JR東海では、紀勢線の特急「ワイドビュー南紀」(名古屋〜新宮〜紀伊勝浦)について、近年の利用状況を踏まえて、編成両数を変更することを発表しました。

在来線特急「ワイドビュー南紀」の編成両数の変更について|JR東海

概要は以下の通りです。


●編成両数:
現行4〜6両編成を2〜6両編成に変更。
需要にあわせて両数を設定。

●提供座席:
普通車指定席及び自由席
(グリーン車の提供は取りやめ)

●開始時期:
2020年11月1日(日)以降

●その他:
引き続き、需要にあわせた増発も実施

●編成両数変更イメージ:
jrc_nanki_20201101
(上記発表資料(https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000040762.pdf)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



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▲紀伊勝浦駅を発車する「ワイドビュー南紀」。
この時は4両編成ですが、今後2・3両編成が見られることとなります。

名古屋〜紀伊勝浦間を4時間弱かけて走破する「ワイドビュー南紀」。
紀勢本線の東半分をほぼ走破し、また「ワイドビュー」と称される窓の大きなキハ85系気動車からは、沿線の山と海の景色が存分に味わえる列車であります。

その「ワイドビュー南紀」ですが、現在は定期列車4往復・臨時列車2往復が設定され、いずれも最短編成は4両編成となっています。

しかし、紀勢本線の東側でも高速道路の供用が進んでいることや、それより何より沿線人口が減少していることもあり、利用者は減少傾向が続いていた模様です。
そんな「近年の利用状況」(上記発表資料)を鑑み、今回「ワイドビュー南紀」のグリーン車連結取りやめや、編成両数の柔軟な変更を実施することとしました。

これまで4両編成が最短だったものが、最短2両編成となるわけで、山陰、四国や九州では既に実績のある「2両編成の特急」が、まさかJR東海管内でも登場するとは、「ワイドビュー南紀」を取り巻く状況をの厳しさを感じた次第です。

また、グリーン車の連結取りやめも、上記の両数変更に伴うものと考えられ、2両編成となる場合、グリーン車が連結できなくことになる措置、とも考えられそうです。
また、上記利用者の減少傾向によって、グリーン車の利用者数そのものも少なくなっていることも、連結取りやめの理由の一つかも知れません。

全区間通して乗車して4時間弱と、グリーン車に乗って楽をしたいという利用者もいそうな感じですが、その設定さえもままならないほどの状況といえるでしょう。


名古屋〜新宮を2両編成で走り抜く列車、といえば、かつての快速「みえ」が1往復設定されていたことがありましたが、特急列車では初めて、となります。
それだけに、写真的には珍しいものとなりそうですが、列車の存続そのものを考えると、これ以上の見直しは避けてほしいところでありますので、少しでも利用者の維持が図られることを願いたいな、と思ったニュースでありました。




●関連ニュースサイト:
特急「ワイドビュー南紀」グリーン車取り止め 編成も最短2両に短縮へ 需要に応じ変更 | 乗りものニュース



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