横浜市では、同市内にある相模鉄道相鉄本線の瀬谷(せや)駅から上瀬谷(仮称)に至る約2.8kmの「上瀬谷ライン」(仮称)の整備を計画しています。


この「上瀬谷ライン」について、同市内で新交通システム「シーサイドライン」を運営する横浜シーサイドラインに対して、事業参画の依頼があったことが、同社から発表されました。

横浜市から(仮称)上瀬谷ラインへの事業参画の依頼がありました|横浜シーサイドライン

概要は以下のとおりです。

【依頼内容】
・インフラ外部(車両や電気・通信設備、駅施設、車両基地等)は運行事業者による整備
・2027年3月までの開業目標
・事業参画の可否を2011年11月末日までに回答

【横浜シーサイドラインへ参画依頼した理由】
・横浜市が所管する公営又は第三セクターで唯一、軌道事業、新交通システム(AGT)の専門的な知見、運行、経営ノウハウを有するため


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



この上瀬谷ラインが計画されているエリアは、長らく米軍の通信基地として使われてきましたが、2015年に土地全体が日本へ返還され、その土地利用が検討ゥされてきましたが、先の計画で、テーマパークを核とした複合的な集客施設や、国内物流拠点として整備する計画となりました。

「上瀬谷ライン」は、その土地利用転換に伴い発生する交通需要に対応した中量軌道を整備するものでありますが、今回その運営に対して横浜シーサイドラインに運行事業者としての事業参画の依頼がありました。

横浜シーサイドラインでは、外部有識者を加えた検討会議を開催し、事業の採算性や継続性について検討した上で、今年11月末の回答期限までに回答することとしています。


横浜市が横浜シーサイドラインに参画依頼した理由は、既にノウハウを有している市の外郭団体であるという点であり、この点は依頼先としては妥当なのかな、とも考えられます。


一方で、この旧上瀬谷通信施設のエリアでは、上述のテーマパークを中心とた拠点となる計画でありますが、このコロナ禍の影響もあってか、テーマパーク事業の進捗も捗っていない模様です。
そして何より、この8月30日の市長選挙で当選した新市長が、この構想について再検討すること、そして新交通システムについても、跡地利用を見極めて建設の可否を判断する考えを一部マスコミに示しています。
(参考)
米軍跡地のテーマパーク構想、是非を再検討 新・横浜市長の山中氏(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

そのような状況で依頼されたこの上瀬谷ラインの事業参画依頼、果たして横浜シーサイドラインがどのような回答を示すのか、またそれによって同路線の計画がどのように変化するのか。

鉄軌道であるが故に、実現可否が「乗りつぶし」に大きく関係するだけに、引き続き要注目のニュースであります。




【関連ニュースサイト】
横浜市、横浜シーサイドラインに「上瀬谷ライン」への事業参画を依頼 - 鉄道コム
横浜市で計画中の新交通システム“上瀬谷ライン”…横浜シーサイドラインに運行を要請 | レスポンス(Response.jp)
横浜市が旧上瀬谷通信施設跡地への新交通「上瀬谷ライン(仮称)」の運行を横浜シーサイドラインに依頼。2027年3月開業を目指す - トラベル Watch
上瀬谷ラインを本当に作るのか。横浜市がシーサイドラインに運行要請 | タビリス
横浜の新路線「上瀬谷ライン」実現へ局面動く 市が運行事業をシーサイドラインに依頼 | 乗りものニュース



【関連ブログ】
シーサイドライン、米軍上瀬谷通信施設跡地への新交通システムに否定的: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」




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