「ジャンボジェット」と世間で呼ばれているボーイング747ですが、近い将来日本の空の主役から退くとのことです。

ジャンボ機、日本の空から引退へ…日航「最古型」退役(Yahoo!ニュース)

「旅行ニーズの多様化」がジャンボ縮小の要因ということですが、航空需要はむしろ拡大気味ですし、週末の羽田発着路線の混雑ぶりをみても、一概にニーズの多様化だけが原因とは思われません。
むしろ、例えばボーイング777といった、747とさほど変わらないキャパシティを有しながらも、エンジンが747の半分の2基で済むために運行コストが低く済ませる事ができる機材が登場したことにより、活躍の場を追いやられたといったところにあるような気がします。

逆に言うと、777が登場するまでは、500人程度を運べる飛行機は747しかなく、その状態が30年くらい続いており、また国内の空港事情(利用客の多い羽田空港の発着枠が一杯のため、なるべく一便で多くの人数を運ぶ必要がある)もあるので、747が大量かつ長期的に使用されてきたわけです。
そういう意味では、日本の航空業界を支えてきたのはボーイング747であるともいえますので、全機引退の時まで温かく見守っていきたいものです。

ところで大量輸送のジェット機といえば、ボーイング社のライバルであるエアバス社がA380という完全2階建てのジェット機を開発していますが、国内の会社が導入するという話を聞きません。果たして巨額の開発費を回収できるほどの販売実績を残せるのでしょうか?