先のエントリーでは、平成22年3月ダイヤ改正について、特に減量改正の内容にスポットをあてて述べました。
先のエントリーでも述べたように、阪和線関連でも多少の改正は有りますし、その他の地域でも気のついた点について触れてみたいと思います。
<阪和線関連>
・「はるか」西九条停車の取りやめ
・特急「はるか」(京都方面〜関西空港)の西九条駅停車をすべて取りやめます。
JR西日本プレスリリース(PDF)

「はるか」の西九条停車は、平成13年のUSJ開業に合わせて、関空到着旅客のUSJアクセスの利便性という観点で停車するようになりました。
しかし、今回の改正ではこれまた一気に停車を全て取りやめることになります。
実は西九条で乗り換えて大阪方面や、はたまた阪神なんば線を経由して阪神線方面へのアクセス、という利用の仕方もあるにはあるのですが、大きな流れにはならなかったみたいです。
あとは、「はるか」西九条停車による大阪環状線・桜島線の列車に対する影響を軽減するという目的もあるのかも知れません。

ちなみに、「くろしお」系統は、プレスリリースでは触れられていないので、一部列車の停車は継続されるものと思慮されます。

・「はるか」昼間時の一部列車を臨時化へ
特急「はるか」の全30 往復のうち、昼間時間帯の6往復を臨時列車とし、当分の間、毎日運転します。
「はるか」の利用率は関西空港の低迷もあり、特に昼間時の列車については惨憺たる状況で、今回の臨時化・毎日運転で様子を見て、好転しなければ毎日運転から臨時運転という更なる見直しを行うものと考えられます。

こればかりはJRの自助努力にも限界があるにはある、といえるかも知れませんが、例えば「特急」という種別が利用客の逸脱を招いているのであれば、指定席+自由席の特別快速として、281系車両は指定席車両として運用、という手もあるでしょう。
この列車を日根野に止めれば、和歌山方面への速達アクセスとしても機能するでしょうし、そういう見直しもあるといえばあるでしょう。

ただ、「はるか」に関する限り、関西三空港問題を解決しないことには乗車率の大幅な向上は見込めないこともあり、そういう点では事業仕分け以降未だに伊丹廃港という思い切った方針を出すに出せない地元の問題もあるかと思います。
(いや、大阪府知事は思いきって言っているんですけどね・・・)
この問題、そういや忙しさにかまけてあまり触れていなかったような気がしますが、気が向けばエントリーしておきたいと思います。

・「くろしお」の停車駅変更(鳳の停車取りやめ、日根野の停車駅拡大)
(1)特急「スーパーくろしお」、「くろしお」(京都・新大阪方面〜白浜・新宮方面)の日根野駅停車を
6本増やし、計21 本を停車します。
また、現在6本が停車している鳳駅停車を取りやめます。
結局、停車駅が鳳から日根野にシフトさせたということでしょうか。
鳳停車は、主に堺市内から南紀方面への利用者の利便性を確保する側面があったのかと思いますが、むしろそれを日根野停車にして、南紀方面からの関空アクセスと併せて日根野停車に統合した、という感じでしょうか。(堺市内の利用者は日根野からの快速等で対応)
個人的には、こちらの乗車記録で和歌山〜鳳間の特急に乗車しましたが、恐らくこれが最初で最後の鳳駅での特急降車となりそうです。

・土・日運転「くろしお」の臨時化
◎ご利用状況に合わせた列車の設定を行ないます
ご利用が少ない早朝・深夜帯の列車を中心に、ご利用状況に合わせた列車の設定を行ないます。
○特急列車(列車名は改正前の列車名)
曜日を指定して運転している、くろしお号を必要の都度運転します。
【運転日:土曜日】
くろしお 3 号 京 都 8:04 発 新 宮 12:32 着
くろしお 11 号 天王寺 10:49 発 白 浜 12:55 着
【運転日:日曜日】
くろしお 20 号 白 浜 13:54 発 新大阪 16:20 着
くろしお 28 号 新 宮 14:16 発 京 都 18:47 着
※尚、上記の列車を運転する場合は、四季ごとにお知らせします。
JR西日本和歌山支社プレスリリースより

週末の南紀方面観光客をターゲットに設定されているこれらの列車ですが、毎週末の運行から臨時列車として、主に繁忙期の週末運行となるようです。
高速道路1000円割引の影響もありますが、そもそも阪和道が南紀田辺インターまで開通していることもあり、利用者の減少ということもあるでしょう。

・阪和線土休日一部列車の削減
ご利用の少ない列車の設定を見直します。これに伴い、時刻や行き先等を変更します。
(始発・最終列車の見直しは行いません)
〔平日〕
● 朝・夜間帯の見直し 学研都市線、大阪環状線
● 朝時間帯の見直し JR東西線
● 夜間帯の見直し 大和路線、和歌山線
〔土曜・休日〕
● 朝・夜間帯の見直し 学研都市線、大阪環状線、大和路線
● 朝時間帯の見直し JR東西線
夜間帯の見直し 阪和線
JR西日本大阪支社プレスリリース

