行き列車の京都寄り(最後尾)は特に混雑する場所となっていることと考えられます。
(参考)
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▲京都駅構内図(京都駅|構内図:JRおでかけネットより引用、赤枠は管理人による。)
奈良線が発着する8〜10番のりば(赤枠部分)は、行き止まり式ホームとなっており、京都行き先頭車・奈良行き最後尾に乗客が集中することが考えられます。
奈良行きの場合、最後尾が「うれしート」設定区画となっているため、指定席券を有しない乗客が「うれしート」区画に入ってくることが多く出てくることが想定されます。

いわば、今回の天王寺駅と似たような、
「指定席を持たない乗客がうれしートに乗ってくる」

「一般席区間に誘導するも混雑のため移動できない」

「指定席を持っていない乗客がうれしート区画に居座ることになる」
という展開が想定されます。
こうなると、うれしート利用者だけでなく、車掌の案内に従って移動した一般客からも、不満が出てくることが大いに考えられます。

「うれしート」自体は柔軟性の高いサービスでありますが、一方でこのような問題も顕在化していることから、安定した運用を目指すのであれば、案内どおり料金を支払った利用者だけが、「うれしート」エリアを利用できるよう、公平線の観点からの改善していく必要だと感じました。



もっとも、今回の天王寺18時10分の快速(402K列車)は、他より短い6両編成である上に、そのうちの1両が女性専用車となっているため、元来混雑が激しいと考えられる列車で、そこに更に「うれしート」の設定が加わるのであれば、一般席区間が激しい混雑になることは、目に見えているともいえるでしょう。

実際402Kの次に「うれしート」設定のある、天王寺19時10分発の快速(列車番号420K)は、8両編成であることに加え、混雑が収まっている時間帯であることから、上述のような混乱は見受けられませんでした。

そんなことも考えると、「うれしート」が円滑に運用されるためには、設定列車の選定も肝要ではないか、とも感じました。



最後は苦言めいたことを色々書いてしまいました。

ただ、快速列車停車駅から手軽に使える有料座席サービス「うれしート」は、通勤・通学客だけでなく、子供連れや荷物が多い利用者、体調が芳しくないケースなど、本当に様々なケースに対応できる着席サービスだと感じています。

そのため、個人的にはニーズのある線区には更に広がって欲しいと思っていますし、「のれん」だけで手軽に設定できる柔軟性は、他の有料座席サービスでは実現しがたい、利用者のニーズにきめ細やかに対応できるのではないかと考えてもいますので、その将来性は高いものと感じています。

それだけに、指定席料金を支払った利用者が満足して繰り返し利用できるよう、サービスの円滑な提供を目指して今後も改善を図っていって欲しいな、と感じた次第でありました。

今日の乗車記録


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和泉鳥取(0816)-京橋 紀州路快速 モハ223-2512 約5分遅れ

天王寺(1810)-久宝寺 区間快速 クモハ221-46
久宝寺(1825)-天王寺 区間快速 モハ221-63
天王寺(1905)-和泉砂川 くろしお25号 クモハ287-19 約3分遅れ
和泉砂川(1940)-和泉鳥取 紀州路快速 クモハ224-5014

今日は、大阪市内に出張ですが、午前中に京橋まで向かって一件用事を済ませました。

大阪市内での仕事の後、そういえば、ということで、天王寺から久宝寺まで、快速「うれしート」に乗車してみることにしました。

「うれしート」の様子は、改めての記事でご紹介したいと思います。

【阪和線コラム】阪和線の難読駅をピックアップしてみました。筆頭株は「百舌鳥」でしょうか…

これまで阪和線各駅データベースを作成する際に収集してきたデータを元にご紹介してきたこのコラムですが、そろそろ手持ちデータが尽きてきつつあるので、今回は少し毛色を変えて、データとは無縁な、感覚的なお話をしていきたいと思います。

今回のテーマは「難読駅名」、初見では読みにくい駅名のご紹介です。

この「読みにくい」こそ、人によって千差万別ですから、まさに「感覚的」なテーマかと思いますが、実際阪和線にも日本有数ともいえる難読駅がありますので、ご紹介しないわけにはいかな、というのが、今回の趣旨であります。



阪和線での難読駅といえば、やはり「百舌鳥」(もず)が筆頭といえるでしょう。
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まさか仮名読みで2文字とは、他地域の方には全く想像できない駅名といえるでしょう。

