南海電鉄では、高石市内の連続立体交差事業の進捗に伴い、来る5月22日(土)にダイヤ改正を実施することを発表しました。

2021年5月22日(土) 南海線ダイヤ改正|南海電鉄

概要は以下の通りです。

【南海本線・高師浜線連続立体交差事業に伴う高師浜線の運転休止】
(下記過去記事参照)



【空港線における列車本数見直し】
●特急ラピート:
・昼間時間帯(難波駅発8時〜16時台、関西空港駅9時〜17時台)の運転本数を1時間当たり2本から1本に減便
(なお、ダイヤ改正後も、利用状況を考慮し、昼間時間帯の「ラピート」を運休)

●空港急行:
・一部の8両編成を6両編成に変更
平日ダイヤの場合、8両編成は下り49本→30本、上り51本→31本。
土休日ダイヤの場合、8両編成は下り48本→17本、上り49本→17本。
・運転本数としては、平日4本、土休日2本を減便


【22時以降の深夜時間帯の列車本数見直し】
●平日ダイヤ:
・下り:
空港急行・・・2本(うち1本は区間急行へ置き換え)
区間急行・・・1本
普通・・・1本(※最終列車)

・上り:
空港急行・・・2本

●土休日ダイヤ:
・下り:
空港急行・・・1本(区間急行へ置き換え)
普通・・・1本(※最終列車)

・上り:
空港急行・・・1本

※最終列車・・・難波24:25発住ノ江行きの取りやめ
(下記記事参照)



【一部普通列車の運転区間変更(平日ダイヤ)】
●下り:
難波7:42発羽倉崎行き→難波7:46発和歌山市行きへ変更
難波20:47発みさき公園行き→難波20:47発和歌山市行きに変更

●上り:
和歌山市22:11発泉佐野行き→和歌山市22:14発難波行きへ変更
和歌山市23:13発泉佐野行き→和歌山市23:24発難波行きへ変更


【関連事項】
●高野線最終列車繰り下げ
難波24:25発堺東行きの運転取りやめ
(下記記事参照)



詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



これまでこのブログでもご紹介してきたように、5月22日(土)に高石市内の連続立体交差工事の進捗に伴い、高師浜線が運休となることから、これに併せてダイヤ改正が実施されることは、十分予想されていました。

加えて、新型コロナウイルス感染症を踏まえた昨今の利用状況、特に訪日外国人旅行者がほぼ消滅した状況を踏まえて、特に空港線関連では大幅な見直しが実施されることも、これまた予想の範疇でありました。


本日南海電鉄から発表された改正内容は、まさにその通りの改正内容であった、といえるでしょうか。

まず空港線関連では、「ラピート」は昼間の本数を半減(当面の間、運休を継続)、空港急行の8両から6両への短縮化が挙げられます。

関西空港アクセスが主眼の「ラピート」、しかも空港利用者が多くを占める昼間時間帯の本数削減は、今般の利用状況をみていると、まさに仕方がない、としか言えない内容であります。
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▲特急「ラピート」(鶴原〜井原里間)
昼間に走るラピートが今回の改正で半減されますが、加えて昼間時間帯の運休も継続されます。


また空港急行についても、関西空港利用者、特にスーツケース等の大きい荷物の多い訪日外国人旅行者に対応し、つい最近まで6両から8両への増結を行ってきたのが一転、8両編成の空港急行が大幅に削減されることとなりました。
下記記事で、訪日外国人旅行者の増加で空港急行の混雑が問題になっていたことが、はるか過去の話としか思えない状況の変化、としか言えません。
【参考記事】




同時に22時以降の深夜時間帯の列車本数の見直しも発表され、空港急行の削減、区間急行への振替、といったように、深夜にかけての空港利用者激減にともなった見直しが同時に実施されます。

深夜時間帯でいえば、難波発最終の普通列車(南海線・住ノ江行き、高野線・堺東行き)の運転取りやめも、5月22日(土)からとなりますので、これらの列車をみることができるのも、前日の5月21日(金)ダイヤ(正確には5.22(土)の深夜0時)となります。


過去の南海線ダイヤ改正の内容を見ていると、やはり空港利用者の増減に左右される改正となっています。
それ自体は、空港アクセスを担う路線であるが故に、仕方のないことでありますが、関空の利用が低迷していた時でさえ、1時間に2本のダイヤを維持してきた「ラピート」が、遂にそのパターンを定期ダイヤで崩すことになるわけですから、新型コロナウイルス感染症の影響が相当なものである、というのが見て取れます。


一つ朗報は、土休日の特急「ラピート」は、現在昼前以降の運転が休止されていますが、今回の改正より、夕方以降(難波17:05発、関西空港18:04発)の運転が再開されるところでしょうか。
この時間になると、空港利用者以外にも、大阪市内から岸和田・泉佐野への有料着席サービスの役割も果たしていますので、この時間帯の運転再開は、特に沿線利用者にとっては少しだけではありますが、喜ばしいニュースではないかと思います。


ここのところの特に関西地方での感染者の拡大傾向が顕著でもあることから、新型コロナウイルス感染症の収束は、本当に見通すことができません。
ワクチンの接種は始まっているとはいえ、引き続き感染は続くでありましょうから、引き続き日本人の海外旅行や、海外からのインバウンド利用は、殆ど望めない状況が続くと思います。

とすると、ダイヤ見直しも今回で終わりでは決してにあく、更なる減便も考えられるのではないか、とも考えられるだけに、今後の利用状況や、そもそもの新型コロナウイルス感染症の状況もじっくりみておく必要があるな、と感じたニュースでありました。



【関連ニュースサイト】
南海,5月22日にダイヤ改正を実施|鉄道ニュース|2021年4月21日掲載|鉄道ファン・railf.jp



【関連ブログ】
[南海]22時以降の空港急行など減便、終電繰り上げも。5/22にダイヤ改正: 鉄道ダイヤ改正ニュース
JR九州、回数券を全面的に廃止: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」




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