かつて近畿日本鉄道伊賀線として近鉄の路線ネットワークを構築していた伊賀線。
平成19年10月からは近鉄と沿線自治体の伊賀市が出資する「伊賀鉄道」が第二種鉄道事業者、近鉄が第三種鉄道事業者となるスキームに転換されて現在に至りますが、この転換から間もなく10年を迎えるにともない、平成29年度以降の伊賀線の事業形態について検討が行われていました。

この度、近鉄および伊賀鉄道より、平成29年4月より「公有民営方式」へ移行することが発表されました。

伊賀線の公有民営方式への移行について(近畿日本鉄道|ニュースリリース)
伊賀線の公有民営方式への移行について 【3/27】|伊賀鉄道(伊賀線(いがせん)伊賀上野駅-上野市駅-伊賀神戸駅)路線図、時刻表など

平成29年度移行のスキームとしては、第二種鉄道事業者はこれまで通り伊賀鉄道となるのに対し、第三種鉄道事業者が近鉄から伊賀市へ移管となり、伊賀市による「公有」・伊賀鉄道による「民営」の方式に移行となります。
また現在第三種鉄道事業者となる近鉄は、伊賀市に対し一時金の支払い・鉄道施設、車両の無償譲渡・用地の無償貸与を行うこととしています。

その他詳細は、上記Webサイトをご覧下さい。


伊賀鉄道に関しては、私自身も転換後に訪問しており、その訪問記はこちらのエントリーでご紹介しましたし、その後新型車両200系が導入されたことはこちらのエントリーでもご紹介したところです。

平成25年8月より、転換10年後移行の運営の姿をどのようにするかについて検討が行われてきており、この中ではバス代替案等も検討された模様ですが、検討の結果、公有民営方式への移行による存続となりました。
新車の導入やこちらのエントリーでご紹介したイベント実施など、活性化の施策が実施されており、利用者の定着の効果もこれから現れてきてほしいな、と思っていただけに、鉄道による存続が選択されたことは、素直に良かったと思います。

とはいえ、公有民営方式といっても、伊賀鉄道の株主構成では98%が伊賀市となっていることと、現在でも第三種鉄道事業者が近鉄となっていることから、公有民営方式による経営改善の効果がどの程度現れてくるのかな、というのは気がかり点、とも言えなくはありません。
とはいえ、今回のスキーム転換により、より地元の財産としての意味合いが強くなった伊賀線をどのように活性化し、永続させていくか、という点が伊賀鉄道だけでなく伊賀市役所や伊賀市民に課せられた課題と言えるでしょうから、公有民営方式への転換を機に、更なる利用促進策の実施を期待したいな、と思ったニュースでした。

伊賀鉄道、公有民営方式に移行へ…2017年度から | レスポンス

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