JR西日本では、岡山〜出雲市間で運行している特急「やくも」について、新型車両の投入を発表しました。
特急「やくも」への新型車両の投入について:JR西日本
概要は以下の通りです。
詳細は、上記発表資料をご覧下さい。
山陽・山陰の両都市を結ぶ「陰陽連絡特急」として運行されている特急「やくも」。
1972年の運行開始時にはキハ181系でデビューし、その後1982年からは381系特急型電車が使用されています。
民営化後は、381系にパノラマグリーン車の設置やリニューアル等、時代に応じた改造が実施されてきましたが、流石に投入後40年を迎えようとしているなか、車両の置き換えが待ち望まれていました。
当のJR西日本でも、既に「中期経営計画2022」で「やくも」への新製車両投入を明記していたので、そう遠くないうちに置き換えが実施されることは既に想定の範囲内でありました。
ただ、その新製車両がどのようなものになるのかは、上記経営計画では明らかになっていなかったこともあり、現状の381系のような振り子車両や、車体傾斜装置を備えた車両となるのか、はたまた「くろしお」での前例があるように、特にそういった装置を備えない車両での置き換えになるのか、気になっていたファンも多かったのではないかと思います。
本日発表のあった内容では、新型車両は「273系」と称され、関空特急「はるか」増備車両の「271系」に続く車両形式が与えられることとなりました。
そして注目すべき機能として、「車上型の制御付き自然振り子方式」というものが採用されることとなりました。
この方式は、国内初の採用とのことですが、これまでの制御付き振り子方式とは異なる方式のようではありますが、引き続き曲線通過に強い車両が投入されることになりますので、一部で不安視されていたスピードダウンは避けられるのではないか、と思われます。
加えて、接客設備では車内Wi-Fiと全席コンセントと、現在の接客水準に応じた設備も設けられることから、この273系投入により、「やくも」の利用が一気に快適になることは間違いないでしょう。
一方、今回投入の編成を見ますと、全て4両編成での投入となっています。
「やくも」は現行4両編成を基本としており、多客期に増結して様々な編成長が見られるようですが、今回の273系投入で、4両編成または8両編成に統一されることになることが濃厚であるかと思われます。
ただこれだと、4両と8両とで輸送力に差がありすぎるので、それを埋めるべく増結用の2両編成等が後追いで投入される可能性もあるのかも知れません。
このように、273系投入だけで十分話題性の高いものでありますが、これに加え、現行車両の「381系」のうち1編成を、国鉄色に変更するという、鉄道ファンにとってこれまた嬉しいお知らせも同時に発表されています。
国鉄色の「やくも」は、国鉄時代から民営化後しばらくの間見られたものの、その後「スーパーやくも」色、「やくも」更新色、「ゆったりやくも」塗色と、色々と塗装が変更になったこともあり、モノクラス6両編成が残っていた「くろしお」とは違い、早い段階で国鉄色の「やくも」を見る機会は少なくなりました。
今回、381系の引退を前に、その「国鉄色」381系が再現されることになるため、この姿を一目見ようと、撮影に興じるファンが多数伯備線沿線に集まるのではないか、と思ったりします。
この伯備線、かつてはSLの三重連を撮影しようと多くのファンが集まったことがある、という過去の歴史があるわけですが、まさかこういう形で「最後の国鉄特急色車両」を撮影するべく、再びファンが伯備線に集う、というのは歴史の繰り返し、と考えると面白いものがあるかも知れません。
国鉄色「やくも」充当列車が予め指定されているのも、ファンにとって有り難い話といえます。
充当列車は以下のとおりですので、撮影・乗車の参考にしてみて下さい。
国鉄時代に製造された特急列車も、民営化30年以上を経てかなり少なくなってきました。
今回381系の「やくも」からの引退により、JRグループ本州各社から、国鉄型の特急車両が全て姿を消すこととなります。
一方、残りの三社(JR北海道・四国・九州)には、引き続き国鉄時代に投入された特急車両が残ることになりますが、JR北海道のキハ183系(後期車)やJR四国のキハ185系は、いずれも民営化後の経営が苦しいことが予想された両社に対する基盤強化の観点から、民営化直前に投入されたこともあり、どちらかといえば「民営化後を見据えた特急型車両」であったかといえます。
そういう意味では、これら以前の特急型車両のうち、唯一現役で運行されている「やくも」用381系が、実質的に「最後の国鉄型特急車」ともいえるかも知れないだけに、その最後を飾るべく実施される「国鉄色リバイバル塗装」の実施、そして381系の引退は、一つの時代の終わり、ともいえるかも知れません。
381系「やくも」の引退開始までは、あと2年ほどありますので、早いうちにこの381系の乗り納めができればいいな、と思っています。