大阪支社のプレスリリースであることから、主に天王寺口の列車の削減等になるかとは思いますが、長滝から先の和歌山行きの普通列車が見直しになると、和泉鳥取ユーザーの私としても多少不便になるのですが、果たしてどうなるのか、これは全列車の時刻表を見ないことには判断できません。

・「新宮夜行」の流れを汲む快速紀伊田辺行き最終が、御坊行きに
2 最終列車の時刻繰上げ
・新大阪発紀伊田辺行き最終列車を御坊行きに変更します。これにより、御坊から紀伊田辺への
最終列車の時刻が繰上がります。
【御 坊→紀伊田辺:平日】
現 行:御 坊 1:12 発 紀伊田辺 1:47 着
改 正:御 坊 23:31 発 紀伊田辺 0:13 着

かつての「はやたま」の流れを汲む「新宮夜行」が利用客の減少により紀伊田辺以遠の臨時化を経て紀伊田辺止めとなり、その後使用車両が165系から221系と変更となり現在に至ってきましたが、この列車の運転区間が更に御坊まで短縮されることとなりました。
もっとも、この状況からして御坊〜紀伊田辺間の利用客が僅少ということもあったのでしょうが、とはいえ伝統ある列車の更なる区間短縮は、何かしら寂しいものはあります。まあ、「寂しい」とは言ってられないのは今回の改正内容からして明白なのは確かなのですが・・・

阪和線関連の減便ダイヤ改正の内容はこの程度ですが、他に気になった点をピックアップしておきます。

・「サンライズリレー」こと「スーパーいなば91号・92号」が定期化・運行時間帯変更に伴う「サンライズ出雲・瀬戸」との乗り継ぎが上郡から岡山に変更。
毎日運転している臨時特急「スーパーいなば91号」(岡山発鳥取行)と「スーパーいなば92号」(鳥取発岡山行)をご利用いただきやすい時間帯に時刻を変更し、定期列車「スーパーいなば1号、12号」とします。これにより、鳥取方面への観光・ビジネスがますます便利になります。

「スーパーいなば91・92号」の時刻の変更に伴い、現在上郡駅で接続している寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」は、岡山駅での接続となります。また、「サンライズ瀬戸・出雲」の上郡駅停車を取りやめます。
JR西日本岡山支社プレスリリースより

ブルートレイン「出雲」の廃止と引き替えに、「サンライズ出雲・瀬戸」との接続を念頭に置いて設定されたのが「スーパーいなば91号・92号」でした。そのあたりの経緯は当ブログでもずいぶん前に例えばこちらのエントリーでご紹介しました。
今回のダイヤ改正では、サンライズ出雲・瀬戸との接続だけでなく、新幹線との接続による早朝・深夜の乗り継ぎ向上が図られます。

サンライズ出雲・瀬戸との接続が考慮されている点はまあいいのですが、この件で問題になるのは、「サンライズ出雲・瀬戸」と「スーパーいなば」との接続が上郡から岡山へと変更になることに伴う、上郡〜岡山間の復乗(2度の乗車)の取り扱いです。
鉄道会社の都合により復乗の場合、途中下車しなければ復乗によって飛び出した区間(今回では上郡〜岡山〜上郡)は運賃計算に含めない旨の特例が採られることが多い訳ですが、今回の「サンライズ出雲・瀬戸」「いなば」にこの特例が適用されるのか否か、という点が焦点となります

もし適用されなければ、運賃・料金の値上がりは明白となり、より利用者の負担が増えることは明らかです。それが更に、決して多い訳ではない乗り継ぎ利用客の更なる減少を招く可能性も大いにあり得ます。
この点、もしかしたら企画きっぷによる救済等もあり得なくはないのでしょうが、果たしてどうなることやら、気になります。

・「雷鳥」は「サンダーバード」に。でも1往復だけ雷鳥は存続。「雷鳥指定席往復きっぷ」対策か、はたまた何か別の意図はあるのか?
1.特急「サンダーバード」に新製車両を追加投入します
大阪〜富山(魚津)間の特急「サンダーバード」の15 往復中10 往復を新製車両で運転します。新製車両の投入により、特急「雷鳥」に使用している車両(485 系)をサンダーバード型車両(681・683 系)に置き換えるとともに、列車名についても特急「サンダーバード」とします。
これにより、全23 往復中22 往復を特急「サンダーバード」として運転します。
JR西日本プレスリリースより

683系4000番台の更なる増備により、定期運行23往復中22往復が「サンダーバード」となり、1往復が「雷鳥」として存続することとなりました。
それにしても485系「雷鳥」が中途半端に残ってしまっている、という印象が拭えませんが、逆に言うと、何故1往復残っているのか、とう点も気になります。
予想される展開としては、「雷鳥指定席往復きっぷの継続設定のため」「今後1年間の間にさよならイベント等を実施するために1往復だけ残す」等色々考えられます。
「能登」に使用されている489系の改正後の運用も余剰がでることから、最後の花道ということでボンネット「雷鳥」の復活なんて言うのもありうるかも知れません。

とりあえず、JR西日本のダイヤ改正を元にあれこれ思うところを記してみました。
詳細の時刻が分かるのは3月改正の時刻表ということになりますが、そこで特に減便の具体的内容が分かってくるので、こちらもチェックしないといけないな、と思った次第です。

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