▲ことでんの「レトロ電車」
(ことでんWebサイト(http://www.kotoden.co.jp/publichtm/kotoden/new/2019/retroplan/index.htmlより引用。)
今やキャラクターの「ことちゃん」で有名な鉄道事業者となっている、香川県の高松琴平電鉄(ことでん)では、大正末期から昭和初期にかけて製造された車両4両を、現在でも営業運転可能な状態で保存しており、現在でも毎月1回程度特別運行を実施しています。
参考:レトロ電車特別運行2019|ことでん
この度、これらのレトロ電車について、2021年のゴールデンウィークのイベントを最後に、廃車することがことでんより発表されました。
レトロ電車の廃車計画について|ことでん
詳細は下記の通りです。
●廃車計画:
・23号(大正14(1925)年製造)
2020年ゴールデンウィークさよならイベント後 廃車
・500号(昭和3(1928)年製造)
2020年シルバーウィークさよならイベント後 廃車
・120号(大正15(1926)年製造)
2021年ゴールデンウィークさよならイベント後 廃車
・300号(大正15(1926)年製造)
2021年ゴールデンウィークさよならイベント後 廃車
●今後の予定:
申し出があれば譲渡も検討するが、静態保存先が確保できなければ、解体の予定。
その他詳細は、上記発表資料をご覧下さい。
製造後約90年を迎え、大正、昭和、平成、そして令和と、4つの時代を走ってきたこれらのレトロ電車。
この時代の車両が鉄道線の営業線上で運行されるのも、非常にレアなものでありますので、近年とみに人気の車両でありますが、この度ことでんから、約2年をかけて順次廃車していくことが発表されました。
廃車するに至った理由については、ことでんの公式ツイッターで言及されています。
心苦しいですが、当社のレトロ車両も老朽化が進み安全確保が難しくなってきたこと、維持コストは膨大で、人手不足の中では通常営業車両の維持にも支障をきたすことなどから、来年以降のレトロ車両廃車計画を発表させていただきました。レトロを応援して下さったファンの皆様には大変申し訳ありません。
— ことちゃん (@irucakoto) 2019年5月5日
すなわち、経年に伴う安全確保の困難さに加え、維持コスト・人手不足等の要因から、廃車に至ったものであるとのことです。
これらのレトロ電車以外にも通常の営業列車を運行する中で、他の車両と比べてこれらのレトロ電車の維持には大変な労力で、それが営業列車の運行に支障を来すほどになっていることから、今回の廃車の発表となったことが、ここから見て取れます。
個人的な感想からいえば、よくもまあ今の時代まで保存していただいたな、という感謝の思いしか感じることができませんでした。
思えば2001年(平成13年)の民事再生法適用時、これらの、ある意味経営の足かせともなるレトロ電車を真っ先に廃車する、という選択肢もあった筈です。
しかし、その当時でさえも廃車を行わず、今まで走らせ続けてきたのも、ひとえに一日でも長くこれらのレトロ電車を楽しんでもらいたい、という気持ちがあったから、とも思われるだけに、今回の廃車発表は、まさに断腸の思いでありましょう。
残された期間はあと2年ほどとなっています。
これだけ早めの公表を行ったのも、ひとえに多くの方々にこれらのレトロ電車の雄姿を見てもらおう、という考えだと思われます。
寂しい限りではありますが、ファンとしても今回のことでんの発表に理解を示し、限られた期間で可能な限り楽しむべきだと思っています。
かくいう私も、機会があれば、ことでんに訪問し、これらのレトロ電車に触れることができれば、と思っています。
こちらのエントリーでご紹介した「ことでんひやく号」には、結局乗れずじまいだっただけに、「レトロ電車」については、是が非でも乗車あるいは撮影ができるよう、綿密に計画しておきたいな、と感じた発表でありました。
●関連ニュースサイト:
ことでんのレトロ電車が2021年のGWを機に姿を消す…大正・昭和生まれの4両 | レスポンス(Response.jp)
ことでん,2021年5月までにレトロ電車を廃車へ|鉄道ニュース|2019年5月11日掲載|鉄道ファン・railf.jp
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