和歌山県の南紀白浜空港を2019年4月から運営する株式会社南紀白浜エアポートでは、この4月より南紀白浜空港を拠点に各方面への高速バスの乗り入れを開始することを発表しました。

この春、南紀白浜空港はバスターミナルになります|南紀白浜エアポート

概要は、以下の通りです。


◆南紀白浜空港発着の高速バス路線:
●串本・那智勝浦・新宮方面(4月27日新設予定):
・運行本数:
1往復
・主要バス停と運行時間、片道運賃(円)
串本(大水崎)・・・1時間10分、2,000円
紀伊勝浦駅・・・1時間50分、2,600円
新宮駅・・・2時間15分、3,200円

●大阪方面(4月1日乗り入れ開始予定):
・運行本数:
5往復
・運行時関等
大阪駅まで3時間50分、運賃2,980円

●京都方面(4月1日乗り入れ開始予定):
・運行本数:
2往復
・運行時間等:
京都駅まで4時間10分、運賃3,400円

●東京方面(夜行高速バス、4月1日乗り入れ開始予定):
・運行本数:
1往復

●本宮(熊野古道)方面(運行中):
・運行本数:
1往復

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▲南紀白浜空港高速バス経由開始ポスター
(上記発表資料(http://shirahama-airport.jp/application/files/1515/5142/9849/PressRelease_20190227_bus-terminal.pdf)より引用)


その他詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



南紀白浜空港は、和歌山県が設置し、管理・運営も行ってきましたが、この4月よりコンセッション方式による運営が「株式会社南紀白浜エアポート」により開始されることとなりました。
その4月から、南紀白浜空港と各方面を結ぶ高速バスが乗り入れを開始し、また4月27日からは新規路線として、串本・那智勝浦・新宮を結ぶ路線の運行が開始されることとなります。


まず、既存の高速バス(大阪線・京都線・東京線)の乗り入れについて、他地域の方は違和感をお持ちかも知れませんが、これは、航空機利用者というよりも、近隣住民等が自家用車を停めて高速バスを利用する、「パーク・アンド・バスライド」の拠点としての機能を開始する点がメインだといえるでしょう。
南紀白浜空港の駐車場は無料であることから、利用者にとっては嬉しい措置ではありますし、一方南紀白浜エアポートにしても、高速バス利用者が空港内の店舗等を利用することにより、収益確保が可能な点も、この施策の一つのポイントといえるでしょうか。


そして、バスファンにとって注目のニュースは、南紀白浜空港〜串本・那智勝浦・新宮線の開設でしょうか。
これらの地域からの高速バスでみれば、三重交通の高速バスが名古屋や東京方面へ運行されていますが、逆向きの大阪方面でみれば、これまで関西空港リムジンバス(熊野交通など)や夜行高速バス「ルナメール号」(西日本JRバス)が運行されていましたが、いずれも廃止されて相当の年月が経っています。

今回の白浜空港発着の高速バスは、久しぶりの路線開設となるわけですが、当時と比べても、紀勢自動車道がすさみ南まで開業していることや、訪日外国人旅行者が比べものにならないくらいに増えていることから、どの程度利用者が定着するか、楽しみなところはあります。


もっとも、これらの区間は特急「くろしお」と競合することから、利用者の減少傾向が続く「くろしお」の利用率が更に苦しくなる、という意見もあるかも知れません。
一方、今回新設される高速バスは白浜空港発着であることや、便数も1日1往復と限られたものであることから考えると、競合による懸念よりも、「くろしお」に加えて高速バスが走り出すことから、利用者の選択肢が増え、公共交通機関で串本・那智勝浦・新宮エリアを訪問する利用が増える効果の方に期待したいところは、個人的にあります。


今回開設される高速バス「南紀白浜空港〜新宮」線のルートとなる国道42号は、自家用車で走ったことが何度もありますが、海岸沿いの風光明媚な車窓であります。
これらをこの高速バスで眺めることができる、そんな旅をする機会があればいいな、と感じたニュースでした。



●関連ニュースサイト:
南紀白浜空港に大阪・京都・東京方面の長距離バスの乗り入れを4月から開始! 串本・那智勝浦方面への高速バスも新設 | 高速バス・夜行バスの旅行・観光メディア [バスとりっぷ]
南紀白浜空港、大阪・京都・東京行きなど高速バスに接続 4月から順次 | FlyTeam ニュース



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