泉北高速鉄道の運賃について考えてみる記事ですが、今回はその1からの続きです。
前回のエントリー記事で、他社との単純比較で泉北高速鉄道の運賃水準は日本一高い訳でもない、ということをご紹介しました。
続いて、批判の2つめの切り口、「泉ヶ丘から中もずまでのたった2駅で220円なんて取りすぎちゃうの?」という点について述べていきたいと思います。
ちなみに、私は泉ヶ丘在住だったため、これからの話は泉ヶ丘を中心として書いていきますので、他の駅については読み替え・再計算していただければと思います。
さて、ここでのポイントは「泉ヶ丘〜中もずの2駅間」という点です。
駅数で書くと2駅ですが、これも距離を計算してみると、7.8kmです。平均駅間距離は3.9kmです。
では、他の路線の平均駅間距離がどの程度か、調べてみることにします。
これは色々な調べ方があるかと思いますが、今回は単純に、主な比較対象と思われる関西大手民鉄とJR阪和線の主要路線について調べてみました。
比較区間も私個人の勝手な区分ですが、特に南海・近鉄・阪和線は府県境で駅間がかなり長くなります。これを含むかどうかという議論はありますが、ここで泉北高速と他路線を比較して「たった2駅」と言っているのは、大概の場合は市街地を走る路線のことと思われますので、それぞれ河内長野・泉佐野・石切・河内国分・日根野までで区切ることにしました。
加えて、駅間の数を数える場合、南海本線の今宮戎・萩ノ茶屋、阪急京都線の中津は列車が停車しないため、駅数から省いています。
前回のエントリー記事で、他社との単純比較で泉北高速鉄道の運賃水準は日本一高い訳でもない、ということをご紹介しました。
続いて、批判の2つめの切り口、「泉ヶ丘から中もずまでのたった2駅で220円なんて取りすぎちゃうの?」という点について述べていきたいと思います。
ちなみに、私は泉ヶ丘在住だったため、これからの話は泉ヶ丘を中心として書いていきますので、他の駅については読み替え・再計算していただければと思います。
さて、ここでのポイントは「泉ヶ丘〜中もずの2駅間」という点です。
駅数で書くと2駅ですが、これも距離を計算してみると、7.8kmです。平均駅間距離は3.9kmです。
では、他の路線の平均駅間距離がどの程度か、調べてみることにします。
これは色々な調べ方があるかと思いますが、今回は単純に、主な比較対象と思われる関西大手民鉄とJR阪和線の主要路線について調べてみました。
比較区間も私個人の勝手な区分ですが、特に南海・近鉄・阪和線は府県境で駅間がかなり長くなります。これを含むかどうかという議論はありますが、ここで泉北高速と他路線を比較して「たった2駅」と言っているのは、大概の場合は市街地を走る路線のことと思われますので、それぞれ河内長野・泉佐野・石切・河内国分・日根野までで区切ることにしました。
加えて、駅間の数を数える場合、南海本線の今宮戎・萩ノ茶屋、阪急京都線の中津は列車が停車しないため、駅数から省いています。
表はクリックして拡大してご覧下さい。

このようにしてみると、泉北高速鉄道の駅間、特に泉ヶ丘〜中もずの平均約4.0kmというのは、他路線の約2〜3駅分に相当する距離であることが分かります。
こう考えると、泉ヶ丘〜中もず間は2駅間ですが、実際は他線の4〜6駅分と考える必要があります。
では、どうしてこれだけ距離が長いのにもかかわらず、「たった2駅」と感じてしまうのか。それを解明するには上の表の右側に記した各停列車の所要時間と表定速度を比較してみると良いでしょう。
これは、この区間の全ての駅に停車する列車の所要時間を算出し、距離で割ることで平均速度(表定速度)を計算したものです。
なお、条件を等しくするために、所要時間を算出する各停列車は、途中駅で優等列車の待避のないものを選び、その運転時刻(平日ダイヤ)は備考に記しています。
こう見ると、泉北高速鉄道の表定速度の高さが際だちます。
これは、駅間がある程度長く、路線も基本直線が多いので速度が出しやすい路線環境に起因すると思われます。つまり距離が長いのにもかかわらず「たった2駅」と感じてしまうのは、列車そのものが速いからだということができます。
また、泉北高速以外では、阪急神戸線・京都線が表定速度40km/時台と速い部類になっていますが、どちらも平均駅間距離は2km台と、駅間距離が長いので、速い速度が出せる区間が長い=表定速度が速くなる、と言ったところでしょうか。
おまけに泉北高速の各停・準急(準急は泉北線内は各駅に止まります)と、上で比較した各路線の優等列車とを比較してみます。
なお、比較する区間は、都心部等で停車駅が連続する区間は除き、比較的通過駅が連続する区間を選んでいます。
また、同じ路線でも最優等列車の次に位置する優等列車(特急に対する急行等)がある場合、必要に応じて比較しています。
表はクリックして拡大でご覧下さい。

