Yahoo!の地方交通ニュースカテゴリーで、こういう記事を見つけました。

【明解要解】路面電車、減るか増えるか 世界では復活傾向(Yahoo!ニュース、元記事:産経新聞)

記事の内容は、富山ライトレールと名鉄岐阜市内線の例を元に、国内で検討されているLRTと、逆に廃止された路面電車もあるという切り口で、昨今のLRTに関する話題をまとめているというものです。

このブログでも堺市LRT計画をもとに述べているように、LRTとは単に道路上に線路を敷いて低床車両を走らせることが目的ではなく、少子高齢化が進む中、従来型の郊外へ広がるまちづくりでは社会的コストの負担が重荷となるため、逆に中心市街地へまとまるまちづくり、いわゆる「コンパクトシティー」のまちづくりのための手段の一つといえるでしょう。
そういう意味では、日本のLRTに対する議論は、まだ「路面電車」の延長線上で止まっているものが多いような気がします。ただ、前述の富山市のように、富山ライトレールの建設時にそういうところまで踏み込んで議論してきている地域では、住民の理解度も高いとは思われます。

勿論、上記のような考えでLRTを設置するわけですから、採算性を重んじる収益事業、という観点よりはむしろ都市の機能の一つとしての公共インフラ事業という考え方を取らざるを得ないわけでして、勿論事業収益性を無視するわけにはいきませんが、だからといって収益が上がらないので無駄な事業、と決めつけられるものではありません。
ただ、そのためには、建設・運営のための社会的な合意が必要かな、とは思っています。
それがどのような形で取られることが必要なのか、市議会の議決で良いのか、住民投票まで踏み込むのか、それともまた別の形があるのか、それは各々の地域で判断するべき問題なのかな、とも思います。

さて、そんな風に、日本の国内でもLRTというまちづくりのシステムに対する議論が深まれば良いな、と思っていたら、同じカテゴリーにこんなニュースを見つけました。

LRT:「白紙撤回を」 29日に宇都宮で、反対する会が総会 /栃木(Yahoo!ニュース、元記事:毎日新聞)

宇都宮市でもLRTの計画があることは知ってはいましたが、既存の路線バス事業者との調整が難儀している(LRT計画区間が随一の収益路線である)というのは聞いたことがあります。
この「反対する会」は、そういう観点からの反対とはまた別で、ネット検索で引っ掛かった主張を要約すれば、公共事業の一種であるLRTは無駄でもっと他に税金を使うべきでは、という論調のようです。

私なりのとらえ方からすれば、LRT事業自体「公共事業」という認識をもっているので、それだけに、LRTだけでなく、今後の地域のまちづくり自体をどのように考えているのか、というのが論点と思っています。
先に述べた「コンパクト化」を目指すのに必ずしもLRTが必要、というわけではなく、それは都市の規模や他の交通機関の整備状況、その他地理的条件により必要か不要か判断していくべき問題で、単に「無駄な公共事業」という一点で計画を無に帰するのは、まちづくりの目指す方向性にもよりますが、稚拙な結論とも言えます。

もっとも、私自身が、JR宇都宮駅に降りたのは烏山線と日光線に乗りに行く際に途中下車しただけということからも分かるように、宇都宮市のことについては全く分かっていません。
まあ、その程度の知識の人間が書いている戯言、と思って頂いてもいいとは思いますが、ともあれ、LRTとは従前の路面電車とは違うものという認識が定着すればいいな、と思ったりもしたニュースでした。

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