広島県の三次と島根県の江津を結ぶ三江線が、7月の豪雨の被害により、運休が続いているとのことです。

三江線全面不通 いつまで続く住民不便(中国新聞)

上記リンク先の社説を読んでみると、豪雨の被害がかなり甚大なが分かります。
現在は被害の調査を行っており、9月末を目処に復旧計画を検討するとの事ですが、高山本線や越美北線の例もあり、復旧には複数年という長い期間が恐らく必要ではないかと思われます。

いや、復旧されるだけならまだ良いのかも知れません。高千穂鉄道の例もあるように、豪雨の影響で復旧費用が割に合わなく、廃止ということも考えられないこともありません。

三江線は全区間通じて、一日数本しか列車が走っておらず、他にも本数の多いローカル線が廃止される中、どうして今まで生きながらえてきたのかがある意味不思議な路線でもあります。
それだけに、今回の豪雨被害が廃止へのきっかけとならないとも限らないとも思われます。

もっともJR側は復旧しないとは全く言っていないわけで、今後の展開待ちということになりますが、これだけ利用が少ない路線をあえて復旧させるためには、民間企業単体での復旧は難しい(逆に株主への説明責任がつくかどうか?)ことから、沿線自治体が協力する事が不可欠であろうと思われます。
逆にそれがなければ、三江線の命運が尽きないとも限らない。

中国新聞の社説では、

規制緩和で、鉄道の廃止が許可制から届け出制になったこともあり、長期にわたる全面不通が「廃線」につながる不安が住民には募る。「最後は数(利用者)の論理で切り捨てでは」との不信感をJRは酌み取らねばなるまい。
 広島、島根両県の六市町でつくる三江線改良利用促進期成同盟会は部分開通も求めるが、信号不通などのため実施の意向はない。
本当に過疎地を大事にするのなら、調査段階からJR西日本の総力を挙げるべきだ。復旧を待つ地元の願いは悲痛である。


とありますが、逆に考えると、一民間企業にそこまでの負担を強いる事が果たして妥当かどうか、執筆者の意見も伺いたい気もします。

最近の基調では、鉄道会社が負担出来ない分を地元自治体なども負担して、公共交通手段を維持していこうという流れだと思われます。
三江線の復旧も、そういうスキームでなされる事を期待しつつ、今後をみていきたいと思います。