「百舌鳥」という地名の由来は、下記堺市役所の公式Webサイトに掲載されています。
地名の由来が知りたいんだけど? 堺市
日本書紀に次の有名な話が見えます。『仁徳天皇が、河内の石津原(いしつのはら)に出向いて陵の造営場所を決め、工事をはじめたところ、突然、野の中から鹿が走り出てきて、工事の人たちの中に飛びこんで倒れて死んだ。不審に思って調べてみると、鹿の耳から百舌鳥が飛び出し、鹿は耳の中を食いさかれていた。このことから、この地は百舌鳥耳原と呼ばれるようになった。』百舌鳥や鹿のことは、百舌鳥耳原という地名が先にあって、それを説明するために後で考え出された、地名起源説話の一つだと思われますが、これから見ると、このあたりは大昔は石津原と呼ばれていたようです。しかし、いつ頃から、また、なぜ百舌鳥と呼ばれるようになったのか、よく分かっていません。
(上記堺市Webサイトより引用、下線は管理人による。)

・・・結局なぜ、そしていつから「百舌鳥」と呼ばれるようになったのか、そもそもなぜ「もず」を「百舌鳥」と呼ばせるようになったのかの由来は分からずじまいです。

起源が謎な難読地名・駅名でありますが、今や「百舌鳥・古市古墳群」と世界遺産の名称としても有名な「百舌鳥」。

ちなみに「もず」という鳥は大阪府の鳥、そして堺市の鳥として制定されているので、大阪府民、そして堺市民にとっては、「モズ」という鳥と地名、そして駅名はお馴染みのものであります。
(参考)
大阪のシンボル/大阪府(おおさかふ)ホームページ [Osaka Prefectural Government]
市民の木・市の花木・花・鳥 堺市

また、大阪府のゆるキャラ「もずやん」も、大阪府の鳥「モズ」をモチーフとしています。
(参考)
大阪府広報担当副知事もずやん/大阪府(おおさかふ)ホームページ [Osaka Prefectural Government]



すっかり「モズ」の話ばかりになってしまいましたが、閑話休題。

昨年10月から今年1月にかけて、当ブログで掲載してきた「阪和線各駅データベース」のデータ作成のため、和歌山市民図書館で文献調査をしていましたが、その際「難読・誤読駅名の事典」(浅井健爾著、東京堂出版、2013年6月20日発行)という本を見つけました。

この本は、全国各地の難読駅について、その駅名や由来をコンパクトにまとめたものとなっています。

上述の「百舌鳥」以外にもどんな難読駅がエントリーされているのか、本書をもとにみてみました。
富木(とのき)
(旧村名の富木村から取ったもので、旧村名はこの土地の氏神様である等乃伎(とのぎ)神社に由来
信太山(しのだやま)
(駅名は信太森葛葉稲荷神社(しのだもりくずのはじんじゃ)に由来)
新家(しんげ)
六十谷(むそた)
の各駅がエントリーされていました。

確かにこれら各駅、阪和線利用者にとっては馴染みのある駅名ですぐ読める一方、他線区、はたまた関西以外の方には簡単には読めない駅名ばかりなのでは?と思いました。

一方で、これら以外で個人的に難読駅と思えるのは、
鳳(おおとり)
下松(しもまつ)

あたりでしょうか。

鳳は、そもそも漢字一文字でどう読むか戸惑う駅と思われます。
近くに「漢字三文字を二文字で読ませる駅」があるだけに、余計に戸惑うかも知れません。
「ほう」と読むのか、そうでなければ何と読むのか悩むところでしょうか。

一方下松は、これは「しもまつ」と読むか「くだまつ」と読むかが悩みどころでしょうか。
実際、山口県の山陽本線に「下松」という駅が実在することから、その悩みに拍車をかけているといえるでしょう。
答えは、阪和線の「しもまつ」駅、山陽本線の「くだまつ」駅となります。

いつか、「下松⇒下松」の片道乗車券を購入して旅行してみたいものであります。

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▲阪和線の「下松」駅。
この駅は「しもまつ」と呼びます。
同じJR西日本管内に「下松(くだまつ)」があるだけに、余計に混乱しそうですね…

【南海電鉄】泉北高速各駅で発売のIC連絡定期券の発売範囲が大幅に拡大。大阪メトロ難波・天下茶屋接続に加え、JR・大手民鉄各社との連絡定期券も発売に

南海電鉄では、泉北高速鉄道との合併に伴い、2025年4月1日(火)から泉北高速各駅(深井、泉ケ丘、栂・美木多、光明池、和泉中央)で発売しているIC連絡定期券の発売範囲を拡大します。

