小田急電鉄(小田急)では、特急ロマンスカーの特別急行料金(特急料金)について、2022年10月1日(土)から改定することを発表しました。

10月1日、特別急行料金を改定します|小田急電鉄

概要は以下のとおりです。

【実施日】
2022年10月1日(土)

【改定前後の特急料金比較】
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(上記発表資料(https://www.odakyu.jp/news/d9gsqg0000000v38-att/d9gsqg0000000v3f.pdf)より引用)

【チケットレス特急料金】
以下のオンラインサービスで電子特急券を購入の際、低廉な「チケットレス特急料金」を新たに導入。
・EMot(MaaSアプリ)
・EMotオンラインチケット(スマートフォン専用サイト)
・e-Romancecar
・ロマンスカー@クラブ

【その他】
・特急券を購入せずにロマンスカーに乗車した場合の「車内特急料金」についても、規定額を310円から350円に変更。


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



小田急のロマンスカーは、箱根方面への観光利用は元より、都心への通勤・通学等における有料着席サービスとしても利用が多く、現在、70000形「GSE」、60000形「MSE」、30000形「EXEα」「EXE」の各車種が運用に就いています。

このロマンスカー特急料金ですが、現在310円(1〜17km)からで利用できるようになっていて、沿線の利用者にとっても気軽に利用できる金額設定になっているとも思えます。

一方で、他社ではロマンスカーよりも簡便な座席を使用した有料着席サービスの列車が、距離によってはロマンスカーよりも高い料金で提供されている事例も増えており、このロマンスカーの特急料金が、ちょっと割安な気もしないでもありませんでした。


今回、平均改定率約22%という値上げを行うロマンスカー特急料金ですが、よく見ますと、50円引きとなるチケットレス特急料金が新たに設定されており、チケットレス利用者の場合、値上げ幅がそれなりに圧縮されており、1〜17kmの距離帯を除けば、値上げ幅は100円未満となっていることが分かります。

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(再掲)改定前後のロマンスカー特急料金。
チケットレス特急料金の場合、値上げ幅が抑えられていることが分かります。


「ハイグレードな特急専用車両による全席指定制の快適な移動サービス等を維持するため」に値上げに踏み切る一方、オンラインサービス利用者に対しては料金で優遇し、移行を促しながら収益性の確保を目指していることが分かります。

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▲本厚木駅に停車中の小田急ロマンスカー「EXEα」。
ここ本厚木から新宿までロマンスカーを利用した場合、特急料金は現在570円ですが、改定後はこれが650円となります(80円値上げ)。
但し、チケットレス利用の場合、600円となるため、30円の値上げに抑えられています。


チケットレスサービスの場合、料金ではなくポイントを付与することで、実質的な値下げを行っている事業者が多い中、小田急では「ポイント」ではなく「料金」自体に差を付けた、というのが特筆でありましょうか。

コロナ禍で混雑が緩和されたとはいえ、引き続き着席需要は少なくないと考えられる小田急沿線。
今回の料金改定で、より良いロマンスカーのサービスが維持されることを願いたいな、と感じたニュースでありました。




【関連ブログ】

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