JR四国では、利用者のスマートフォン(スマホ)からクレジットカード等を利用することにより、きっぷを購入できるチケットアプリ「しこくスマートえきちゃん」を導入することを発表しました。

併せて、上記アプリで1枚から購入できるチケットレス専用のトクトクきっぷ(自由席用)を新たに発売するとともに、一部のトクトクきっぷの発売終了及び価格改定を実施することも発表しています。

スマホできっぷが買える!列車に乗れる!新サービスの開始、「スマえき Sきっぷ」等の発売及び一部トクトクきっぷの見直しについて|JR四国

概要は以下のとおりです。

【アプリ名称】
しこくスマートえきちゃん

【サービス開始】
2022年10月頃

【利用対象エリア】
JR四国全線及び商品個別に指定した交通機関等

【動作環境】
スマートフォン専用アプリ
(Android及びiOS)

【チケットレス専用割引きっぷ】
いずれも1枚から購入できる片道型商品。チケットアプリ「しこくスマートえきちゃん」限定。
・「スマえき Sきっぷ(片道)」「スマえき くろしおSきっぷ(片道)」
高松〜今治、松山〜宇和島、高松〜徳島、高知・後免〜中村等に設定。
いずれも区間最安(期間限定、利用日・利用資格に制限のあるきっぷを除く)
「Sきっぷ(4枚回数券)」「Sきっぷ(10枚回数券)」「南予・松山10回数券」「くろしおSきっぷ10枚回数券」は販売終了。

<価格例>
高松〜今治:
スマえきSきっぷ・・・3,850円
Sきっぷ(往復)・・・片道当たり3,860円
(参考)自由席特急回数券・・・片道あたり4,185円

松山〜宇和島:
スマえきSきっぷ・・・2,720円
Sきっぷ(往復)・・・片道あたり2,940円
(参考・発売終了予定)Sきっぷ(4枚回数券)・・・片道あたり2,460円
(参考・発売終了予定)南予・松山10枚回数券・・・片道あたり1,780円

・「スマえき トク割きっぷ」
高松〜松山、高松〜高知・朝倉間、高知・朝倉間〜徳島に設定。
いずれも区間最安(期間限定、利用日・利用資格に制限のあるきっぷを除く)

<価格例>
高松〜松山:
スマえきトク割きっぷ・・・3,900円
トク割2枚回数券・・・片道あたり4,250円(改定前は3,870円)
(参考・発売終了予定)トク割4枚回数券・・・片道あたり3,360円

【アプリ概要】
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(上記発表資料(https://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2022%2008%2010%2001.pdf)より引用、以下同様)

【利用イメージ】
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詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



駅に出向くことなく、いつでもどこでも、手持ちのスマートフォンで乗車券類を購入でき、なおかつ窓口できっぷへ引き換え・購入することなく、手持ちのICカードやスマートフォンで乗車できる「チケットレスサービス」。

今後の労働力人口の減少による窓口業務の効率化はもとより、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に感染リスク低下の観点から非対面化を進める取り組みとして、各事業者で導入が進んでいる状況です。


ことJRグループに関しては、一部事業者でスマホ定期券といった実例(JR北海道等。こちらの過去記事参照。)はありますが、チケットレス化に関しては、「交通系ICカード」と「スマホ予約」がメインになっているように思えます。

一方、JR四国では、交通系ICカードが利用可能な線区が香川県内の一部線区に限られていること、また特急列車の短区間利用も多く自由席の比率が高いことから、上述の「交通系ICカード」「スマホ予約」の組み合わせによるチケットレス化が進めにくい事情もあると感じています。

そんな中、今回JR四国が発表したのは、利用者のスマホを利用して各種きっぷを導入できる仕組みであります。
名付けて「しこくスマートえきちゃん」。
JR四国のキャラクター「スマイルえきちゃん」がアイコンのアプリであります。

「しこくスマートえきちゃん」は、今年10月頃サービス開始で、当初は特急列車自由席利用・片道タイプの特別企画乗車券がメインとなりますが、来年春以降は、乗車券、定期券、自由席特急券、様々なタイプの特別企画乗車券を取り扱うこととしています。
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▲「しこくスマートえきちゃん」取扱予定商品
(上記発表資料(https://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2022%2008%2010%2001.pdf)より引用)

特急券等に限らず、短区間利用の乗車券からスマホアプリで購入する方針を打ち出していることを考えると、今後JR四国としては、乗車券のチケットレス化については、スマホアプリ主体としていくのかな、とも感じたりしました。

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▲多度津駅に停車中の特急「南風」2700系と7000系。
特急列車自由席に限らず、今後普通乗車券であってもスマホアプリでの取扱いを予定しています。

一方、今回「しこくスマートえきちゃん」で取り扱うこととなる「スマえきSきっぷ」等の商品をみますと、アプリ限定商品が区間最安値(利用条件等のある商品を除く)となっていますが、アプリ導入と同時に4枚・10枚の回数券タイプ商品は発売を終了することとなっています。

これらの回数券タイプの商品は、元より割引率が非常に高い「南予・松山10枚回数券」も含まれており、結構な値上げ、とも感じたりしました。

一方で、元より経営状況の厳しいJR四国で、このコロナ禍により更に収益が厳しくなっている現状、また回数券がバラ売りされていることにより機会損失なども考えると、片道から利用できるスマホ限定の割引きっぷに整理していこう、という考え方も、これまた理解できるところはあります。


上述のとおり、JR四国では特別企画乗車券に限らず、将来的には多くの種類のきっぷをこの「しこくスマートえきちゃん」アプリで取り扱うこと方針を発表しています。
今後、その取扱がどのように拡大し、既存の紙きっぷがどのように整理されていくのか、引き続きご紹介していきたいと思います。




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