2025年4月1日(火)から泉北高速各駅で発売しているIC連絡定期乗車券の発売範囲を拡大します | 南海電鉄
IC連絡定期乗車券の発売範囲を拡大します | 泉北高速鉄道

概要は以下のとおりです。

【発売開始日】
2025年4月1日(火)から

【追加接続駅・発売拡大経路】
●Osaka Metro(大阪メトロ)(接続駅追加)
<難波駅接続>
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<天下茶屋駅接続>
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(※)中百舌鳥駅接続は現在も発売中

●JR西日本(拡大)
<新今宮駅接続>
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<三国ヶ丘駅接続>
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<橋本駅接続>
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●近畿日本鉄道(拡大)
<難波駅〜大阪難波駅接続>
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<河内長野駅接続>
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<天下茶屋駅〜大阪メトロ堺筋線〜近鉄日本橋駅接続>
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●京阪電気鉄道(拡大)
<難波駅〜大阪メトロ御堂筋線〜淀屋橋駅・大江橋駅接続>
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<天下茶屋駅〜大阪メトロ堺筋線〜北浜駅・なにわ橋駅接続>
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<新今宮駅〜JR大阪環状線〜京橋駅接続>
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●阪急電鉄(拡大)
<難波駅〜大阪メトロ御堂筋線〜大阪梅田駅接続>
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<天下茶屋駅〜大阪メトロ堺筋線〜天神橋筋六丁目駅接続>
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●阪神電気鉄道(拡大)
<難波駅〜大阪難波駅接続>
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<難波駅〜大阪メトロ御堂筋線〜大阪梅田駅接続>
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(上記画像はいずれも発表資料(https://www.nankai.co.jp/lib/company/news/pdf/250207_1.pdf)より引用)


【発売券種】
通学・通勤(大人・小児)のIC連絡定期乗車券
(大阪メトロを経由する通勤定期乗車券は大人のみ)
(障害者用割引定期券、実習用通学定期券は対象外)

【発売媒体】
ICカード(PiTaPa及びICOCA)
(磁気定期乗車券は対象外)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



この4月1日に、泉北高速鉄道は南海電鉄と合併し、泉北高速鉄道線は「南海電鉄泉北線」として新たなスタートを切ります。
既に車両のロゴ等については合併を前に「NANKAI」のロゴが入ったものに逐次変更されていることは、このブログでもご紹介したところです。
(参考)


一方、運賃等については、南海電鉄と泉北高速鉄道線(合併後は「泉北線」)との運賃については、「普通運賃はほとんどの区間で値下げ」「定期運賃は全区間で値下げ」が発表されています。
(参考)

泉北線と、南海線・高野線等にまたがる区間では大幅な値下げが実現することから、泉北線沿線の利用者にとっては朗報この上ないわけですが、一方で、泉北線の運賃も南海電鉄の運賃体系に取り込まれることで、連絡定期券の発売範囲が拡大されるのか、という点も気になっていました。

現在、泉北高速鉄道各駅からの連絡定期券は、以下の2種類のみ発売されています。
<南海電鉄>中百舌鳥駅接続
・<大阪メトロ>中百舌鳥駅接続

つまり、多くの利用者が想定される「<大阪メトロ>難波駅接続」や「<JR西日本>三国ヶ丘駅接続」といった連絡定期券は、これまで発売されておらず、これらを乗り継いぐ定期券利用者は、必ず2枚の定期券を別々に購入し、使用する必要がありました

一方、南海電鉄の各駅からは、「<大阪メトロ>難波駅接続」や「<JR西日本>三国ヶ丘駅接続」は勿論、難波駅及び天下茶屋駅から大阪メトロを経由して、阪急、阪神、京阪の各社への3社連絡の定期券も購入することができました。

しかし今回、南海電鉄と泉北高速鉄道との合併により、「南海泉北線」となることで、上述の定期券は、現在の南海電鉄各駅と同様の範囲で、1枚の連絡定期券で購入することが可能となりました。


一例を申し上げますと、私が泉北高速鉄道沿線に住んでいた大学生の頃、泉ケ丘駅から阪急神戸線・六甲駅まで通学していました。

その際、「泉ケ丘〜中百舌鳥〜梅田」「梅田〜六甲」か、「泉ケ丘〜中百舌鳥〜難波」「難波〜梅田〜六甲」の組み合わせで、必ず2枚の定期券を購入する必要がありました。
必ず2枚購入しなければならない、という手間もありますし、保管や入れ違えにも、常に気をつけていた記憶があります。


当時は磁気定期券の時代でしたので、仮に自動改札機に入れ違っても、入場できないだけでしたが、現在のIC定期券ですと、間違って入場しても、即座に入場不可となることは無く、間違って乗車した際にはチャージ分から減算されてしまう、という痛手を被ることとなります。

