国内で唯一、後払い方式の交通系ICカードシステムのPiTaPa。
PiTaPa導入各社局ごとに、後払い(ポストペイ)に関する割引のメニューはあるものの、概して渋い割引率のため、定期券や回数券を利用し続けている利用者も多いようです。

そんな中、大阪市交通局がユニークな割引制度を発表しました。

ICカード「PiTaPa」に新サービス「利用額割引マイスタイル」登場!(大阪市交通局プレスリリース)

概要は次の通りです。
・「地下鉄・ニュートラムの任意の2駅」「バス全線」「その双方(地下鉄・ニュートラムの任意の2駅とバス全線) 」 のいずれかを選択して登録した場合に割引を適用。
・登録の内容により、「特定利用」となる乗車が定まり、1か月(1日〜末日)のお支払
い額に上限が設定されるサービス。
・「特定利用」となる場合は次の通り。
 地下鉄・・・登録した2駅相互間の乗車、又は登録した2駅と「対象駅」間の乗車。
 ※対象駅:ある駅から登録した2駅までの区数のいずれもが、登録した2駅相互間の区数以下の駅
 バス:バス全線の乗車
・料金の計算は、「特定利用」「特定利用以外」それぞれに現在の利用額割引の割引を適用し、毎月の料金を計算。
 但し、「特定利用」に関しては、請求上限額を設け、利用額割引適用後の料金を請求上限額とを比較して、安い方の料金を請求。
・「請求上限額」は、登録内容によって定まっているが、6ヶ月定期料金の1ヶ月相当額。

何やらかなりややこしい割引のように感じる方も多いかも知れません。
むしろこちらの案内ページを丁寧に読んでもらった方が理解しやすいのかな、と思います。

言うなれば、阪急・京阪で行っている区間指定割引に、IC定期券の概念をミックスさせたもののようです。しかもいきなり初回請求より6ヶ月定期相当の割引率が適用されるため、かなりお得な内容となっています。
(ちなみに阪急・京阪の区間指定割引の場合は1ヶ月定期相当額よりスタート。継続利用すれば割引率のアップ(阪急)やポイント付与(京阪)がありますが、1ヶ月定期相当額以下の利用となると、継続利用はリセットされます。)

勿論、定期券では可能であった「定期区間内での乗り降り」が、利用額割引マイスタイルでは「登録駅以外は別計算」となることもあり、定期利用よりも高くなるケースもあり得ることから、メリットがあるかどうかは各自の利用実態を見極めて判断するべきでしょうが、定期区間の両端を単純に往復する利用がメインであれば、紛失時のフォローも含めて、利用額割引マイスタイルの方が良いとも思われます。

ともあれ、「民間企業」ではなく「役所」である大阪市交通局が発表した今回の割引。
「役所」がもっとも苦手としていたはずの顧客サービスの向上を、こういう形で実現させた大阪市交通局は、なかなかなものです。
それに引き替え、「お役所」よりも柔軟な発想が得意なはずの「民間企業」である関西民鉄他社からこういったユニークかつお得な割引料金が出てこないのは、どうしたことでしょうか。
現状の割引サービスで満足しているのであれば、それは大きな見込み違いなのではないか、とも思います。大阪市交通局のこの割引を契機に他社でもお得なPiTaPa割引を設定して欲しいと思います。