和歌山県知事の仁坂吉伸(にさか よしのぶ)氏は、本日(6月15日)の県議会において、12月の任期満了に伴い実施される次期の知事選挙について、立候補しないことを表明しました。
4期16年の県政運営について(令和4年6月定例会一般質問)の知事答弁|知事からのメッセージ 令和4年6月15日 | 和歌山県
仁坂知事は、当時の入札談合事件により辞職した前知事の後任として2006年12月の知事選で初当選し、その後4期に渡り和歌山県知事として、和歌山の県政の最高責任者としての務めを果たしてきました。
近年では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、各都道府県で入院できる病床が不足するなか、同県では可能な限り全員入院の方針を貫くとともに、感染者の接触者に対し広くPCR検査を行うことで感染者の囲い込みを行う、いわゆる「和歌山方式」を採り続けることで、コロナ感染を抑え込んできたことで、全国的に知れ渡った知事の一人、ともいえるでしょう。
その仁坂知事ですが、本日の県議会において、谷洋一議員の質問に対して、上述のとおり次期の知事選挙には立候補しないことを表明しました。
とはいえ、知事任期はまだ半年ほど残っていますし、知事自身が述べるように「難問は山積」であります。
その「難問」の一つとして考えられるのが、輸送密度の低いローカル線、具体的にはJR紀勢線・白浜〜新宮間のあり方についてでありましょうか。
既にこのブログでもご紹介したように、JR西日本では輸送密度2,000人/日未満の線区については、大量輸送期間としての鉄道の特性が発揮できないと考え、現状と課題を地域の自治体と共有し、今よりも利用しやすい、最適な交通体系を模索・実現していきたい意向を示しています。
阪和線の沿線から : 【JR西日本】輸送密度2000人/日未満の線区を対象に収支状況の開示を発表。紀勢線・白浜〜新宮(輸送密度1085人/日)も対象に
そして、より具体的な議論に向けて、輸送密度2,000人/日未満の線区の経営状況に情報について、この4月に開示しています。
阪和線の沿線から : 【JR西日本】ローカル線に関する情報開示を実施。紀勢線・新宮〜白浜間の収支率は19.0%(コロナ禍前)
紀勢線・新宮〜白浜間については、輸送密度はコロナ禍前の2019年度で1,085人/日と、「鉄道の特性が発揮できない」水準の半分程度となっており、JR西日本単体での維持は困難であることから、地域も交えた、より良い交通体系のあり方についての検討が必要とされていました。
しかも、紀勢線に関しては、複数の市町にまたがる路線でもあること、また観光等広域の輸送に対応する手段でもあることから、県によるイニシアティブが欠かせないものと考えられます。
これから紀勢線のあり方について具体的な議論が進むものと考えられるこの時期に、現職知事の次期選挙不出馬というのは、こういった議論に少なからず影響を及ぼさないか、少し気がかりなところはあります。
紀勢線のあり方について、具体的な方針は次期選挙により選ばれた知事により方向性が定められるものと考えられます。
上述のとおり新型コロナウイルス感染症等の難問について様々な形で解決してきた仁坂吉伸が、この紀勢線の問題についてはどのような解決策を見いだすことができたのか。
残念ながらその結論を見届けることはできませんが、一方で新たに選ばれる知事が、この紀勢線のあり方について、どのような方針を示すのか、今後も引き続き当ブログとしては着目していきたいと思います。
▲当ブログで仁坂知事を取り上げたのは、2020年1月、「ニタマ電車」デザインお披露目の時でした。
阪和線の沿線から : わかやま電鉄「ニタマ電車」デザインお披露目(2020.1.5)
この和歌山電鐵についても、コロナ禍による利用者減少の影響を受けており、紀勢線同様、今後の存続について県としてどのように支援していくのか、というのも新たな知事にとって課題であるかと思われます。
↓↓鉄道系ブログ・ニュースポータルサイト「鉄道コム」はこちらをクリック↓↓
4期16年の県政運営について(令和4年6月定例会一般質問)の知事答弁|知事からのメッセージ 令和4年6月15日 | 和歌山県
