グループに阪急電鉄及び阪神電鉄を擁する「阪急阪神ホールディングス」では、この度2022年度から2025年度までを計画期間とする中期経営計画を策定しました。

「阪急阪神ホールディングスグループ 長期ビジョン−2040年に向けて−」 及び中期経営計画の策定について

この資料の中で、同グループでは「鉄道の有料座席サービスの導入」を「2024年度を目途」に取り組むことを明記しています。

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(上記発表資料(https://www.hankyu-hanshin.co.jp/docs/1dff42e33c1083a22efefa808d2e68dc652b926e.pdf)より引用、赤囲みは管理人による。)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



有料座席サービスについては、関西地区民鉄では従前より近鉄及び南海で実施されてきました。
しかし、利用者のニーズの多様化に伴い、関東地区でも導入例が増え、ここ関西でも京阪電鉄「プレミアムカー」、そして準大手の泉北高速鉄道でも「泉北ライナー」を導入しており、コロナ禍による利用者の減少はあれど、「追加料金を支払うことで座席が確保できる」安心感からでしょうか、一定の支持を得ている状況といえるでしょう。

そんな中、阪急阪神HDの阪急電鉄及び阪神電鉄では、これまで有料座席サービスの導入を行ってきませんでした。
特に阪急電鉄では、下記「関西人はなぜ阪急を別格だと思うのか」(交通新聞社新書・伊原薫著)でも記されているように、かつて阪急京都線の6300系導入時に特別料金を徴収する構想があったものの、「お客様に優劣をつけない」ポリシーから、この構想は立ち消えになった、という経緯があったようです。
(参考)


このように有料座席サービスから最も遠い存在であろうと考えられた阪急電鉄を擁する阪急阪神HDの経営計画から、「有料座席サービス」の導入が、しかも「2024年度を目途」という具体的な時期までも記されたというのは、本当に時代の変化を感じるほかない、という印象であります。

特に上述のとおり、「お客様に優劣をつけない」阪急電鉄が仮に、「追加料金の有無でお客様に優劣を付ける」サービスを導入するとなると、どのような意見が出てくるのか、従前から有料座席サービスが当然のように提供されている南海線・阪和線ユーザーとしては、ある意味楽しみなところはあります。



さてその「阪急電鉄HDの有料座席サービス」。
どの線区に導入されるのかが気になるところであります。

真っ先に思い浮かぶのは「京とれいん」でありましょうが、下記京都新聞によりますと、京とれいんの有料化には否定的な考えを、阪急電鉄社長は示しているとのことでした。
 大阪市内で記者会見した嶋田泰夫阪急電鉄社長は、京都線で運行中の観光特急「京とれいん」について「(普通運賃で乗車できる)京とれいんを有料にはしたくない」と否定的な考えを示した。

阪急電鉄が有料座席を導入方針 京都線が有力も時期未定 | 京都新聞より引用

(下記【阪急阪神】有料座席サービス、2024年を目処に導入へ - 鉄道プレス記事を参考にさせていただきました。)


それならば、他の列車あるいは線区での導入が考えられますが、現在阪急電鉄では基本的に8両編成、ラッシュ時には2両増結して10両編成、というのが本線系での運用になっている模様です。

その2両編成の増結編成を改造して有料座席サービスを提供する、という可能性も考えられますが、そもそも果たしてどの線区に導入するのか、等も含めて、今後の展開、発表が気になるところです。


また、阪急阪神HDの中期経営計画というわけですから、「阪神電鉄での有料座席サービス」の導入、というのも理論上はあり得る話です。
一方阪神電鉄では、阪神なんば線を介して近鉄と相互直通運転を行っているだけに、仮に有料座席サービスの導入となれば、近鉄側との調整が必要となってくることが考えられます。
そうなればやはり、阪急電鉄での導入が有力、と考えてもいいのかな、とも思います。


ともあれ、中期経営計画の上では、あと3年もすれば走り始める阪急電鉄または阪神電鉄の有料座席サービス。
どこに、どのような形で走り始めることになるのか、当ブログとしても引き続き注目していきたいと思います。




【関連ブログ】
【阪急阪神】有料座席サービス、2024年を目処に導入へ - 鉄道プレス

【阪急】2024年を目途に有料座席サービス導入を予定 | Stella Rail Side

阪急、2024年に有料座席サービスを導入へ: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」



【関連ニュースサイト】
阪急が有料座席サービスを2024年メドに導入へ。京都線が有力 | タビリス



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