こちらのエントリーでもご紹介しているように、近鉄特急の阪神電鉄への乗り入れが今月22日から、まずは団体臨時列車として開始されることとなりました。
阪神なんば線が開業し両社の相互直通が開始してから5年にして初めて特急専用車両の乗り入れが実現したこととなりますが、やはりこれだけ時間がかかるということは、両社間での調整などの項目が非常に多く、それらを解決することで実現に辿り着いた、ともいえるでしょう。

ところで、関東地区では、関西以上に都心を通過する民鉄同士の相互直通が盛んに実施されています。但し、これらはいずれも間に東京メトロや都営地下鉄が挟まった三社局以上の直通運転となるということもあってか、有料特急列車の他の民鉄事業者へ乗り入れは、小田急ロマンスカーの東京メトロ千代田線への乗り入れを除いて実施されていません。
そのため、地下鉄を除く民鉄同士、という今回の近鉄特急の阪神乗り入れのような事例は現在のところ関東地区ではないわけなのですが、そんな中、西武特急「レッドアロー」が東横線の横浜方面への乗り入れを検討していることを、朝日新聞が報じています。

埼玉)西武鉄道、レッドアロー号横浜直通を検討:朝日新聞デジタル
(記事は途中までの閲覧が可能です)

東京メトロ副都心線と東急東横線の直通運転が開始して1年が経ちましたが、この間直通運転の利用は好調なようですが、詳細に見れば西武線沿線利用者が東急方面へ向かう、西武から見れば「出超」の状態が続いているのが実状のようです。
これを少しでも西武にとって入を増やす方策の一つとして、西武特急レッドアローの東横線乗り入れにより、横浜方面の利用者に西武線沿線に足を延ばしてもらおう、という考えとなっています。

とはいえ、冒頭の近鉄特急の事例でも述べたように、有料特急の相互直通となれば調整事項も増えるのは確実でしょうし、加えて西武・東急だけでなく間の東京メトロや、東急線横浜から先のみなとみらい線との調整も必要でしょうから、近鉄特急の事例以上にハードルは高いことは容易に推測されます。

とはいえ、実際に実現すると、横浜方面から秩父や所沢といった西武沿線の行楽地がより快適にいけることになるだけに、西武鉄道としては是非とも実現したいものと思います。

「近鉄特急の阪神への乗り入れ開始」を、関東の方々にわかりやすく説明する喩えとして、「西武レッドアローが東横線に乗り入れてくるようなもの」という例が最適でイメージしやすいのかな、と常日頃個人的に思っているのですが、これが単なる喩えだけに終わらず、本当に実現への検討が行われているのには正直驚きました。
実現に向けて調整していかないといけないことが多いのは承知の上ですが、それでも実現すれば、喩えから出た誠、といいましょうか、そういうことになれば面白いな、と思ったニュースでした。

西武「レッドアロー」、横浜直通を検討へ: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」


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