2011年の新潟県・福島県を中心とする豪雨で橋梁等が流失するなど甚大な被害を受け、以降現在に至るまで運転見合わせが続いているJR只見線(会津川口〜只見)。
もとより僅少な利用者であることから、復旧すること自体が難しいとも感じられ、その動向が気になるところでしたが、この度JR東日本と福島県とで、「只見線(会津川口〜只見間)の鉄道復旧に関する基本合意書及び覚書」を締結したことを発表しました。
「只見線(会津川口〜只見間)の鉄道復旧に関する基本合意書及び覚書」の締結について(JR東日本|プレスリリース)
上記発表資料によれば、基本合意書等の内容は以下の通りとなっています。
●鉄道による復旧
・JR東日本は、福島県及び会津17市町村からの要請に基づき只見線(会津川口〜只見間)(以下「運休区間」)を鉄道で復旧する。
・福島県は、運休区間の鉄道施設及び土地(以下「鉄道施設等」)を保有し、JR東日本は、保有する車両を用いて運行を実施。運行本数は、被災前の1日あたり3往復を基本とする。
・営業運転再開時期は、復旧工事の進捗状況等を踏まえ設定
●鉄道施設等の復旧工事
・運休区間における鉄道施設等の復旧工事はJR東日本が実施
・復旧工事に要する費用の負担割合は、福島県が2/3、JR東日本が1/3を負担
・復旧工事の施行に関して、福島県とJR東日本が別途協定を締結
●鉄道施設等の譲渡
・JR東日本は、運休区間の鉄道施設等を復旧後、営業運転再開までに福島県に無償で譲渡
●鉄道事業の許可
・営業運転再開までに、福島県が鉄道事業法に定める「第三種鉄道事業者」の許可、JR東日本が「第二種鉄道事業者」の許可をそれぞれ国土交通大臣より取得
●鉄道施設等の使用料
・福島県は、JR東日本に使用料の請求を行うが、JR東日本が使用料を支払うことにより、運休区間の収支に欠損が生じないよう減免
●鉄道施設等の維持管理
・福島県は、譲渡を受けた鉄道施設等の維持管理を行い、災害復旧や資本的支出を要する場合等を含めて鉄道施設等に係る費用について負担。福島県からJR東日本に維持管理に関わる業務の委託要請があった場合は、業務内容等について別途協議
●利用促進
・福島県は、運休区間以外を含めた只見線全線の厳しい利用状況を理解し、持続可能な運営に向け、JR東日本とともに主体的に只見線の利用を促進
その他詳細は、上記発表資料をご覧下さい。
只見線の運休区間については、もとより列車本数が少なかったこともあり、復旧されるのは難しいのではないかと、個人的に感じていました。
しかし、福島県による復旧工事費の3分の2の負担、また上下分離方式による福島県の鉄道施設・土地の保有による手法により、この只見線が再び全線で運転再開される道筋が立ちました。
先のエントリーでも述べたように、春夏秋冬、風光明媚な沿線風景を楽しめるこの只見線は、鉄道趣味的には是非とも復旧して欲しいと思っている一方で、輸送密度が49人/日/kmと僅少であること、また、収支状況についても営業収益が5百万円に対し費用が3億35百万円と差し引き約3億3千万円の赤字となっていることから、鉄道による復旧は正直難しいのではないか、またそれによりこの不通区間が廃止となってもそれは仕方が無いのではないか、とも感じました。
それだけに、今回の基本合意書により復旧されることが明確化されたことは、その動向は予め報道等で聞こえていたとはいえ、実際実現するとなると、驚くほかないといった感想ですし、只見線復旧を財政的な面で決断した福島県の姿勢には、鉄道ファンとして感謝したいところといえます。
勿論、路線復旧はスタートであって、ゴールではないので、復旧後の利用促進は欠かせませんし、その点は今回の基本合意書でも「只見線全線の厳しい利用状況を理解し」と記されているところからも、その厳しさは伝わってきます。
それだけに、復旧後の只見線により多くの観光客が訪問するように、またその一助として只見線の魅力を微力なら当ブログでも微力ながら伝えることができればいいな、と思います。
また、今回財政支援を決定した福島県を何らかの形で応援したい、という方には「ふるさと納税」という制度がありますので、こういった形での支援というのも検討してみてはいかがでしょうか。
ふるさとふくしま応援寄附金 - 福島県ホームページ
ところで、今回の基本合意では、福島県が第三種鉄道事業者の許可を得ることが盛り込まれています。
この許可が得られれば、第三種鉄道事業者の許可を有する都道府県は、和歌山県(南海和歌山港線の一部)・青森県(青い森鉄道)に続くものになるのも、注目点の一つ、といってもいいのかも知れません。
ともあれ、鉄道ファンにとっても垂涎の路線である只見線が、再び全線で運転されることを楽しみにしながら、その進捗状況についても、随時当ブログでもご紹介していくことができればいいな、と思ったニュースでした。
只見線の会津川口〜只見間「上下分離」条件に復旧へ…JR東日本と福島県が基本合意 | レスポンス(Response.jp)