さすがに各社の最優等列車は、表定速度は泉北高速の各停・準急よりも速いのですが、次位の優等列車と比較してみると、泉北各停・準急の方が速い場合もあります。
レベルでみると、泉北高速の列車は近鉄奈良線、大阪線・阪急京都線の準急と同じようなレベルの表定速度で走っているとも言えるでしょう。
ここまでの結果をまとめると、こうなるかと思います。
では、最後のエントリーで、「泉ヶ丘からなんばまで520円かかるのは、他に比べて高いんとちゃう?」という批判に対して検討してみたいと思います。
実は、「日本一高い」という誤解(敢えてここからはそう表現します)は、この類のケースから感じられることが多いのではないかと思います。
これには考慮すべき事情があり、それは既に御存知の方も多いかと思いますが、泉ヶ丘・なんば間は、「泉北高速鉄道」と「南海電鉄」の2社にまたがっていることです。
単純に言えば初乗り運賃を2回支払うから高くなる、ということになるのですが、次回のエントリーではそのあたりを書いていきたいと思います。
(その3に続きます)

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このようにしてみると、泉北高速鉄道の駅間、特に泉ヶ丘〜中もずの平均約4.0kmというのは、他路線の約2〜3駅分に相当する距離であることが分かります。
こう考えると、泉ヶ丘〜中もず間は2駅間ですが、実際は他線の4〜6駅分と考える必要があります。
では、どうしてこれだけ距離が長いのにもかかわらず、「たった2駅」と感じてしまうのか。それを解明するには上の表の右側に記した各停列車の所要時間と表定速度を比較してみると良いでしょう。
これは、この区間の全ての駅に停車する列車の所要時間を算出し、距離で割ることで平均速度(表定速度)を計算したものです。
なお、条件を等しくするために、所要時間を算出する各停列車は、途中駅で優等列車の待避のないものを選び、その運転時刻(平日ダイヤ)は備考に記しています。
こう見ると、泉北高速鉄道の表定速度の高さが際だちます。
これは、駅間がある程度長く、路線も基本直線が多いので速度が出しやすい路線環境に起因すると思われます。つまり距離が長いのにもかかわらず「たった2駅」と感じてしまうのは、列車そのものが速いからだということができます。
また、泉北高速以外では、阪急神戸線・京都線が表定速度40km/時台と速い部類になっていますが、どちらも平均駅間距離は2km台と、駅間距離が長いので、速い速度が出せる区間が長い=表定速度が速くなる、と言ったところでしょうか。
おまけに泉北高速の各停・準急(準急は泉北線内は各駅に止まります)と、上で比較した各路線の優等列車とを比較してみます。
なお、比較する区間は、都心部等で停車駅が連続する区間は除き、比較的通過駅が連続する区間を選んでいます。
また、同じ路線でも最優等列車の次に位置する優等列車(特急に対する急行等)がある場合、必要に応じて比較しています。
表はクリックして拡大でご覧下さい。
さすがに各社の最優等列車は、表定速度は泉北高速の各停・準急よりも速いのですが、次位の優等列車と比較してみると、泉北各停・準急の方が速い場合もあります。
レベルでみると、泉北高速の列車は近鉄奈良線、大阪線・阪急京都線の準急と同じようなレベルの表定速度で走っているとも言えるでしょう。
ここまでの結果をまとめると、こうなるかと思います。
・泉北高速鉄道の列車は準急・各停含めて「各駅にとまります」と言いながら、他の路線の準急並の表定速度で走っている。
・特に泉ヶ丘・中もず間のたった2駅と言いながら実は他の路線の4〜6駅分に相当する距離を走っている。
・他の路線で泉ヶ丘・中もず間に相応する距離を乗ると、会社によっては泉北高速鉄道とあまり変わらない運賃となる
・よって、泉ヶ丘・中もず間が2駅で220円なのは、決して高すぎる運賃ではないと思われる。ましてや日本一高い運賃とはいえない。
では、最後のエントリーで、「泉ヶ丘からなんばまで520円かかるのは、他に比べて高いんとちゃう?」という批判に対して検討してみたいと思います。
実は、「日本一高い」という誤解(敢えてここからはそう表現します)は、この類のケースから感じられることが多いのではないかと思います。
これには考慮すべき事情があり、それは既に御存知の方も多いかと思いますが、泉ヶ丘・なんば間は、「泉北高速鉄道」と「南海電鉄」の2社にまたがっていることです。
単純に言えば初乗り運賃を2回支払うから高くなる、ということになるのですが、次回のエントリーではそのあたりを書いていきたいと思います。
(その3に続きます)

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