そのため、特に連絡定期券の発売は、特にIC定期券の際には特に求められていたものと思われますが、今回、合併を機に、上記発表資料の区間で、新たに連絡定期券が発売されることとなりました。

大学時代の頃には、私の知り合いでも、「泉北高速鉄道線〜三国ヶ丘〜JR阪和線」や、「泉北高速鉄道線〜難波〜近鉄大阪線・奈良線」等といった通学をしていた同級生がいましたが、いずれも皆さん、同様に2枚の定期券を区間によって使い分ける必要がありました。

そういった面倒や手間が、この合併により大きく解消されることは、本当に嬉しく思いますし、まさにこれこそが、合併で利用者が求めていたもの、と言えるのではないか、と思います。


勿論、私が泉北高速鉄道線沿線に住んでいた頃から、このような連絡定期券が発売されていれば、喜んで利用していたのですが、当時には当時の状況があったので仕方ありません。

この4月以降、多くの泉北線沿線の利用者が、この連絡定期券のメリットを享受できるだけでなく、様々な場所の事業所や学校に、1枚の定期券で通勤・通学できるというメリットで、泉北線沿線により多くの方々が住み着くきっかけとなり、それが泉北線・高野線の利用者増加に繋がれば、これこそ、かつて泉北線沿線に住んでいた者の一人として嬉しく思うわけです。

「たかが連絡定期券だけで何を大袈裟な」と思われるかも知れませんが、泉北高速鉄道の南海電鉄グループ化、そして今回の合併により、泉北線各駅と都心との距離は、実際の距離は全く変わらないものの、時間的(区間急行の大増発、特急「泉北ライナー」の新設)、費用的(南海電鉄の運賃体系により値下げ)、そして手間的(連絡定期券の発売)な改善で、「心理的に」かつてよりも近くなったと実感できます

これらが組み合わさり、人によっては都心から遥か遠いとも感じられる泉北線の沿線が、心理的にも近い場所であると多くの人が考えると、それだけ転居・移住先に選ばれるきっかけになることから、決して大袈裟ではなく、むしろこれを機に、泉北線沿線の新たなまちびらきのスタート、ともいえる出来事なのではないか、と思う訳です。


会社も変わり、車両のロゴも変わり、運賃も変わり、そして今回定期券の発売も変わることとなりました。
私が利用していた頃の泉北高速鉄道の体験が、どんどん変化していくことに戸惑いが無い、といえば嘘になりますが、一連のニュースを分析していると、これらがトータルで、明日の泉北線がより良いものになる変化だというのも、一方で実感しているところです。

いよいよ、あと2ヶ月を切った、「泉北高速鉄道」のフィナーレと「南海電鉄泉北線」のスタート。
より良い「泉北線」の明日につながるニュースがこれからも出てくることを期待し、かつて沿線に住んでいた者の一人として、引き続きこの変化をご紹介していきたいと思います。

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▲三国ヶ丘〜百舌鳥八幡間を走行する泉北高速鉄道9300系。
4月1日より、泉北線各駅から三国ヶ丘駅で接続するJR線への連絡定期券が発売され、これまで2枚必要だった定期券が1枚で利用できるようになります。

今日の乗車記録(通勤)


和泉鳥取(0809)-和歌山 区間快速 モハ224-5140
和歌山(2120)-和泉鳥取 紀州路快速 クモハ223-2506

【南海電鉄】中百舌鳥駅下りホーム駅名票が泉北高速合併後の姿に(2025.2.5)泉北社章は「泉北線」ロゴに引き継がれる模様

昨日(2月5日)に南海高野線に乗った際、まもなく見納めとなる泉北高速鉄道の駅名票などを記録しようと、中百舌鳥駅に降りてみました。

下り方(和泉中央・高野山方面)の駅名票を見てみますと、ご覧のとおり「ラインカラーが黄緑色」「泉北線の駅ナンバリングがNK○○」の南海仕様に変更されているのを見かけました。
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▲中百舌鳥駅2番線(泉北高速鉄道・和泉中央方面)の駅名標
ラインカラーの黄緑色が入ったものに変更されています。
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▲路線図の「泉北線」の部分を拡大してみました。
駅ナンバリングが「NK88」〜「NK92」となっています。

上記画像の黄緑色の枠をご覧になってわかるとおり、「泉北線」と記されている上に、ロゴマークが、カタカタの「セ」をもじった現在の泉北高速鉄道の社章が記されており、合併後は「泉北線」のロゴマークとして引き続き使用されることとなる模様です。



