関西地区の鉄道事業者各社局では、列車の運転見合わせ時に実施する鉄道事業者間の振替輸送の取り扱いについて、2019年3月16日(土)以降、利用方法を変更することを発表しました。

お客様のよりスムーズなご利用に向けた振替輸送のご利用方法の変更:JR西日本
お客様のよりスムーズなご利用に向けた振替輸送のご利用方法の変更について|南海電鉄
お客様のよりスムーズなご利用に向けた振替輸送のご利用方法の変更について|お知らせ|泉北高速鉄道
(※)大阪府南部をエリアとする一部の事業者のみリンクを貼っています。
他の事業者も発表内容は同一です。



概要は以下の通りです。


●振替輸送の乗換駅を拡大:
現在は事前に各事業者間で定めた特定の乗換駅のみ利用可能であったものが、今後は振替乗車の対象となる乗車券の区間内であれば、乗換駅を任意に選択することが可能。
(次に記載の振替乗車票の配布を省略する場合に限る)

●振替乗車票の配布を省略:
現在は、振替輸送を利用する駅の改札口で振替乗車票を受け取って利用しているが、今後はこれを省略し、振替輸送の対象となる乗車券のご提示により利用可能。
(※)バスなどとの振替輸送および近畿日本鉄道株式会社の東海エリアでの振替輸送については、これまで通り振替乗車票を配布。

●改札入場後のICカード乗車券を振替輸送の対象外に:
現在は「改札入場後のICカード乗車券」も振替輸送の対象としているが、今後は対象外とする。
(IC定期券は、引き続き振替輸送の対象)

●実施日:
2019年3月16日(土)以降の振替輸送実施時

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▲鉄道事業者間における振替輸送に関する制度変更ポスター
(上記発表資料(http://www.westjr.co.jp/press/article/items/dbd6d21a187ac0113342747709d21b1f.pdf)より引用)



その他詳細は、上記発表資料をご覧下さい。


これまで関西地区と他地区では、振替輸送ついて、ICカード(定期券を除く、以下同様)で入場した後の取り扱いが異なっていました。

即ち、関西地区では入場後のICカードも振替輸送の対象(モバイルSuicaは除く)であったのに対し、その他地区では対象外となっていました。
一見、関西地区の方が手厚い取扱いのようにも思えますが、実際の所、入場記録が残ったままなので、後日精算をする必要があり、それを忘れて入場しようとしてエラーとなる事例も多いものと思われますし、今後ICカードが更に普及すれば、振替乗車の度に後日精算の利用者が集中し、通常時の業務に支障を来す可能性も出てくることも考えられます。

また、後日に乗車していない区間を精算するという、ある意味自己申告的な取扱いのため、実際は乗車しているのにもかかわらず、乗車していないと申告して運賃の支払いを逃れることも、可能であることから、そういった不正手段を防ぐという意味も、今回、首都圏等と同じく、ICカードを振替輸送の対象外とすることになったかと思われます。


これまでICカードが振替輸送の対象だっただけに、制度変更後は混乱を来す可能性もあるかと思われますので、これまた振替輸送時以外の平常時の告知も重要かなと感じました。


個人的に気になるのは「振替乗車票の配布省略」でしょうか。
今後、鉄道事業者間の振替輸送では振替供給乗車票なしに利用できるのですが、バス等の振替輸送を利用する際は、引き続き乗車票が必要となります。

私自身、振替輸送を利用することが最も多い阪和線・和泉鳥取〜和歌山間なのですが、南海ウイングバス南部の尾崎駅前〜和泉鳥取間も振替輸送の対象となることがあるので、これも振替経路として利用する際には、忘れず乗車票を貰う必要があるようです。

極めて個人的な事情で恐縮ではありますが、今回の制度変更がてら、注意すべき点の一つとして、記事を読まれた方が気にかけていただけば幸いであります。



●関連ブログ:
3月16日からJR西日本等、ICカードでは振替輸送対象外に: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」



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