直近では、2017年10月に、出雲市〜米子間で381系「やくも」に乗車したことがありました。

▲出雲市〜米子間で乗車した「やくも16号」。


▲この時はグリーン車に乗車しました。
座席等もリニューアルされており、381系登場当時の面影はあまり残っていませんが、それでも国鉄型車両の雰囲気は感じることはできました。
願わくば、伯備線をこの381系で乗り通すことができる旅程があればいいな、とも思ったりしますが、残り2年ほどの間、その機会に恵まれれればいいな、と思った次第です。
【関連ブログ】
【速報】特急やくも用「273系」発表!新型振り子装置採用・24年デビュー - 鉄道プレス
Msykの業務(鉄道)日誌:381系「やくも」も置換へ
【速報】381系「やくも」、国鉄色復刻へ - 鉄道プレス
▲「381系国鉄色リバイバル」を発表前に記事で取り上げられていました。予想がドンピシで当たっていて驚いた次第です。
【JR西日本】特急「やくも」への新型車両の投入について公表 - kqtrain.net(京浜急行)
【JR西日本】特急「やくも」現行車両(381系)国鉄色化リバイバル編成運転 - kqtrain.net(京浜急行)
【JR西日本】特急やくも号に新型車両273系導入へ/381系国鉄色リバイバルも | Railway Enjoy Net - 関西の鉄道サイト –
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特急「やくも」置き換えへ、JR西が新型振り子車両「273系」導入を発表 - 鉄道コム
特急「やくも」に新型273系投入 国内初の「自然振り子方式」2024年春 | 乗りものニュース
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特急「やくも」新型車両273系、わかっていること全詳細。2024年春デビュー! | タビリス
JR西日本,特急“やくも”に273系を導入へ|鉄道ニュース|2022年2月16日掲載|鉄道ファン・railf.jp
JR西日本、特急「やくも」への新型車両の投入が決定。2024年春以降運行 - トラベル Watch
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特急「やくも」への新型車両の投入について:JR西日本
概要は以下の通りです。
【車両形式・投入車両数】
・車両形式:273系特急形直流電車
・投入車両数:44両(4両×11編成)
【車両概要】
・新たに開発・実用化した、国内初となる「車上型の制御付自然振り子方式」の採用
(車上の曲線データと走行地点のデータを連続して照合し、適切なタイミングで車体を傾斜させる方式)
・座席間隔の拡大、座り心地を改善した座席の採用
・車内Wi-Fi、全席コンセント、大型荷物スペース設置
【営業開始時期】
2024年春以降
【273系イメージ】
(上記発表資料(https://www.westjr.co.jp/press/article/2022/02/page_19445.html)より引用)
(※)詳細仕様、デザインは検討中です。
【現行車両(381系)国鉄色化リバイバル編成運転】
381系1編成(6両)の塗装を国鉄色に変更して運行
・リバイバル編成運転開始日
2022年3月19日(土)〜
・対象列車
やくも8号・9号・24号・25号
・リバイバル編成イメージ
(上記発表資料(https://www.westjr.co.jp/press/article/2022/02/page_19445.html)より引用)
詳細は、上記発表資料をご覧下さい。
山陽・山陰の両都市を結ぶ「陰陽連絡特急」として運行されている特急「やくも」。
1972年の運行開始時にはキハ181系でデビューし、その後1982年からは381系特急型電車が使用されています。
民営化後は、381系にパノラマグリーン車の設置やリニューアル等、時代に応じた改造が実施されてきましたが、流石に投入後40年を迎えようとしているなか、車両の置き換えが待ち望まれていました。
当のJR西日本でも、既に「中期経営計画2022」で「やくも」への新製車両投入を明記していたので、そう遠くないうちに置き換えが実施されることは既に想定の範囲内でありました。
ただ、その新製車両がどのようなものになるのかは、上記経営計画では明らかになっていなかったこともあり、現状の381系のような振り子車両や、車体傾斜装置を備えた車両となるのか、はたまた「くろしお」での前例があるように、特にそういった装置を備えない車両での置き換えになるのか、気になっていたファンも多かったのではないかと思います。
本日発表のあった内容では、新型車両は「273系」と称され、関空特急「はるか」増備車両の「271系」に続く車両形式が与えられることとなりました。
そして注目すべき機能として、「車上型の制御付き自然振り子方式」というものが採用されることとなりました。
