JR西日本の6月定例社長会見において、昨年11月末に発表のあった「新たな長距離列車」の検討状況が発表されました。
6月定例社長会見:最近の営業・輸送概況、2016年度安全管理体制に対する第三者評価結果、新たな長距離列車の導入:JR西日本
(「3新たな長距離列車導入」を参照)

上記発表資料よれば、新たな長距離列車の概要としては、運行開始時期は2020年の夏までの開始を予定していて、運行エリアは京阪神〜山陰方面、京阪神〜山陽方面等で、期間を定め複数の区間を運行予定としています。

車両設備は、座席は複数の種類の設備を用意し、グリーン車は個室と1+2列シートの2種類を、普通車はコンパートメント、フルフラット、2列+2列シートの3種類を用意しています。
また、編成内にはフリースペースを用意し、乗客が歓談・食事等自由に利用できる車両として連結することとしています。

列車の編成は6両編成となっていて、1両毎に違う座席が用意されています。

列車のイメージは以下の通りとなっています。
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車両外観イメージ

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車内イメージ
(上記JR西日本のWebサイトより引用)

この長距離列車のデザインは、株式会社イチバンセンの代表取締役、川西康之氏が手がけることとなっています。
川西氏は、これまでえちごトキめき鉄道のリゾート列車「雪月花(せつげっか)」の設計デザインや、土佐くろしお鉄道中村駅のリノベーションなどを手がけたデザイナーとのことです。

その他詳細は、上記発表資料をご覧下さい。


既に報道があったとおり、この週末からJR西日本の豪華観光列車「TWILIGHT EXPRESS瑞風」の運行が開始しましたが、そのタイミングをほぼ同時というべき時期に、新たな長距離列車の導入の発表がありました。

この列車の発表デザインを見てみると、車両内外装の様子、特に外装のヘッドライトの配置から察するに、117系電車を改造する可能性が高いと考えられます。
現在、湖西線やきのくに線、広島地区等で運行されている117系ですが、まさか長距離列車として新たな使命が与えられるとは、まさかという展開にも感じられます。
ただ、117系に関して言えば、2扉車ということもあり、京阪神地区はもとより地方でもラッシュ時には使いづらい一方、昭和50年代中盤に投入された車両ということから、車両寿命までまだしばらくあることから、今回の長距離列車の車両として白羽の矢が立てられた、という流れを考えると納得、と感じることもできます。

117系改造の列車となれば、走行可能区間が直流電化区間に限られることから、京阪神〜山陽方面・山陰方面が運行エリアとして挙げられていますが、山陽方面はともかく、山陰方面となれば、米子・松江・出雲方面になるのかな、とも思われます。
一方、直流型電車の強みを活かして、きのくに線の新宮方面への列車としても運行されることがあればいいな、とも思います。

今回の発表では、この新しい長距離列車における営業関係の話題は触れられていませんでした。
気になるところといえば、団体臨時列車としての扱いでツアー申し込みが必要なのか、それとも一般向けの臨時列車としてきっぷを駅等で購入する扱いになるのか、といったところでしょうか。

加えて、肝心の運賃・料金の体系が今回の発表では触れられておらず、このあたりがはっきりするのは運行開始直前になってくるのかな、とも感じました。


ともあれ、117系が夜行列車に抜擢されることもあり得るなだけに、まさかこんな時代がやってくるとは思いもしませんでしたが、今後117系がどのような改造を施されて運行開始に臨むのか、また、この列車の利用料金・運賃はどれくらいなのか、といって点が明らかになれば当ブログでもご紹介していきたいと思います。

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