只見線 鉄路で復旧 2021年度全線開通目標 JR決定 | 県内ニュース | 福島民報
只見線会津川口−只見間、上下分離で復旧に合意: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」
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「只見線(会津川口〜只見間)の鉄道復旧に関する基本合意書及び覚書」の締結について(JR東日本|プレスリリース)
上記発表資料によれば、基本合意書等の内容は以下の通りとなっています。
●鉄道による復旧
・JR東日本は、福島県及び会津17市町村からの要請に基づき只見線(会津川口〜只見間)(以下「運休区間」)を鉄道で復旧する。
・福島県は、運休区間の鉄道施設及び土地(以下「鉄道施設等」)を保有し、JR東日本は、保有する車両を用いて運行を実施。運行本数は、被災前の1日あたり3往復を基本とする。
・営業運転再開時期は、復旧工事の進捗状況等を踏まえ設定
●鉄道施設等の復旧工事
・運休区間における鉄道施設等の復旧工事はJR東日本が実施
・復旧工事に要する費用の負担割合は、福島県が2/3、JR東日本が1/3を負担
・復旧工事の施行に関して、福島県とJR東日本が別途協定を締結
●鉄道施設等の譲渡
・JR東日本は、運休区間の鉄道施設等を復旧後、営業運転再開までに福島県に無償で譲渡
●鉄道事業の許可
・営業運転再開までに、福島県が鉄道事業法に定める「第三種鉄道事業者」の許可、JR東日本が「第二種鉄道事業者」の許可をそれぞれ国土交通大臣より取得
●鉄道施設等の使用料
・福島県は、JR東日本に使用料の請求を行うが、JR東日本が使用料を支払うことにより、運休区間の収支に欠損が生じないよう減免
●鉄道施設等の維持管理
・福島県は、譲渡を受けた鉄道施設等の維持管理を行い、災害復旧や資本的支出を要する場合等を含めて鉄道施設等に係る費用について負担。福島県からJR東日本に維持管理に関わる業務の委託要請があった場合は、業務内容等について別途協議
●利用促進
・福島県は、運休区間以外を含めた只見線全線の厳しい利用状況を理解し、持続可能な運営に向け、JR東日本とともに主体的に只見線の利用を促進
その他詳細は、上記発表資料をご覧下さい。
只見線の運休区間については、もとより列車本数が少なかったこともあり、復旧されるのは難しいのではないかと、個人的に感じていました。
しかし、福島県による復旧工事費の3分の2の負担、また上下分離方式による福島県の鉄道施設・土地の保有による手法により、この只見線が再び全線で運転再開される道筋が立ちました。
先のエントリーでも述べたように、春夏秋冬、風光明媚な沿線風景を楽しめるこの只見線は、鉄道趣味的には是非とも復旧して欲しいと思っている一方で、輸送密度が49人/日/kmと僅少であること、また、収支状況についても営業収益が5百万円に対し費用が3億35百万円と差し引き約3億3千万円の赤字となっていることから、鉄道による復旧は正直難しいのではないか、またそれによりこの不通区間が廃止となってもそれは仕方が無いのではないか、とも感じました。
それだけに、今回の基本合意書により復旧されることが明確化されたことは、その動向は予め報道等で聞こえていたとはいえ、実際実現するとなると、驚くほかないといった感想ですし、只見線復旧を財政的な面で決断した福島県の姿勢には、鉄道ファンとして感謝したいところといえます。
勿論、路線復旧はスタートであって、ゴールではないので、復旧後の利用促進は欠かせませんし、その点は今回の基本合意書でも「只見線全線の厳しい利用状況を理解し」と記されているところからも、その厳しさは伝わってきます。
それだけに、復旧後の只見線により多くの観光客が訪問するように、またその一助として只見線の魅力を微力なら当ブログでも微力ながら伝えることができればいいな、と思います。
また、今回財政支援を決定した福島県を何らかの形で応援したい、という方には「ふるさと納税」という制度がありますので、こういった形での支援というのも検討してみてはいかがでしょうか。
ふるさとふくしま応援寄附金 - 福島県ホームページ
ところで、今回の基本合意では、福島県が第三種鉄道事業者の許可を得ることが盛り込まれています。
この許可が得られれば、第三種鉄道事業者の許可を有する都道府県は、和歌山県(南海和歌山港線の一部)・青森県(青い森鉄道)に続くものになるのも、注目点の一つ、といってもいいのかも知れません。
ともあれ、鉄道ファンにとっても垂涎の路線である只見線が、再び全線で運転されることを楽しみにしながら、その進捗状況についても、随時当ブログでもご紹介していくことができればいいな、と思ったニュースでした。
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