この方式は、国内初の採用とのことですが、これまでの制御付き振り子方式とは異なる方式のようではありますが、引き続き曲線通過に強い車両が投入されることになりますので、一部で不安視されていたスピードダウンは避けられるのではないか、と思われます。
加えて、接客設備では車内Wi-Fiと全席コンセントと、現在の接客水準に応じた設備も設けられることから、この273系投入により、「やくも」の利用が一気に快適になることは間違いないでしょう。
一方、今回投入の編成を見ますと、全て4両編成での投入となっています。
「やくも」は現行4両編成を基本としており、多客期に増結して様々な編成長が見られるようですが、今回の273系投入で、4両編成または8両編成に統一されることになることが濃厚であるかと思われます。
ただこれだと、4両と8両とで輸送力に差がありすぎるので、それを埋めるべく増結用の2両編成等が後追いで投入される可能性もあるのかも知れません。
このように、273系投入だけで十分話題性の高いものでありますが、これに加え、現行車両の「381系」のうち1編成を、国鉄色に変更するという、鉄道ファンにとってこれまた嬉しいお知らせも同時に発表されています。
国鉄色の「やくも」は、国鉄時代から民営化後しばらくの間見られたものの、その後「スーパーやくも」色、「やくも」更新色、「ゆったりやくも」塗色と、色々と塗装が変更になったこともあり、モノクラス6両編成が残っていた「くろしお」とは違い、早い段階で国鉄色の「やくも」を見る機会は少なくなりました。
今回、381系の引退を前に、その「国鉄色」381系が再現されることになるため、この姿を一目見ようと、撮影に興じるファンが多数伯備線沿線に集まるのではないか、と思ったりします。
この伯備線、かつてはSLの三重連を撮影しようと多くのファンが集まったことがある、という過去の歴史があるわけですが、まさかこういう形で「最後の国鉄特急色車両」を撮影するべく、再びファンが伯備線に集う、というのは歴史の繰り返し、と考えると面白いものがあるかも知れません。
国鉄色「やくも」充当列車が予め指定されているのも、ファンにとって有り難い話といえます。
充当列車は以下のとおりですので、撮影・乗車の参考にしてみて下さい。
【下り:岡山発→出雲市行き】
やくも9号:岡山11:05発→出雲市14:12着
やくも25号:岡山19:05発→出雲市22:11着
【上り:出雲市発→岡山行き】
やくも8号:出雲市7:21発→岡山10:35着
やくも24号:出雲市15:30発→岡山18:39着
国鉄時代に製造された特急列車も、民営化30年以上を経てかなり少なくなってきました。
今回381系の「やくも」からの引退により、JRグループ本州各社から、国鉄型の特急車両が全て姿を消すこととなります。
一方、残りの三社(JR北海道・四国・九州)には、引き続き国鉄時代に投入された特急車両が残ることになりますが、JR北海道のキハ183系(後期車)やJR四国のキハ185系は、いずれも民営化後の経営が苦しいことが予想された両社に対する基盤強化の観点から、民営化直前に投入されたこともあり、どちらかといえば「民営化後を見据えた特急型車両」であったかといえます。
そういう意味では、これら以前の特急型車両のうち、唯一現役で運行されている「やくも」用381系が、実質的に「最後の国鉄型特急車」ともいえるかも知れないだけに、その最後を飾るべく実施される「国鉄色リバイバル塗装」の実施、そして381系の引退は、一つの時代の終わり、ともいえるかも知れません。
381系「やくも」の引退開始までは、あと2年ほどありますので、早いうちにこの381系の乗り納めができればいいな、と思っています。
直近では、2017年10月に、出雲市〜米子間で381系「やくも」に乗車したことがありました。

▲出雲市〜米子間で乗車した「やくも16号」。


▲この時はグリーン車に乗車しました。
座席等もリニューアルされており、381系登場当時の面影はあまり残っていませんが、それでも国鉄型車両の雰囲気は感じることはできました。
願わくば、伯備線をこの381系で乗り通すことができる旅程があればいいな、とも思ったりしますが、残り2年ほどの間、その機会に恵まれれればいいな、と思った次第です。
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【速報】381系「やくも」、国鉄色復刻へ - 鉄道プレス
▲「381系国鉄色リバイバル」を発表前に記事で取り上げられていました。予想がドンピシで当たっていて驚いた次第です。
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【JR西日本】特急「やくも」現行車両(381系)国鉄色化リバイバル編成運転 - kqtrain.net(京浜急行)
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