つい数年前は、電子マネー=Edyという図式が成り立っていましたが、近年は小売系(WAON・nanaco)・交通系(ICOCA・Suica等)・クレジット系(QUICPay・iD等)の電子マネー・電子決済が増え、またコンビニ等を中心に複数種類の電子決済を取り扱うことのできる端末が増えたこともあり、電子マネーのパイオニアとも言うべきEdyの地位も以前ほど高くなくなってきたのかな、と思います。

現に私自身、Edyに関してはここ数ヶ月残高約40円のまま全く利用しておらず、もっぱらQUICPay・iD・ICOCAを利用している状態が続いています。
個人的には、度重なる改悪によりポイントにうまみが無くなってきた点が、Edyから遠ざかった要因とも言えるのかも知れませんが、そういうことを記している記事をたまたま見つけましたので、同じく感じる点もあり、ご紹介します。

電子マネーパイオニアの苦境――ビットワレット「Edy」の今(Business Media誠)

Edyの経営不振は、他の電子決済が関連事業的な意味合いなのに対し、Edyだけが本業である点でしょうか。本業に対する効果を生み出す点で、電子決済事業だけで採算が取れなくてもさほど問題ではないのですが、Edyだけはそれが生命線となるのだが、それで採算が取れない点、現在の苦境が続いてきている原因と言えるでしょう。

Edyに関してはもう一点、Edy利用に関するポイント付与が一気に絞られた点が、Edy離れを進めてしまった要因とも言えるかも知れません。

かつてはクレジットチャージでポイントがたまり、更にそのチャージ金額をEdyで支払うことでポイントが二重にも獲得できた時代がありました。
さすがに二重取りは行き過ぎで見直されるべきところでしたが、その見直しがあまりにも絞りすぎたことと、ほぼ同じタイミングで他の電子決済が台頭してきて、ポイント的にはEdyに頼る必要が無くなってきた点が重なり、特に電子決済のヘビーユーザー層がEdyから流れていったということも考えられます。

確かに私自身、Edy利用に様々な制約がついてから以降、他の電子決済をなるべく利用することとなりましたが、時を同じくして共用端末が増えてきたように思えます。恐らく同じように思っている人も多いのでは、と感じます。

さてこうなると、簡単にEdyの復活というのは進まないわけでして、収益を確保しつつ他の電子決済との差別化を図る必要があるのですが、それがうまくいかないことは、現在の電子決済におけるEdyの立場を考えると想像に難くありません。

勝手な個人的な感想ですが、手数料負担の生じるクレジットチャージをやめて現金チャージ専用とし、その代わりポイント付与を高めに設定することで差別化を図ることも方策の一つかな、とも思いましたし、そういう「わかりやすさ」で生き残りをかけてもいいのでは、とも思います。
クレジットカードというシステムに不信感を抱いている人も未だ数多くいますし、携帯電話でのチャージではパケット通信代も必要。それならばいっそのこと現金専用にしてシンプルにするというわけです。

ともあれ、ここまで乱立した電子決済の世界で、単独でなおかつ本業で生き残るには、いばらの道が続きますが、それに打ち勝つ施策が打ち出せるか、それが今後のEdyの命運を握っていることだけは確かと感じました。