JR西日本では、昨年10月に、24時以降を中心とした最終列車の時刻を繰り上げる、深夜ダイヤの見直し検討に着手したことを発表していますが、この度の社長会見において、その基本的な考え方が発表されました。

8月 社長会見:営業・輸送概況、鉄道施設の浸水対策、「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」新しいサービスと運行再開、深夜帯ダイヤ見直しの実施:JR西日本
「4.深夜帯ダイヤ見直しの実施」参考)

検討に着手した背景としては、鉄道運行に必要不可欠な線路等の保守作業は、終電から始発までの限られた時間で実施する必要があるものの、保守作業の働き手は急速に減少しています。

その一方で、近年深夜時間帯の利用が減少していることも踏まえて、最終列車の時刻繰り上げによる保守作業の夜間作業日数低減、そして保守作業における働きやすい労働環境の整備に繋げることとしています。

これらを踏まえて、JR西日本では、利用状況を分析しつつ、その影響を抑える検討を進めてきた結果、下記のとおりの考え方で、来年春から終電の繰り上げを実施することとしました。

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▲終電繰り上げの基本的な考え方
(上記発表資料(https://www.westjr.co.jp/press/article/2020/08/page_16525.html)より引用)

基本的な考え方は以下の通りです。
●近畿エリアの主要路線を対象に、10分〜30分繰り上げ
(約50本の列車を削減)

●東京方面からの最終の新幹線(新大阪23:45着)との接続をできる限り確保

●2021年春に実施することとし、線区ごとの具体的な時刻については9月に公表予定


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



今回発表のあった深夜時間帯のダイヤ見直しについては、今般の新型コロナウイルス感染症より前の昨年10月の社長会見で既に発表されていたもので、今回その具体的な終電繰り上げのイメージが発表されたもの、といえます。

内容は上記でご紹介したとおりですが、今回新たなポイントとしては、「東京発東海道新幹線最終との接続確保」「2021年春実施」の2点でしょうか。

まず「東京発東海道新幹線最終との接続確保」ですが、新大阪23:45着との接続を図ることとなれば、自ずから大阪0時あたりが一つのポイントになるのではないかと思われます。
例えば、大阪発姫路方面の新快速列車の最終列車は0時25分発ですが、これの最終が0時発となる、といった感じになるものと思われます。

接続する各路線も、これを基準とした終電繰り上げを実施していくものと思われますので、近畿エリアの合計でも約50本という削減規模になるのかな、と思われます。

加えて、今回の終電繰り上げは2021年春に実施することとしています。
昨年10月の発表では、実施時期について言明はありませんでしたが、予想以上に早い実施であると感じました。

新型コロナウイルス感染症の影響もあるかと思われますが、それも含めて深夜帯の利用者数が減少していることも、早い段階での実施を踏み切ることができた理由の一つにも感じたりしました。

終電繰り上げの具体的な時刻については、9月に公表予定とのことですので、私が毎日利用している阪和線も含めて、どのような見直しが実施されるのか、発表があれば少し詳しめにチェックしていきたいな、と感じたニュースでありました。




●関連ニュースサイト:
JR西、来春に終電繰り上げ=午前0時めど、保守作業員不足で | 乗りものニュース




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