個人的に忙しい日々が続いていたので、鉄道関係の書籍・雑誌も購入したはいいものの、なかなか読む時間を確保できなく、ようやく一通り読み終えることができましたので、当ブログでご紹介したいと思います。
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●鉄道ピクトリアル9月臨時増刊号【特集】近鉄特急



鉄道ピクトリアルの事業者別特集は、これまでもこのブログでご紹介してきており、近鉄についても、下記記事で「近畿日本鉄道」をご紹介しましたが、それから3年ほどという割と短い期間で、今度は近鉄特急に特化した特集が発行されました。
【参考】




今回の特集の概要としては、近鉄社員による近鉄特急の概説、輸送、運転の現況、サービス、車両の変遷に始まり、その他外部執筆者による近鉄特急の歴史、乗車記等々、「近鉄特急」のはしりから現在までが丸ごと詰まった一冊となっています。


特に前半で記載されている近鉄社員による記事は、言ってみれば「公式記録」でありますので、今後疑義が生じた場合はこの記事を確認すれば事足りるわけですから、この手の特集号は、毎回楽しみにしています。

それにしても、近鉄の特急だけで一冊の特集ができてしまうところに、近鉄特急の量と質の凄みを改めて感じた次第です。

今後も「ひのとり」をはじめとした近鉄特急の記事を当ブログでも少なからず取り上げることと思われますが、その際の事実確認等でも、役に立つ特集かな、とも感じている次第です。



●鉄道ジャーナル10月号「九州の気がかり」



このコロナ禍で、九州のみならず鉄道業界全体が「気がかり」な状況でありますが、今回は九州の「気がかり」な話題についての特集となっています。
内容としては、来年秋の西九州新幹線(武雄温泉〜長崎)開業を前にした長崎本線等のレポート、JR九州の福岡都市圏輸送、そして同じく福岡都市圏の輸送を担う西日本鉄道の現況に加え、九州そして福岡の輸送ということでは決して忘れてはならない西鉄バスの現況ついて、まとまった特集という意味では、有意義な内容だったかと思います。

また、今回の特集が九州という繋がりだからかどうかは分かりませんが、連載記事「消えた地方私鉄 晩年の日々」では今回、島原鉄道(島原外港〜加津佐、いわゆる「南目線」)が取り上げられていました。

このブログでも触れたこともあったかと思いますが、私の両親の実家が、この南目線沿線にありました。
帰省時に島鉄に乗車することが、帰省時の楽しみの一つでありましたが、そういう意味で、自分の鉄道趣味の原点の一つ、ともいえる線区でありました。

南目線の区間は2008年3月末をもって廃止されましたが、その廃止からはや13年半となりましたが、こういった媒体で南目線の廃線までの経緯がまとめられていたのを見たのは、収穫でありました。

収穫と言えば、本記事で旧・加津佐駅の駅舎が解体されていたことを知りました。
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島原鉄道・加津佐駅駅舎。
2015年8月に訪問した際には、このように駅舎を活用したバスターミナルとなっていましたが、本記事では既に撤去されていた旨が記載されていました。

本文では、「ホームが残っている駅も多く」(P107)等、全般的に廃線跡は残っている記述でしたが、廃線から13年半が経つと、廃線後の様子も流石に変化してきているのかな、と改めて感じました。



●鉄道ファン10月号「全国の地下鉄 最新事情」
鉄道ファン 2021年 10月号 [雑誌]
鉄道ファン編集部
交友社
2021-08-20



現在国内の拠点都市に存在する10の地下鉄(札幌市交通局、仙台市交通局、東京メトロ、東京都交通局、横浜市交通局、名古屋市交通局、京都市交通局、大阪メトロ、神戸市交通局、福岡市交通局)の最近の車両動向を中心にまとまった特集となっています。

前回同誌で全国の地下鉄特集を組んだのが2012年3月号で、約10年ぶりの地下鉄特集とのことですが、その間、各都市では車両の置き換えが実施、あるいは計画されています。

特に、仙台市(南北線)、京都市(烏丸線)のように、開業当初から運用されてきた車両の今後の置き換えが既に発表されている事業者もあり、今回の特集はそういった「世代交代」前の記録という意味では、貴重なものである、と言えるのではないかと思います。


また、「地下鉄」よりも「路面電車」が都市交通の主体として機能している広島市を走る広島電鉄(広電)について、「『路面電車ルネッサンス』に挑む広島電鉄」という記事が掲載されています。
広電の1997年以降の投入車両(3950形、5000形、5100形、1000形、5200形)や停留所の設備改良等の概要を紹介するほか、今後改良工事が実施される広島駅・駅前大橋ルート、広電宮島口についても言及されています。
広電については、私自身も2017年、2018年と立て続けに乗車し、全線完乗は果たしており、その車両動向や今後のプロジェクトについては、一通り理解はしているつもりでしたが、路面電車を中心に活動されている方の投稿ということで、これまた読んでよかったな、と思える記事でありました。


以上、発売から1ヶ月が経ち、もう次の号が発売されるタイミングでのご紹介となってしまいました。
ただ、鉄道ピクトリアル「【特集】近鉄特急」は、資料集という意味でも今から購入しても決して新鮮味に欠けることはないと思いますので、本記事をきっかけに一冊お手元に置いておいてもいいかも知れませんね。



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