去る2月1日、JR福知山線での脱線事故に関する航空・鉄道事故調査委員会(以下、事故調と略)の意見聴取会が開催され、JR西日本や事故の遺族・被害者・学識経験者等が意見を陳述しました。
<福知山線脱線>JR西、企業体質との関係否定 意見聴取会(毎日新聞)
JR西、日勤教育批判に反論=福知山線脱線で意見聴取会−事故調(時事通信)
福知山線脱線意見聴取会 JR西弁明 事故調指弾(読売新聞)
意見聴取会での内容が、事故調ホームページにアップされていないため、あくまでも新聞記事をベースにした内容での判断となる事をあらかじめ断っておきます。
さて、この意見聴取会でJR西日本が陳述した内容は、主に日勤教育の正当性(大阪高裁で不当ではない判決が出ているらしい)や、余裕のダイヤとの指摘に対する反論といったように、はっきり言って事故調に喧嘩を売るような内容に終始していたようです。
この意見聴取会は、ある意味、JR西日本が今後どのような安全対策を講じていくのかという姿勢を表明する場でもあったと私はとらえていたのですが、どうやら私の期待は100%裏切られた気持ちです。
確かに事故調の報告書が今後の刑事事件での大きな証拠にもなる事から、自社に不利な陳述は行いたくないのは理解出来ないわけではありません。
だからといって、事故調の報告書案に対する言い訳(いや口答え?)に終始したこのJR西日本の答弁は、今後の自社の安全運行に対する姿勢は事故前と全く変わっていない事、いや変えるつもりは毛頭ないことを言い切ったものであるとも言えます。
こんな答弁ですので、事故調の委員も猛烈に怒っていたようです。詳細は上記新聞記事を読んで頂きたいのですが、ここまで事故調と対立して、果たしてJR西日本にメリットがあるのか、私には最後まで理解出来ませんでした。
JR西日本のホームページのトップには同社の安全性向上計画とその進捗状況へのリンクが貼られていますが、この計画そのものの信憑性、やる気自体を疑わざるを得ない、そういう状況ではないかと思います。
更に言えば、企業の体質に問題がない(=企業の体質を変える必要がない)と言い切ったJR西日本は、福知山線のような多数の犠牲者を出す事故を再び起こすのではなかろうか、と思わざるを得ません。
私はこの事故の直後のエントリーでは、原因の究明とか改善策を提示することなく、ただひたすらJR西日本の批判ばかり行っているマスコミを批判していました。
今般、原因の究明の場で、安全運行のために企業の体質を変えようとしないことを表明しなかったJR西日本に対し、今度は逆に、もっとマスコミはこの姿勢を批判するべきだと思うのですが、どんなものでしょうか。
ともかく、春には調査報告が出されるので、それを元に、JR西日本はやはり態度を変えないのか、それとももっと辛辣な調査報告となってしまい、それに屈して結局は安全運行第一の企業体質を目指さざるを得ないのか、あまり追いかけたくない話題ですが、もう少し追跡したいと思います。
<福知山線脱線>JR西、企業体質との関係否定 意見聴取会(毎日新聞)
JR西、日勤教育批判に反論=福知山線脱線で意見聴取会−事故調(時事通信)
福知山線脱線意見聴取会 JR西弁明 事故調指弾(読売新聞)
意見聴取会での内容が、事故調ホームページにアップされていないため、あくまでも新聞記事をベースにした内容での判断となる事をあらかじめ断っておきます。
さて、この意見聴取会でJR西日本が陳述した内容は、主に日勤教育の正当性(大阪高裁で不当ではない判決が出ているらしい)や、余裕のダイヤとの指摘に対する反論といったように、はっきり言って事故調に喧嘩を売るような内容に終始していたようです。
この意見聴取会は、ある意味、JR西日本が今後どのような安全対策を講じていくのかという姿勢を表明する場でもあったと私はとらえていたのですが、どうやら私の期待は100%裏切られた気持ちです。
確かに事故調の報告書が今後の刑事事件での大きな証拠にもなる事から、自社に不利な陳述は行いたくないのは理解出来ないわけではありません。
だからといって、事故調の報告書案に対する言い訳(いや口答え?)に終始したこのJR西日本の答弁は、今後の自社の安全運行に対する姿勢は事故前と全く変わっていない事、いや変えるつもりは毛頭ないことを言い切ったものであるとも言えます。
こんな答弁ですので、事故調の委員も猛烈に怒っていたようです。詳細は上記新聞記事を読んで頂きたいのですが、ここまで事故調と対立して、果たしてJR西日本にメリットがあるのか、私には最後まで理解出来ませんでした。
JR西日本のホームページのトップには同社の安全性向上計画とその進捗状況へのリンクが貼られていますが、この計画そのものの信憑性、やる気自体を疑わざるを得ない、そういう状況ではないかと思います。
更に言えば、企業の体質に問題がない(=企業の体質を変える必要がない)と言い切ったJR西日本は、福知山線のような多数の犠牲者を出す事故を再び起こすのではなかろうか、と思わざるを得ません。
私はこの事故の直後のエントリーでは、原因の究明とか改善策を提示することなく、ただひたすらJR西日本の批判ばかり行っているマスコミを批判していました。
今般、原因の究明の場で、安全運行のために企業の体質を変えようとしないことを表明しなかったJR西日本に対し、今度は逆に、もっとマスコミはこの姿勢を批判するべきだと思うのですが、どんなものでしょうか。
ともかく、春には調査報告が出されるので、それを元に、JR西日本はやはり態度を変えないのか、それとももっと辛辣な調査報告となってしまい、それに屈して結局は安全運行第一の企業体質を目指さざるを得ないのか、あまり追いかけたくない話題ですが、もう少し追跡したいと思います。