8月18日に公示された衆議院議員選挙。

前回の衆議院選挙は郵政民営化が単一争点となった感があり、自民党の圧勝となりました。
それから4年後の今回の選挙となるわけですが、前の衆院選で郵政民営化の争点があまりにも強烈でしたが、今回は本当に各政党・候補者のマニフェストを比較して一票を投じる、本当の意味での初めてのマニフェスト選挙ということになるかと思います。

勿論、国政選挙な訳ですので、様々争点を提示して、そこから有権者が判断するのが理想といえるでしょうが、郵政民営化が単一争点となった前回の選挙が異様だったのかも知れません。そういう意味では、「本当に有権者が考えて一票を投じる」姿勢が求められている、とも言えましょうか。

さて、その数ある争点から、このブログで取り上げてみようと思うのは、鉄道・バス・船といった公共交通機関をどのように維持していくか、という点です。

このブログの一つの目的として、鉄道やバスの公共交通機関の永続的な維持を目指しています。
自家用車の普及や道路インフラの整備により、公共交通機関に頼らなくとも良いという意見もありますが、そもそも自家用車が利用できない人のセーフティーネットという観点や、地球環境維持のためにより省エネルギーな交通手段としての公共交通機関の維持整備は、採算性といった市場原理主義だけで判断してはいけない、「公共財」であると言えますし、これを政策としてどうしていくのか、というのは重要な視点であると考えています。

今日のエントリーでは、各政党が、公共交通機関についてマニフェストでどのように取り扱っているか、というのをいくつか取り上げてみることにします。
ちなみに見つけ方は、私が各政党のWebページ上で見つけたマニフェストのうち、「公共交通」という単語で検索した箇所をピックアップすることで抽出しました。

自民党
 自民党「政策BANK」
 
真に必要なインフラの整備

「命の道」や生活道路・通学路の安全対策など、地域生活に不可欠な道路等については、B/C(費用便益比)にとらわれることなく、積極的に整備を進める。また、「生活の足」となる地域公共交通の確保と利便性を向上させるとともに、駅や道路、建物などのバリアフリー化を進める。特に、過疎、離島、半島等の条件不利地の生活を守る。


民主党
 民主党政策INDEX2009
タクシー行政の抜本改革と地域公共交通の活性化

民主党は、「タクシー改革ビジョン」を取りまとめ、?タクシーは、公共交通機関である?タクシー行政の地方分権を行う?利用促進と需要拡大に向け、悪質事業者排除と供給調整の実効ある仕組みを構築する?安全に配慮した適正な運賃を原則とする――という基本方針に基づきタクシー関連改革2法案を提出しましたが、運賃・料金の許可基準の見直しなどその提案が全面的に受け入れられ、政府提出の特措法案が修正成立しました。この改正タクシー関連法の厳正な執行を図り、検討条項に盛り込まれた課題について成案を得るなど、今後ともタクシー行政の改革に取り組んでいきます。
また、バス・船舶・鉄道をはじめ、次世代型路面電車システム(LRT)などの導入も含めて、地域の公共交通の維持・再生・活性化の施策を充実させます。


公明党
 公明党 マニフェスト2009
●鉄道・自動車・船舶・航空などの各種交通機関の特性と地域ニーズに的確に対応し、低炭素社会に資する新たな交通総合システムを構築するとともに、地域間格差を是正する交通ネットワークの整備を着実に実行します。
●鉄道・自動車・船舶・航空などの各種交通機関の特性と地域ニーズに的確に対応し、低炭素社会に資する新たな交通総合システムを構築するとともに、地域間格差を是正する交通ネットワークの整備を着実に実行します。
●整備新幹線を着実に整備し人材交流や地域間連携の確保・強化を図ります。また、超伝導リニアの早期実用化を図るため所要の措置を行います。