泉北高速鉄道が南海電鉄と合併することから、路線名やロゴマーク、キャラクター等の合併後の処遇が気になっていました。
このうち、路線名は「泉北線」に、キャラクターは「総選挙による続投判断」となっていますが、現在の社章については、その取り扱いが明らかにされていませんでした。
(参考)




今回、合併後の仕様となった路線図に、「セ」マークが使われていることから、現在の泉北社章が引き続き、泉北線のロゴマークとして使われることは、ほぼ確定とみていいでしょう。

もっとも、現在の社章は青色及びオレンジ色で彩られているのに対し、路線ロゴマークはモノクロであることから、カラー版の「セ」マークは見納めとなりますが、それでも、「泉北高速鉄道」のシンボルが、合併後も引き続き使用されることは、泉北高速鉄道線沿線に住んでいた者にとっても、嬉しく感じた次第です。

今日の乗車記録


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和泉鳥取(0809)-和歌山 区間快速 モハ224-5111
和歌山(0848)-紀伊勝浦 特急くろしお1号 クモロハ286-12

紀伊勝浦(1804)-和歌山 特急くろしお36号 サハ283-202
和歌山(2104)-和泉鳥取 紀州路快速 モハ224-5021

今日も今日とて、出張で本日は紀伊勝浦まで向かいます。
出張なので、マグロも温泉も無し、であります…

大阪メトロ中央線「夢洲駅」を訪問する(2025.2.5)

今年1月19日(日)に開業した、Osaka Metro(大阪メトロ)中央線の「夢洲駅」。
今年4月13日から開催される「大阪・関西万博」の会場最寄り駅として、そしてその後はIR(統合型リゾート)の最寄り駅となります。

この夢洲駅、開業日はおいそれと外出できない事情があったので、万博開業前までに訪問してみようと思っていたところ、本日(2月5日)に寄れる時間があったので、行ってみることにしました。

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▲コスモスクエア⇒夢洲の車内案内表示

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▲夢洲駅に到着しました。
新型車両「400系」と統一感が取れた光のデザインが特徴です。

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▲駅名標

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▲ホームとエスカレーター

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▲改札内通路
大阪・関西万博での多くの来場客に対応すべく、通路は広く取られています。

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▲改札内コンコースの巨大デジタルサイネージ

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▲改札口
多数の自動改札機が並ぶ姿は壮観そのものです。
ただ、勿論万博開催前なので、改札口の規模に比べると人はまばらに見えます。

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▲自動券売機
こちらも、万博開催中の多数の来訪者に対応すべく、十分なスペースが取られていますが、開催前の今は、そのうちの数台のみが稼働しています。

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▲精算機。
といっても、こちらも万博を前に準備されている機会で、開催期間中は十分な広さが取れた通路に、多数の券売機が置かれることになるのでありましょう。

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▲駅構内に設けられた「ローソン」。
現在のところ、駅周辺で(工事関係者ではない)一般の乗客が利用できそうな店は、このローソンのみのようです。

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▲地上へ通じる階段
こちらも万博来訪者に対応すべく、幅が広く取られています。

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▲夢洲駅舎。

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▲駅舎の向かい側には、大阪・関西万博の東ゲートが設置されています。
とはいえ、万博開催前には勿論立ち入ることはできません。

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▲万博工事エリアの出入口。
丁度、工事関係者の終業時間となった頃で、関係者が絶え間なく退勤していました。
中央線・コスモスクエア〜夢洲間が、当初の予定よりも繰り上げて開業した理由として、工事関係者の地下鉄利用による工事用車両の混雑緩和が挙げられていました。

工事関係者が続々と帰宅する光景を目の当たりにして、やはり繰り上げ開業は正しい判断だったのだな、と実感しました。

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▲そのまま夢洲駅から折り返します。
帰りは近鉄の車両に乗車となりました。



以上が、先月19日に開業した大阪メトロ中央線・夢洲駅の様子でした。

この日は工事関係者以外の利用は全く見かけなかったのですが、万博が開催されれば、それこそ多数の入場者がこの夢洲駅を利用することになるかと思います。
その時に、多数並んだ自動改札機や十分な広さを取ったコンコース、エスカレーター等が本領を発揮するものと思われます。

私自身、既に万博の入場券は購入していますので、開催期間中には一度くらいはこの夢洲駅を利用するものと思われます。
その時には、今日とは全く違う、賑わった様相の駅構内の様子が見られるものと思われますので、その様子も見に来ることができれば、と思っています。

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