少し前のプレスリリースですが、こういう発表がありました。

韓国での「PiTaPaカード」発行を開始します(PiTaPaプレスリリース)

韓国でのPiTaPaカード発行、とありますが、概要は次の通りです。
・韓国のクレジットカード会社であるロッテカードは今年の10月から韓国においてPiTaPa機能付きカード「ロッテPiTaPaカード」の発行を開始します。
・ロッテPiTaPaカードは、日本国内のPiTaPaエリアでの交通利用が可能で、利用代金は円からウォン建てで換算の上、利用者に請求します。

こういうフレームでの国内外相互の利用は世界初のケースらしいのですが、このカードで、逆に、そもそもそういうシステムがあるのかどうかは知りませんが、韓国の交通機関がPiTaPaのように非接触ICカードで利用できるか、というとそうではなく、結局PiTaPaの枠内で外国のカード会社が乗り入れ利用できるようになった、というイメージでしょうか。

別添のプレスリリースまで読んでみましたが、次の事が気になりました。
・チャージをすれば、ICOCAエリアでの鉄道利用は可能か?
・PiTaPaのショッピング機能の利用は可能か?
いずれも、具体的に言及はされていませんので、使えるのかも知れないし、使えないのかも知れません。
ただ、「PiTaPa」の枠組みにロッテカードを載せるというのであれば、ロッテカードだけを除外するのも手間とも言えるでしょうが、どんなものでしょうか。

それにしても、気になる、というかいつも不満に思うのは、PiTaPa陣営が、目を惹くようなような施策を打ち出すのは別に悪いことではないのですが、それ以外にも、手直ししていくべき点はもっと別に沢山あるのではないか、ということです。

例えば、利用額・利用回数割引をもっと充実させ、回数券を置き換えたりとか、JRや他社同士の連絡定期を発行したりとか、ショッピング利用のポイント付与を大幅に、とは言いませんが、一般のクレジットカード並に引き上げるとか、そういう日常の利用者の利便性や経済性に直結する施策というのを、出し渋っているというのか、出す気がないというのか、そういうところが不満と思っています。

例を挙げると、同じ関西・中国地区でサービスを行うJR西日本のICOCAの場合、SMART ICOCAを所有すれば、一般のクレジットカードからでもチャージは可能となっています。
また、このチャージ代金は、一部のカード会社を除き、ポイントの付与対象となっています。
ですので、PiTaPaエリア内の鉄道・バスを利用する際でも、SMART ICOCAを利用するのが、ポイント的にはお得となってしまいます。
(PiTaPaカードでPiTaPaの鉄道・バスを利用しても、基本的にはポイントは付与されません)

また、関東地区では、Suica・PASMOのエリア相互間の連絡定期がICカードで発行されていることから、全体のSuica・PASMOカード発行枚数の増加に寄与し、増加したカードにより、ショッピング利用の裾野も広がっていると考えられます。
しかし、現在のPiTaPa陣営では、連絡定期を一部を除き発行する考えがなさそうなこともあり、各種利用拡大の基本点となるカードの利用枚数が一向に増えてきません。

勿論、これらの状況を知らないわけではないと思うのですが、それが一向に改善されない点、サービス面で切磋琢磨していた、かつての私鉄大国はどこにいったんかいな、と思わざるをえないのではないか、と思っています。

最後は、ロッテカードというか、PiTaPaに対する不満になりましたが、ともあれ、海外からの利用だけでなく、地元の利用者に対しても、使いやすいカードにしてもらいたいという要望を最後に、本日のエントリーとさせて頂きます。