鉄道ネタと関係ないエントリーになりますが、ちょっと気になったニュースを。

「生活保護」という制度があることは御存知の方も多いかと思います。
Wikipedia当該項目によれば、「憲法第25条に規定する理念(生存権)に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに自立を助長することをいう。」と記されています。
ポイントは太字で記した「最低限度」でして、母子家庭・無職等、収入が得られない人々を税金により支援し、社会全体で支え合おうという価値観が背後には存在しています。

確かに労働条件等も厳しい昨今、突如として生活に困窮するケースも大いにあり得るわけでして、そういうケースに対するセーフティーネットの観点で、生活保護の制度は非常に重要な役割を担っていると思っています。

ところで次の中日新聞の記事では、そんな生活保護の記事を掲載していました。
上記で挙げたポイントである「最低限度」という点に着目して読んで頂ければと思います。

母子加算復活 違和感残る予算論議(中日新聞Webページ)

この人のケースでは、生活保護費等で24万円で生活していますが、そのうち携帯電話代が3台で25,000円と電話代がネット込みで9,000円。
生活保護の受給資格が具体的に何で判断されているか、それこそケースバイケースでしょうが、携帯電話の3台25,000円というのは、いくら何でもそこを削れよ、という意見が出てしかるべきとも思われます。

単純に考えて1台8,000円程度の使用料となっていますが、8,000円分も使用しようと思えば、パケット定額制の上限+そこそこの通話利用が無いとこれだけの金額には達しません。パケット定額制上限でも六千円台でしょうし、そもそも生活保護を受給しなければならないほど生活に困窮しているのであれば、携帯電話の利用スタイルももっと節約するものにするべきでしょうし、そういう指導も審査側もするべきと思うのは、厳しすぎる意見でしょうか。
例えば、パケット通信はメールのみで、ネット閲覧はPCで行うといったように、抑えることができる通信費はなるたけ抑えて、生活保護に頼らない自立した生活を送れるようになることが第一ではないのでしょうか。

様々な事情で携帯電話が必要なこともありますから、生活保護を受給しているからといって携帯電話を「持つな」とは言うつもりは全くありません。しかし、その使い方に関しては、甘すぎる認識やないのとちゃうんけ?と言いたいわけです。

通話がそれだけ必要ならば、例えば自宅電話を「KDDIメタルプラス」(同名義のau携帯電話との使用料金を一括請求することで、全てのau携帯電話への通話が無料)に変更したりすることでかなり通話料の低減に繋がるといった方法もあります。
auまとめトーク | 割引サービス | (au by KDDI Webページ)
他にも各社ADSLサービスを活用しIP電話サービスを利用すれば、9,000円の電話料金ももっと節約できるような気もします。

とにかく、電話料金を見る限り、生活保護を受けていない私よりもずっと多いのは事実でして、ここを削る方法がいくらでもあるのに、何で生活保護が受給されているの?と単純な疑問として思うわけです。

それに加え、こういう受給者のせいで、本当に受給が必要な困窮生活者に十分に支援が行き渡らない可能性も考えられます。また、「生活保護貴族」というイメージが広がることで、本当に支援を受けて、生活を立て直そうとしている正当な受給者に対してよからぬイメージを与えてしまうことも大いに考えられます。
また、「働くくらいなら生活保護受給した方が楽だ」という、一種のモラルハザードを生み出さないか、そういう疑念も感じます。

それにしても、どうして新聞でこういうある意味「適切でない」事例が出てくるのか・・・記者も携帯電話料金についてどう思ったのか、その感覚についても疑問を抱いた、そんなことも同時に感じた記事でした。