昨日の産経新聞で報じられているニュースですが、関西空港を運営する「関西エアポート」では、関空到着の国際線利用者を対象に、航空機に預けた手荷物を南海難波駅で直接受け取れるサービスを導入する方針を固めたことが報じられています。
(記事執筆時点では、南海電鉄・関西エアポート等から上記サービスの導入について正式の発表はありません。)

国際線の手荷物を南海「難波駅」で受け取りOK 関西国際空港が導入方針、訪日客の利便性向上(1/2ページ) - 産経WEST

上記報道によれば、サービス導入は平成32年(2020年)の東京五輪開催までの導入を予定しているとのことで、実現すれば日本国内では関西空港だけのサービスになる模様です。

サービスの流れとしては、海外の空港で搭乗手続きの際に預けた手荷物を、関西空港で受け取ることなく南海難波駅で受け取ることができることとなり、利用者にとってはスーツケースなどの大きな手荷物を大阪市内へ自分で運ぶ手間を省くことができることとなっています。
関西空港から難波駅の間は、特急「ラピート」などで難波駅に輸送することとしています。

その他の内容は、上記報道記事をご覧下さい。


昨今の訪日外国人の増加、また関西空港を発着するLCC(格安航空会社)の増加から、関西空港の利用者は増加の一途となっています。
特に大阪ミナミの中心地の難波と関西空港を直結している南海線・空港線の利用者も大きく増加していますが、それ故混雑の緩和も喫緊の課題となっている模様で、こちらのエントリーでご紹介した「特急チケットレスサービス」「定期特急券」利用者向けのスーパーシートへのグレードアップキャンペーンも、その一環として比較的余裕のあるスーパーシートへ利用者を誘導することで混雑を緩和する施策といえます。
また、もう一つの空港アクセス列車である空港急行についても、こちらのエントリーでご紹介した8300系の今年度導入車両より、ドア付近の座席を削ってスーツケース等の大型荷物用のスペースを設置していることから、利用者そのものの増加と、それに付随する手荷物の問題について、できる範囲の対応を行ってきていていることが分かります。

そんな中で、今月10日には、この空港急行の車内で、日本人乗客の1人が車内で『外国人が多く邪魔だ』との内容を大声で言ったのを聞き、乗客間のトラブルを避けるため、『本日は外国人のお客さまが多く乗車し、ご不便をお掛けしております』とアナウンスしたところ、別の日本人女性が関西空港の駅員に「社内ルールに定められた放送なのか」と問い合わせたことから、南海電鉄が不適切な案内放送を行った旨のお詫びを発表する、という事態が発生したことは、記憶に新しいところです。
「外国人多くご不便を」 南海電鉄40代車掌が不適切アナウンス…乗客クレーム発端 「差別の意図なかった」と釈明 - 産経WEST
車掌の不適切な案内放送について(お詫び)|南海電鉄

この事象については、この乗客クレームについてあれこれツイッター上では意見があったみたいですが、今回のエントリーの本題ではないので割愛させていただきます。
それ以上に気になったのは、上記南海電鉄のお詫び発表の最後の段落の『また、昨今のインバウンドのお客さまの急増による車内混雑については、大きな課題と認識しており、早急に対策を進めてまいります。』という一文でした。

正直これ以上の混雑緩和の対策とすれば、空港急行の増結や8300系の投入ペースのアップに加えて、今は使っていないラピートの荷物室の活用くらいしか思いつかなかったのですが、その「荷物室の活用」はやはり検討されていたのだな、という感を抱きました。

この荷物室ですが、冒頭の産経新聞の記事にもあるように、平成6年の関空開港から平成13年まで開設されていた南海難波駅構内のCAT(シティエアターミナル・空港外でチェックインや手荷物を預けることができるカンター)の手荷物輸送用として使用されていましたが、CAT閉鎖以降は特に使われていないままでしたが、今回のサービスが実現すれば、およそ20年ぶりにこの荷物室が日の目を見ることになりそうです。
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50000系「ラピート」の4号車難波方に設置されている荷物室。
「ガンダムラピート」特別装飾の際には、このようなステッカーが貼られていたりしていました。

ラピートの運行開始当初とは、逆方向に、そして違う目的で使用されることとなりそうなこの荷物室ですが、一時期のラピートの低迷期でも(手間がかかるというのもあったのでしょうが)改造等の手を加えずそのまま残していた甲斐があったのかな、という感じでしょうか。

今後、サービスの概要が正式発表されれば、改めてご紹介していきたいと思います。



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