このブログでは、鉄道をはじめとした公共交通関係の書籍等もご紹介しています。
鉄道雑誌については毎月のように、そしてその他の書籍も気になるものがあれば適宜購入していますが、何せ個人的な多忙さも相まって、なかなかご紹介できないことは多く、申し訳なく思っている次第です。
本日は久々に時間が取れましたので、是非ともご紹介したい鉄道雑誌の特集がありましたので、取り上げてみることにしました。
今回ご紹介するのは、鉄道ピクトリアル2022年3月号「特集「DISCOVER JAPAN」の時代」であります。
「DISCOVER JAPAN」というキャンペーンは、昭和40年代半ば(1970年代前半)、大阪万博(1970年開催)後の輸送人員減少に歯止めをかけるべく、大阪万博を期に旅行が特別なものでは決してなく平均的な家庭でも広まってきたことを背景に、国鉄を利用して全国各地に旅行をしてもらおうと生み出された、キャンペーンでありました。
当時の国鉄では、この「DISCOVER JAPAN」を実施するにあたり、新聞広告の開催、主要駅でのタワー設置、そして今に続く旅番組「遠くへ行きたい」の放送開始といった一連のプロモーション活動に加え、施策面でもディーゼル特急の拡充、七尾線・能登線の観光列車「ふるさと列車おくのと号」の運行やミニ周遊券の設定といった取り組みを進めました。
その結果、懸念された万博後の旅行客の落ち込みは一時的なものとなった上に、引き続き旅行需要は高まりを見せ、旅行という体験消費を定着化させる成果を挙げた、といえます。
今月号の鉄道ピクトリアルでは、この「DISCOVER JAPAN」キャンペーンの概説と、この時代の鉄道旅行シーンを中心に、過去の貴重な写真の記録等が掲載されています。
今月号の記事で、個人的に特に注目したのは、「周遊券のいろいろと鉄道旅の文化」(長谷川優一)の記事でありました。
「周遊券」とは、既に若いファンでもご存じない方も多数おられるものと思いますので、ざっと説明しておきたいと思います。
これらの周遊券のうち、
前者を「普通周遊乗車券」、後者を「均一周遊乗車券」と整理し、
といったラインナップが構成されていました。
この周遊券の制度については、観光、ビジネス等広く利用され、利用者のニーズを踏まえた種類の追加や改正が頻繁に行われてきたことから、その制度の変遷を理解するのには、非常に高いハードルがありました。
今回の記事では、1955年(昭和30年)の周遊券販売開始以降、最後の大きな改正が行われた1984年(昭和59年)までの制度変遷を、当時の周遊券の券面画像をふんだんに掲載して記載するという、きっぷファンにとっては是非とも手元に置いておきたい書誌であります。
個人的に今回の記事を読んでためになったのは、「均一周遊券の構成券片」種類の解説でした。
当ブログでも、下記の記事で「ワイド周遊券」「ニューワイド周遊券」のご紹介をしたことがありました。
これらの記事では「東北ワイド周遊券」「九州ワイド周遊券」「北海道ニューワイド周遊券」「四国ニューワイド周遊券」の各周遊券をご紹介していました。
その紹介の際、特に説明をせずに「A券片」「B券片」「D券片」「X券片」「Y券片」という言葉を使っていましたが、これら「A」からはじまり「Y」まで付けられた券片の名称、それぞれがどういうものを指していたのか、かつてから気になっていました。
今回の記事では、この「A券片」からはじまり「Y券片」まで続く、一連の券片の種類についても、時代に応じた変化とともに紹介されています。
私自身、上記過去記事でご紹介したA・B・D・S・T・X・Y以外の種類が、どの時期に、どのような効力を有する券片であったかが理解できただけでも、本当に「買い」の一冊だったと、思っています。
上記で挙げた各券面の内容は、是非とも本誌を手に取っていただき、実際に読んでいただきたいと思います。
(当ブログ記事では敢えて紹介しません。)
大げさな言い方かも知れませんが、「記事を掲載していただきありがとうございます。」と素直に感謝したいと思っています。
1998年(平成10年)に「周遊券」が廃止され間もなく25年。
「周遊券」の後を継いで設定された「周遊きっぷ」も廃止されてはや9年と、若いファンの方々だと、「周遊券」というものを知らない、あるいは知っていても実使用したこともないので、いまいち理解が困難な方も少なからずおられるかも知れません。
とはいえ、国鉄時代を中心に、過去の多くの鉄道ファン(今で言う「乗り鉄」「きっぷ鉄」だけでなく「撮り鉄」の方々も多く愛用されていました。)の定番として利用してきたこの「周遊券」。
過去の制度ということもあり、実体験が無ければ若干取っつきにくい面もありますが、この特集を機会に「周遊券」というものに触れてみるのも非常に有益なのではないか、と周遊券時代の末期を中心に愛用した1ファンとしては、お薦めしたい内容でありました。
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鉄道ピクトリアル 2022年 03月号 [雑誌]
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鉄道雑誌については毎月のように、そしてその他の書籍も気になるものがあれば適宜購入していますが、何せ個人的な多忙さも相まって、なかなかご紹介できないことは多く、申し訳なく思っている次第です。