私としては、このような状況下、特に真摯な続投のご要請の前に心から悩みました。そして悩み抜いた結果、ここに、次のような理由から、私の知事としての勤めは今任期限りとさせて頂きたいという希望を申し上げたいと思います。
その第一の理由は、多選はあまり好ましくないということです。
(略)
第二の理由は、県政界における次のリーダーを巡る対立であります。
(略)
さらに第三に、大変個人的な理由で申し上げにくいのですが、365日、24時間の知事のフルタイムの勤務を続けるのがつらい事情があります。
(略)
以上の理由で、私は12月に行われるであろう次の知事選挙に立候補せず、知事としての仕事はこの4期目の任期限りとしたいとの希望を表明させて頂きます。
仁坂知事は、当時の入札談合事件により辞職した前知事の後任として2006年12月の知事選で初当選し、その後4期に渡り和歌山県知事として、和歌山の県政の最高責任者としての務めを果たしてきました。
近年では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、各都道府県で入院できる病床が不足するなか、同県では可能な限り全員入院の方針を貫くとともに、感染者の接触者に対し広くPCR検査を行うことで感染者の囲い込みを行う、いわゆる「和歌山方式」を採り続けることで、コロナ感染を抑え込んできたことで、全国的に知れ渡った知事の一人、ともいえるでしょう。
その仁坂知事ですが、本日の県議会において、谷洋一議員の質問に対して、上述のとおり次期の知事選挙には立候補しないことを表明しました。
とはいえ、知事任期はまだ半年ほど残っていますし、知事自身が述べるように「難問は山積」であります。
その「難問」の一つとして考えられるのが、輸送密度の低いローカル線、具体的にはJR紀勢線・白浜〜新宮間のあり方についてでありましょうか。
既にこのブログでもご紹介したように、JR西日本では輸送密度2,000人/日未満の線区については、大量輸送期間としての鉄道の特性が発揮できないと考え、現状と課題を地域の自治体と共有し、今よりも利用しやすい、最適な交通体系を模索・実現していきたい意向を示しています。
阪和線の沿線から : 【JR西日本】輸送密度2000人/日未満の線区を対象に収支状況の開示を発表。紀勢線・白浜〜新宮(輸送密度1085人/日)も対象に
そして、より具体的な議論に向けて、輸送密度2,000人/日未満の線区の経営状況に情報について、この4月に開示しています。
阪和線の沿線から : 【JR西日本】ローカル線に関する情報開示を実施。紀勢線・新宮〜白浜間の収支率は19.0%(コロナ禍前)
紀勢線・新宮〜白浜間については、輸送密度はコロナ禍前の2019年度で1,085人/日と、「鉄道の特性が発揮できない」水準の半分程度となっており、JR西日本単体での維持は困難であることから、地域も交えた、より良い交通体系のあり方についての検討が必要とされていました。
しかも、紀勢線に関しては、複数の市町にまたがる路線でもあること、また観光等広域の輸送に対応する手段でもあることから、県によるイニシアティブが欠かせないものと考えられます。
これから紀勢線のあり方について具体的な議論が進むものと考えられるこの時期に、現職知事の次期選挙不出馬というのは、こういった議論に少なからず影響を及ぼさないか、少し気がかりなところはあります。
紀勢線のあり方について、具体的な方針は次期選挙により選ばれた知事により方向性が定められるものと考えられます。
上述のとおり新型コロナウイルス感染症等の難問について様々な形で解決してきた仁坂吉伸が、この紀勢線の問題についてはどのような解決策を見いだすことができたのか。
残念ながらその結論を見届けることはできませんが、一方で新たに選ばれる知事が、この紀勢線のあり方について、どのような方針を示すのか、今後も引き続き当ブログとしては着目していきたいと思います。
▲当ブログで仁坂知事を取り上げたのは、2020年1月、「ニタマ電車」デザインお披露目の時でした。
阪和線の沿線から : わかやま電鉄「ニタマ電車」デザインお披露目(2020.1.5)
この和歌山電鐵についても、コロナ禍による利用者減少の影響を受けており、紀勢線同様、今後の存続について県としてどのように支援していくのか、というのも新たな知事にとって課題であるかと思われます。
↓↓鉄道系ブログ・ニュースポータルサイト「鉄道コム」はこちらをクリック↓↓