JRグループ5社(JR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州)では、新幹線車内での列車公衆電話サービス(以下「公衆電話」。)を設置していますが、これらの公衆電話について、2021年6月30日(水)をもってサービスを終了することを発表しました。

新幹線における列車公衆電話サービスの終了について|JR北海道
【本文】新幹線における列車公衆電話サービスの終了について|JR東日本
新幹線における列車公衆電話サービス終了について|JR東海
新幹線における列車公衆電話サービスの終了について :JR西日本
新幹線における列車公衆電話サービスの終了について |JR九州
ニュース 2021年3月18日:新幹線における列車公衆電話サービスの終了について | NTTコミュニケーションズ 企業情報


上記によりますと、6月7日(月)以降は、列車により公衆電話を利用できない場合があるとのことです。


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



新幹線の公衆電話は、開業後まもなくサービスが開始されたようですが、列車電話の歴史を遡ると、新幹線開業前に運行されていた151系特急「こだま」「つばめ」でも実施されていたとのことです。

当時は、現在のように相手方の番号を電話機のダイヤルを押すのではなく、交換手を通じて繫ぐという方法でありました。

また、列車内からかけるのみならず、列車名と相手の名前を伝えて、列車内の乗客へかけるというサービスも往時は実施されており、走行中の車内で個人名が割と頻繁に呼び出されるという、今では考えられない光景が見られました。

加えて、列車からの発信、列車への着信含めて、東海道・山陽新幹線の公衆電話では、通話ができるのは沿線の都府県に限られており、現在とは随分様子が違うサービスでありました。

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▲新幹線0系電車(2008年7月)
東海道新幹線開業して間もない頃から公衆電話サービスが提供されていました。

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▲JTB時刻表1987年(昭和62年)3月号に掲載されていた公衆電話サービス
(同号・復刻版より引用)
当時は車内への呼び出しサービスが実施されていたこと、通話先は東海道・山陽新幹線の沿線都府県に限定されていたことなどが分かります。
一方で、東北・上越新幹線の公衆電話サービスでは、全国との通話が可能でした。


この新幹線の公衆電話ですが、トンネル内でも通話が可能であったことから、携帯電話の基地局が整備されるまでは一定の利用ニーズはあったようですが、トンネル内の基地局整備も進み、現在では青函トンネル含めて全ての区間で大手の携帯事業者であれば利用できるようになりました。

携帯電話の普及に加え、そういったハード面の整備も進んだことから、今回新幹線の公衆電話サービス終了が発表されました。


私個人の記憶をたどってみても、新幹線の公衆電話から電話をかけたことは幾度かあったように記憶しています。
既に携帯電話を持っている時期ではありましたが、上述のとおりトンネルで圏外となり通話が切れることを懸念して、敢えて公衆電話からかけていたように思えます。

ただそれも、基地局の整備が進んだことや、携帯電話からのメール等が利用できるようになったことから、連絡の手段が通話に限られなくなったこともあり、近年はめっきり利用することがなくなりました。


現在、東海道・山陽新幹線のN700系(16両編成)では、公衆電話は4台(4号車・9号車・12号車・15号車)設置されています。
携帯電話の普及と、基地局の整備が進んだとはいえ、4両に1台は公衆電話が設置されているのは、以外に多く感じました。

サービス終了は6月30日ですが、6月7日からは、先行して一部の列車で利用できなくなる模様ですので、それまでに新幹線に乗車する機会があれば、公衆電話の画像も記録しておきたいな、と思ったニュースでありました。



●関連ニュースサイト:
新幹線車内の公衆電話サービスが6月末終了 携帯電話の普及に伴い | 乗りものニュース
JR各社、新幹線車内の公衆電話サービスを6月に終了 - 鉄道コム



●関連ブログ:
【速報】新幹線の公衆電話、6月でサービス終了へ…56年の歴史に幕 | 鉄道プレス
新幹線の列車公衆電話、6月で廃止: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」



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