社会民主党
 社民党マニフェスト
3.人・まち・環境にやさしい交通

○少子高齢社会や環境問題に対応する交通システムが求められています。「クルマ社会」の行き過ぎを転換し、公共交通を基盤に置いた人と地球にやさしい総合交通体系の確立をめざします。「誰もが、いつでも、どこからでも、どこへでも」安心・安全・快適に移動できる権利を保障するため、「交通基本法」を制定します。
○地域の公共交通を守るため、「公共交通は赤字でも福祉など他の分野で便益を生む」という考え方で、「公共交通の確保および経営調整に関する特別措置法」を制定するとともに、地方の生活バス路線や地方ローカル鉄道に対する財政支援を強化します。一般財源化された道路特定財源を、「クルマ社会」の負の側面を軽減する政策に充当することとし、環境対策・森林整備や鉄道整備、生活交通の維持、交通事故被害者対策等に振り向けます。
○道路・鉄道・空港・港湾といった社会資本を総合的に整備するため、特定財源、特別会計をはじめ、すべての交通関係予算を総合化した「総合交通特別会計」を設けることを検討します。
○建設コストがかなり抑えられ、人と環境にやさしい生活交通体系である超低床車両を使用した新しい路面電車(LRT)への支援を強化します。
○マイカーに依存せず公共交通を活用した、エコ通勤を導入する企業への支援策を講じます。
○規制緩和の検証を踏まえ、弊害是正をめざし、交通に関する社会的規制を強化します。ツアーバス問題に対する運行管理の強化や監査の徹底を求めます。


日本共産党
 日本共産党 各分野の政策
地域の足をまもります

06年、新しいバリアフリー法(バリアフリー新法)が制定されました。「誰もが自由かつ安全に移動・利用することは基本的権利である」という考え方にたち、「事業者まかせ」ではなく、国として、国民の足の確保、交通・移動の権利を保障しうる施策を計画的に実施することが必要です。
公共施設はもちろんのこと、多数が利用する施設、歩道、地方の駅や利用者数の少ない駅などのバリアフリー化をすすめます。法基準の見直し、計画づくり、実施には、利用者、住民、NPOなどの参加と協働を広げます。
規制緩和万能路線を改め、地方の鉄道、公営バス、コミュニティバス、離島航路・フェリーなど、生活に欠かせない地域公共交通を維持します。バリアフリー化がすすんでも移動困難な人のための輸送手段(個別的代替輸送・スペシャルトランスポートサービス)の確保をはかります。
整備新幹線については、在来線の廃止や多額の地元負担につながる現在の計画を見直し、予算規模も、財政状況をふまえた適正なものにします。


ここまで公共交通の問題を取り上げて見ましたが、この問題も含めて、トータルで今後の日本の姿を決めていく、そのための選挙です。

そう考えると、私も属している若い世代の投票率が比較的低いのが気になりますが、私の個人的意見としては、高齢者よりも遙かに長くこの国に住み続ける可能性の高い若年層こそ、選挙について真剣に考え、そして投票という行動に移すことが必要ではないかと思います。

世代間の競争をあおるつもりは全くないのですが、例えば、いま、若年層に薄く、高齢者に厚い政策を施したとしても、その財源の多くの部分は国債という形で将来の国民、即ちいまの若年層が負担することになるわけです。そうすると、今の若年層は負担ばかり強いられる、そういう可能性も無きにしもあらずです。(いや実際そうなっているという意見もありますが・・・)
これまでの公債依存体質の財政と、今後の人口予測(これまで続いてきた低い出生率)からして、我々を含む若い世代が貧乏くじを引く可能性は高いと思いますが、その「貧乏くじ」の度合いが大きくなっても良いのか、それともできる限り小さくするべきか。小さくするのであればどのような方法が一番良いのかというのを、若年層こそ真剣に考えて、投票という形で意見する必要があると思います。
そう考えると、投票を棄権することが、実に危険なことか(いやこれは決して駄洒落ではないのですが)、そういうことを感じることができるかと思います。

投票日は8月30日(日)です。
当日仕事・旅行等で不在の場合でも、期日前投票の制度がありますので、是非とも活用し、日本の将来を明るくするような一票を投じましょう!