本日は久々に時間が取れましたので、是非ともご紹介したい鉄道雑誌の特集がありましたので、取り上げてみることにしました。
今回ご紹介するのは、鉄道ピクトリアル2022年3月号「特集「DISCOVER JAPAN」の時代」であります。
「DISCOVER JAPAN」というキャンペーンは、昭和40年代半ば(1970年代前半)、大阪万博(1970年開催)後の輸送人員減少に歯止めをかけるべく、大阪万博を期に旅行が特別なものでは決してなく平均的な家庭でも広まってきたことを背景に、国鉄を利用して全国各地に旅行をしてもらおうと生み出された、キャンペーンでありました。
当時の国鉄では、この「DISCOVER JAPAN」を実施するにあたり、新聞広告の開催、主要駅でのタワー設置、そして今に続く旅番組「遠くへ行きたい」の放送開始といった一連のプロモーション活動に加え、施策面でもディーゼル特急の拡充、七尾線・能登線の観光列車「ふるさと列車おくのと号」の運行やミニ周遊券の設定といった取り組みを進めました。
その結果、懸念された万博後の旅行客の落ち込みは一時的なものとなった上に、引き続き旅行需要は高まりを見せ、旅行という体験消費を定着化させる成果を挙げた、といえます。
今月号の鉄道ピクトリアルでは、この「DISCOVER JAPAN」キャンペーンの概説と、この時代の鉄道旅行シーンを中心に、過去の貴重な写真の記録等が掲載されています。
今月号の記事で、個人的に特に注目したのは、「周遊券のいろいろと鉄道旅の文化」(長谷川優一)の記事でありました。
「周遊券」とは、既に若いファンでもご存じない方も多数おられるものと思いますので、ざっと説明しておきたいと思います。
周遊券とは、国鉄時代からJR時代初期にかけ、観光地などを回って巡る(周遊)するために、国鉄線(JR線)と現地の会社線をセットし、割引して販売していた特別企画乗車券
またそこから発展し、予め定められたエリアまでの往復の国鉄線(JR線)と、エリア内の国鉄線(JR線)等が乗り放題のきっぷがセットになった周遊券も後に設定
これらの周遊券のうち、
前者を「普通周遊乗車券」、後者を「均一周遊乗車券」と整理し、
「普通周遊乗車券」は「一般周遊券」、「グリーン周遊券」(設定当初は「ことぶき周遊券」)
「均一周遊乗車券」は「ワイド周遊券」、「ミニ周遊券」、「ニューワイド周遊券」(設定当初は「立体周遊券」)
といったラインナップが構成されていました。
この周遊券の制度については、観光、ビジネス等広く利用され、利用者のニーズを踏まえた種類の追加や改正が頻繁に行われてきたことから、その制度の変遷を理解するのには、非常に高いハードルがありました。
今回の記事では、1955年(昭和30年)の周遊券販売開始以降、最後の大きな改正が行われた1984年(昭和59年)までの制度変遷を、当時の周遊券の券面画像をふんだんに掲載して記載するという、きっぷファンにとっては是非とも手元に置いておきたい書誌であります。
個人的に今回の記事を読んでためになったのは、「均一周遊券の構成券片」種類の解説でした。
当ブログでも、下記の記事で「ワイド周遊券」「ニューワイド周遊券」のご紹介をしたことがありました。
これらの記事では「東北ワイド周遊券」「九州ワイド周遊券」「北海道ニューワイド周遊券」「四国ニューワイド周遊券」の各周遊券をご紹介していました。
その紹介の際、特に説明をせずに「A券片」「B券片」「D券片」「X券片」「Y券片」という言葉を使っていましたが、これら「A」からはじまり「Y」まで付けられた券片の名称、それぞれがどういうものを指していたのか、かつてから気になっていました。
今回の記事では、この「A券片」からはじまり「Y券片」まで続く、一連の券片の種類についても、時代に応じた変化とともに紹介されています。
私自身、上記過去記事でご紹介したA・B・D・S・T・X・Y以外の種類が、どの時期に、どのような効力を有する券片であったかが理解できただけでも、本当に「買い」の一冊だったと、思っています。
上記で挙げた各券面の内容は、是非とも本誌を手に取っていただき、実際に読んでいただきたいと思います。
(当ブログ記事では敢えて紹介しません。)
大げさな言い方かも知れませんが、「記事を掲載していただきありがとうございます。」と素直に感謝したいと思っています。
1998年(平成10年)に「周遊券」が廃止され間もなく25年。
「周遊券」の後を継いで設定された「周遊きっぷ」も廃止されてはや9年と、若いファンの方々だと、「周遊券」というものを知らない、あるいは知っていても実使用したこともないので、いまいち理解が困難な方も少なからずおられるかも知れません。
とはいえ、国鉄時代を中心に、過去の多くの鉄道ファン(今で言う「乗り鉄」「きっぷ鉄」だけでなく「撮り鉄」の方々も多く愛用されていました。)の定番として利用してきたこの「周遊券」。
過去の制度ということもあり、実体験が無ければ若干取っつきにくい面もありますが、この特集を機会に「周遊券」というものに触れてみるのも非常に有益なのではないか、と周遊券時代の末期を中心に愛用した1ファンとしては、お薦めしたい内容でありました。
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