続いて、JR西日本のダイヤ改正内容について、和歌山エリア以外の内容につき、主なものをご紹介します。

2021年春ダイヤ改正について|JR西日本

【近畿エリア 在来線特急】
●通勤時間帯の特急の停車駅・運転区間を拡大:
・「はるか」「びわこエクスプレス」が南草津駅に新たに停車
・「らくラクはりま」が大久保駅に新たに停車
・「はるか1,2,4,15号」を9両運転での運転を再開
(一部に271系を使用)

【近畿エリア】
●深夜時間帯ダイヤ見直し:
【参考】



2021 年春のダイヤ改正について|JR西日本広島支社
【広島・山口エリア】
●深夜時間帯の列車見直し:
各線区で最終列車の繰り上げを実施
広島駅から各方面では、山陽線・入野〜糸崎間で50分、南岩国〜柳井間で46分、呉線・矢野〜広間で39分、芸備線・中深川〜志和口間で62分の最終列車繰り上げ。

また山口エリアでは、小野田線(109分〜137分)、山陰線。益田→東萩方面(136分)と大幅な繰り上げも実施

●昼間時間帯を中心とした列車の見直し:
・山陽線では、以下の線区で列車の運転区間を見直し(いずれも1時間当たりの本数)
広島〜糸崎間・・・白市行き2本・糸崎行き2本→白市行き3本・糸崎行き1本
広島〜岩国間・・・(平日)岩国行き3本・大野浦行き1本→岩国行き2本・大野浦行き2本
(土休日)岩国行き3本(うち快速2本)・大野浦行き3本→岩国行き2本・大野浦行き2本(全て普通)

・芸備線では、下深川〜志和口間で本数を削減するほか、快速「みよしライナー」を削減

・可部線では、あき亀山行き3本→緑井行き1本・あき亀山行き2本に見直し(1時間当たり)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



続いて、JR西日本の和歌山地区以外の改正内容ですが、近畿エリアの最終列車繰り上げは、既に詳細な時刻等も発表されていましたので割愛し、その他の内容に注目しますと、近畿エリアでは、通勤時間帯の特急列車の拡充が目を引く内容となっています。


今回、「南草津」「大久保」の両駅に新たに特急列車が停車することになるのが、大きな注目といえます。

このうち南草津については、1994年9月の開業という、割と新しい駅なのですが、周辺の開発が進んだ結果、今や滋賀県内では最も乗車人数の多い駅となりました。
これまで通勤時間帯の特急が停車しなかったのが、逆に不思議、ということもあるので、今回の停車駅追加については、ある意味順当と言えるでしょう。

片や、大久保については、現在のところ新快速も停車しておらず、また乗車人員もまだ加古川駅よりも少ない数値となっています。
一方で、近年宅地開発が進んでいることもあって、新たな利用者を獲得する意味合いで停車駅を追加した、というのも考えられなくはなさそうです。
今回、大久保に新たに停車するのは「らくラクはりま」のみですが、今後これが他の列車にも拡大するのか、注目したいところです。


また通勤時間帯の特急列車でいえば、麻の特急「はるか」の9両編成運転がおよそ1年ぶりに復活することが発表されています。

今年3月のダイヤ改正で投入はされたものの、新型コロナウイルス感染症の影響で訪日外国人旅行者がほぼ消滅したこともあり、半月ほど運行された後に長らく運用されていなかった271系。
上下2往復のみではありますが、久しぶりに使用されることにもなりますので、これまで乗車チャンスに恵まれなかった方も、今回の9両編成復活でようやく実車に乗車できるチャンスが巡ってくることになるかと思います。
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▲特急「はるか」271系。
当初の「全列車9両編成」には遠く及びませんが、通勤時間帯の一部列車が9両編成となることから、久々に営業運転する姿が見られることとなります。


一方、今回の改正で大きく見直しが実施されたのは、実は広島・山口エリアではなかろうか、ということで、今回ご紹介することとしました。

近畿エリアでの深夜時間帯削減は、既に発表がありましたが、同様の取り組みが広島エリアでも実施される、ということになります。
最終列車の繰り上げ時間を見ると、線区によりバラツキはあるものの、区間によっては30分以上最終列車が繰り上がるところもあるので、かなり思い切った見直しをいきなり発表したな、という印象を感じました。

最終列車の繰り上げだけならば、既に近畿エリアで発表されているように、利用者の減少以外にも夜間保守工事の作業時間拡大を目的としたものでありますが、これに加えて広島エリアでは、日中の列車にも大ナタが振られることとなりました。

広島駅を中心に放射線状に路線網を構築する広島シティネットワークのうち、山陽線・岩国方面では土休日の快速列車は全て削減(一部普通列車に振り替え)、可部線では新規開業(復活)区間の可部〜あき亀山間も含む緑井以北の削減、といったように、割と広島都市圏内の区間でも思い切った削減が実施されることとなりました。

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▲山陽線・岩国駅で発車を待つ快速「シティライナー」(2017年10月撮影)
土休日の日中に運行されている同快速列車は、大幅に削減されることとなりました。

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▲可部線・あき亀山駅に停車中の227系(2017年10月撮影)
この駅発着の列車も、日中時間帯に削減されることとなります。

これらの削減については、上記発表資料では、「長年にわたるご利用の変化に合わせた列車の設定」とされていることから、昨今の新型コロナウイルス感染症による利用者削減も大きな要因ですが、それに限らず少子高齢化等により、利用者が減少していることから、今回見直しを実施した、ともいえるかも知れません。



ともあれ、近畿圏よりもむしろ、広島エリアでの削減がかなり目立ったJR西日本のダイヤ改正でありました。
続きまして、JR西日本以外の他社の改正内容を、順次ご紹介していきたいと思います。



●関連ニュースサイト:
快速シティライナー/サンライナー大減便 山陽線以外も減便の嵐 広島岡山3月ダイヤ改正 JR西日本 | 乗りものニュース
JR西日本,3月13日にダイヤ改正を実施|鉄道ニュース|2020年12月18日掲載|鉄道ファン・railf.jp
「らくラクはりま」大久保停車 「はるか」南草津・山科に終日停車 JR近畿圏特急ダイヤ改正 | 乗りものニュース
JR・私鉄各社、2021年3月13日ダイヤ改正(4) JR西日本「らくラクはりま」新大阪駅まで区間延長、大久保駅に停車 | マイナビニュース
JR・私鉄各社、2021年3月13日ダイヤ改正(5) JR西日本、特急「はるか」本数や琵琶湖線での運転区間など見直しに | マイナビニュース
JR・私鉄各社、2021年3月13日ダイヤ改正(6) JR西日本、山陽本線広島〜岩国間の快速「シティライナー」大幅減便 | マイナビニュース



●関連ブログ:
【JR西日本】2021年3月のダイヤ改正内容を発表!ざっくりと注目点をまとめました | 鉄道プレス
2021年3月ダイヤ改正発表(3)(JR東海、JR西日本): たべちゃんの旅行記「旅のメモ」



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