JR東日本とJR東海では、2021年春の臨時・増発列車の運転計画を発表しましたが、この中で、快速「ムーンライトながら」について、運転を終了することを発表しました。

春の増発列車のお知らせ|JR東日本
”春”の臨時列車の運転計画について|JR東海

臨時列車の快速「ムーンライトながら」につきましては、お客さまの行動様式の変化により列車の使命が薄れてきたことに加え、使用している車両の老朽化に伴い、運転を終了いたします。

(上記JR東日本プレスリリースより引用)


臨時の快速「ムーンライトながら」につきましては、お客さまの行動様式の変化により列車の使命が薄れてきたことに加え、使用している車両の老朽化に伴い、運転を終了いたします。

(上記JR東海プレスリリースより引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



「ムーンライトながら」は、かつての夜行普通列車の代名詞でもあった「大垣夜行」の後継列車として、1996年3月のダイヤ改正で東京〜大垣間で運行を開始した夜行快速列車でした。

青春18きっぷとの組み合わせで利用することで、東京と名古屋以西を格安に、かつ時間を有効に結ぶことができるという、従前の「大垣夜行」の利点はそのままで、それに加え車両は特急列車にも使用されるリクライニングシート付き(一部ボックスシート)の373系が投入されたこともあり、18きっぷのシーズンには指定席券が瞬く間に完売することもある、定番の人気列車でありました。


ただ、18きっぷ期間外は、普通運賃が必要なこともあり、従前より利用者は少ない状況であり、シーズンとそれ以外で、利用率が極端に差が出る列車でもあったようです。

加えて、夜行高速バスの多様化などの要因もあって、2009年3月のダイヤ改正では定期運転が終了し、それ以降は18きっぷのシーズンを中心にした臨時列車として運転され続けてきました。


臨時列車化後は183系・189系が使用され、その後、2013年度冬からは185系による運行が続いてきましたが、車両の老朽化や、移動ニーズの多様化もあり、その運転日数は年々減少していた模様です。

加えて、昨年の新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、昨年夏及び冬の運行は見送られてきたのですが、今回遂に運行終了の発表が行われました。

今回の運行終了の理由としては、「利用者の行動様式の変化により列車の使命が薄れてきたこと」と「使用している車両の老朽化」が挙げられています。
後者の「車両の老朽化」については、現在「ムーンライトながら」で使用されている185系電車は製造後40年以上が経過し、定期列車で運用されていた「踊り子」については、今年3月のダイヤ改正でE257系への置き換えが実施されることとなっています。


これだけなら、「E257系を使用して引き続き運転できるのではないか?」という意見もあるかも知れませんが、仮にそうであっても、前者の理由である「利用者の行動様式の変化」は、もはや避けることはできません。


上述のとおり「夜行高速バスの拡充」に加え、「ビジネスホテル・ネットカフェの充実」、「LCC(格安航空会社)の台頭」といったように、もはや「ムーンライトながら」に頼らなくとも、より時間帯の自由度が効く交通機関や宿泊手段を選ぶことが可能になりました。

加えて、昨年からの新型コロナウイルス感染症により、公共交通機関の利用者においても、感染拡大を防止する行動様式を取るようになり、その結果、「ムーンライトながら」のように多くの利用者が長時間密集する可能性のある列車は、今後はもはや選ばれることもなくなるのではないか、とも考えられますし、事業者としてもそういった列車を運行し続ける意義は従前以上に薄れてくるものと思われます。

そういった、諸々の環境変化にともない、今回運行終了が発表された「ムーンライトながら」。
長年「夜行快速列車の代名詞」的な存在で、1996年3月の運行開始から四半世紀の間、親しまれてきましたが、これも一つの時代の終焉、といえるのではないのかな、と感じました。



私自身、「ムーンライトながら」は、青春18きっぷの期間中を中心に、幾度か乗車したことがあります。
その当時の車両の画像データはありませんが、その代わり、乗車した際の指定券については、下記記事でご紹介したことがあります。


定期運行時代に充当されていた373系には、一部の車両にボックスシート「コンパートメント席」がありました。
このコンパートメント席を利用したことがありますが、リクライニングはしないものの、前後幅が広かったこともあってか、割と睡眠できたような記憶があります。
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▲「ムーンライトながら」のコンパートメント席の指定券。
「(コ)ムンライトながら」という標記が特徴ですが、この座席は「ムーンライトながら」とは別列車扱いだったこともあってか、18きっぷシーズンで普通席が満席でも、こちらは取れたこともありました。

その他、大学時代を中心に、この「ムーンライトながら」にはよく乗車をしていましたが、社会人となってからは、流石に時間的な制約もあり、あまり利用しなくなったこともこれまた事実であります。

結局最後に利用したのも、社会人3年目くらいの二十代後半で、それ以降は結局乗らずじまいで運転が終了となりました。
もっと空いている時期の定期列車にも乗ってみても良かったのかも知れませんが、こと「ムーンライトながら」に関しては、やはり学生時代に毎シーズンといってもいいくらいに乗っていたので、もはやその時で乗り尽くした感があったのかも知れません。

ともあれ、自分自身の若かりし頃に、お世話になった「ムーンライトながら」。
もう二度と乗ることはできませんが、その当時の記録を、こういった形で少しでも残していければいいな、と思い、今回のブログの記事としてみました。




●関連ニュースサイト:
臨時夜行快速「ムーンライトながら」運転終了へ 「大垣夜行」から長い歴史 | 乗りものニュース
臨時快速“ムーンライトながら”の運転終了|鉄道ニュース|2021年1月23日掲載|鉄道ファン・railf.jp
「ムーンライトながら」廃止決定 昨春の運行がラストランに - TRAICY(トライシー)
夜行快速「ムーンライトながら」が運転終了へ 「18きっぷでお世話になった」Twitterにはファンから惜しむ声 - ねとらぼ
東海道本線のムーンライトながら、廃止に - 鉄道コム
夜行快速「ムーンライトながら」なぜ廃止になったのか? 仕方がないことなのか? | 乗りものニュース



●関連ブログ:
列車番号T-TAKE(てぃーていく) : 「ムーンライトながら」の廃止と思い出
「ムーンライトながら」、ついに廃止: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」
【さよなら】ムーンライトながら、運転終了 | 鉄道プレス
【JR東日本・JR東海】臨時快速「ムーンライトながら」運転終了 - kqtrain.net(京浜急行)



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