今年春には近鉄でもPiTaPaを利用出来る予定になっていましたが、それ以降の発表がなかなか無かったので、忘れそうになっていたところ、本日発表がありました。

PiTaPa交通ご利用エリアを4月1日に拡大します!(スルッとKANSAIプレスリリース)
平成19年4月1日から、近鉄主要路線でIC カードの利用が可能になります(近畿日本鉄道プレスリリース)
PiTaPa(スルッとKANSAI IC決済サービス)の利用開始について 〜平成19年4月1日(日)より〜(奈良交通プレスリリース)

まず特筆すべき点は、近鉄の導入エリアの広さとPiTaPa決済運賃割引でしょうか。

まず近鉄の導入エリアは、近鉄線のうち、伊賀線・養老線・内部線・八王子線・鋼索線を除く全線で利用可能となっています。(ただし志摩線については特急停車駅と中之郷駅のみで対応)
上記プレスリリース内の利用可能路線図をみれば分かるとおり、東は名古屋、南は鳥羽から京都・吉野・奈良・大阪に至る広範囲で利用出来るようになっています。
大阪線・名古屋線等の本線系統だけでなく、湯の山線・鈴鹿線、はたまた奈良県内で磁気カード系が利用出来なかった田原本線でも利用出来るようになっているのには、ただ感動の一言です。

すなわち、JRグループよりも先に名阪間のICカード利用が可能になったわけです。
勿論、PiTaPa利用可能ということは即ちICOCAでも利用可能(運賃割引は適用されませんが)というわけです。

もう一つの注目点は、PiTaPa決済での運賃割引の内容です。

恒常的に実施する運賃割引は、利用額割引(利用額に応じて割引額が生じる)のパターンですが、期間限定(平成19年4月中)ではありますが、近鉄難波〜鶴橋・名古屋〜伊勢市以南のICカード利用可能駅間をPiTaPaで利用すると、普通運賃が何と50%割引、という何とも太っ腹な割引です。

ここのところ伊勢志摩の観光輸送に再び力を入れ始めた近鉄にとっては、この機会にPiTaPaで伊勢志摩に来てもらった上で、近鉄でもPiTaPaが使える事を利用者に体感してもらうための目的を持った割引施策でしょうが、ゴールデンウィークにも重なる事から、連休の予定に近鉄で伊勢志摩へいかれる際には是非検討してみてはいかがでしょうか。

まあ何というか、これまでのPiTaPa導入の社局にはないくらいの、お腹いっぱいの内容ですが、それに加えて、奈良県内の近鉄沿線を中心に路線網を張り巡らせている奈良交通とグループ会社のエヌシーバスでも4月1日からPiTaPaが使えるようになります。

奈良交通で特筆すべき点は、すでに奈良交通独自のICカード「CI-CA」(シーカ)が全路線で利用出来ることにより、今回のPiTaPaもこれに則り全路線(関空発着リムジンや夜行バス等一部は除く)で利用できること。

「全路線」というわけですから、大台ヶ原や、十津川へ向かう路線や、はたまた大和八木発十津川経由新宮行き特急バス(全所要時間が6時間程度かかると思います)でも普通に利用が出来るようになると言うわけです。

PiTaPa・ICOCAの使えるエリアがとてつもなく拡大した事に「呆然」と「感動」という感想を感じてしまった、今回のプレス発表でした。