泉北高速鉄道では、和泉中央〜難波間で特急「泉北ライナー」を運行しています。
これまでは、泉北高速鉄道12000系車両と、南海電鉄11000系車両がメインに使用されてきましたが、この11月1日より、通常は南海電鉄の特急「ラピート」に使用されている50000系車両が使用されるされることとなりました。


日頃は難波〜関西空港間の特急「ラピート」として運行している車両が、これまた「泉北ライナー」として運行されるようになった経緯については、上記記事でも触れていますが、南海高野線の特急「こうや」「りんかん」として運行されている30000系車両のうち1編成が使用不能となっており、「りんかん」に11000系車両を充当するために、南海線・空港線で運行している50000系車両を「泉北ライナー」に充当するため、といえます。

いわば、アクシデント的に運行されるようになった「ラピート」車両による「泉北ライナー」。
運行2日目となる本日(11月2日)、50000系が充当される朝の1往復に乗車して、その様子を見てきましたので、ご紹介したいと思います。



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▲和泉中央駅の発車案内。
これまで「泉北ライナー」は4両編成のみでしたが、50000系「ラピート」型が充当されることから、新たに6両編成の「泉北ライナー」が走り出すことになりました。
和泉中央駅の発車案内は、6両に対応済みとなっていました。

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▲「泉北ライナー」ラピート型車両乗車位置
今回ラピート型50000系が充当されることにより、「泉北ライナー」の乗車位置も新たに表示されました。
上記画像の青色は「ラピート型」の乗車位置となっていました。

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▲一方、泉北12000系で運行される「泉北ライナー」の乗車位置はこのように黄色となっていました。

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▲和泉中央駅構内に掲出されている「ラピート」車両による「泉北ライナー」運行案内。
既に案内されているとおり、通常特別料金が必要な「スーパーシート」も、特急料金のみで利用可能となっています。


和泉中央駅での案内を確認し、栂・美木多駅に先回りして、到着する50000系「泉北ライナー」を撮影します。
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▲栂・美木多駅に入線する「ラピート型」50000系「泉北ライナー」64号。
高規格道路に挟まれた線路を走り、栂・美木多駅に向かって登ってくる様子を撮影してみました。
当ブログでもこの場所での撮影記録は何度かご紹介していますが、まさかここで50000系「泉北ライナー」を撮影する日がやってくるとは思いもしませんでした。

栂・美木多駅から「泉北ライナー」64号に乗車します。
窓側の指定された席に座ると、ほどなく泉ケ丘です。
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▲「ラピート」型50000系の特徴である「丸窓」から眺める泉ケ丘駅前の高層団地。
団地が建ち並ぶニュータウンを「ラピート」が駆け抜ける日常がやってくるとは、誰が想像し得たでしょうか。
「泉ケ丘駅にやってきた『ラピート』」というテーマで記録してみました。

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▲泉ケ丘駅発車後の車内の様子です。
この「泉北ライナー64号」(和泉中央7:31発→難波8:08着)は、最も混雑する時間帯であることから、従前より人気が高く、コロナ禍前は頻繁に「満席」となっていた模様です。

コロナ禍を経て通常の生活が戻りつつある中、この日の「泉北ライナー64号」は「満席」との車掌からの案内がありました。


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▲約30分かけて、難波駅に到着しました。
このように、多くの乗客が降りていきました。

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▲折返し「泉北ライナー63号」として発車待ちをする50000系車両。

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▲気になる「種別」「行先表示」の表示ですが、ともに特急のみの表示でした。
今回の「ラピート型」50000系車両による代走は、あくまで一時的なものとして考えているのかも知れません。
その代わり、南海11000系にも貼り付けられていた「泉北ライナー」のステッカーが、50000系にも貼られていました。

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▲高野線の特急列車発車ホームには、列車名ごとに乗車位置を案内する電光掲示板が設置されています。
しかしこの掲示板は「ラピート型」50000系には非対応のようで、このように無表示となっていました。

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▲4番線に停車中の「泉北ライナー」和泉中央行き。
よく見ると、両数案内が「4両」のままとなっていることが分かります。
泉北高速鉄道とは違い、南海側では両数の修正は行っていない模様です。

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▲「泉北ライナー」50000系乗車位置。
南海難波駅では、このように「ラピート型」をかたどったサインで号車番号を案内しています。

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▲車内案内表示。
上述の「種別・行先表示」と同様、50000系による代走は一時的なものという判断か、車内案内表示もrapi:t表示のままでした。

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▲帰りの和泉中央行きは、6号車「スーパーシート」に乗車してみます。
上述のとおり、「スーパーシート」も通常の特急料金で利用可能で、いわば「乗り得」な座席となっています。
往路に乗車した64号では、日常的に利用される乗客も多いからか、乗車前日には既に5・6号車の多くの座席が埋まっている状態でした。

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▲座席テーブルの車内案内も、「和泉中央方面」がシールで追加されていました。
(赤枠部分)

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▲天下茶屋に停車中の「泉北ライナー」63号。
この日は天下茶屋駅で信号故障があった影響で、16分遅れでの運行となりました。

「泉北ライナー」では、中百舌鳥〜深井間で「中百舌鳥トンネル」を通過します。
一方、通常の「ラピート」運用(難波〜関西空港)では、トンネルを通過する区間がありません
そのため、通常は見られない「トンネルを通過する50000系ラピート型車両」の車内の様子を動画で撮影してみました。


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▲結局、16分遅れのまま、和泉中央駅に到着しました。

到着後の車両周りの様子を記録してみます。
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▲「泉北ライナー」乗車口ステッカー

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▲5・6号車「スーパーシート」の案内も交えて記録してみます。

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▲上記でご紹介した「青色」の「泉北ライナー」乗車位置に停車中の様子です。




以上が、南海50000系「ラピート」車両による特急「泉北ライナー」の乗車記でした。
小原田車庫の構内で発生した事故による「深刻な車両不足」が故に実現することとなった、「『ラピート』による『泉北ライナー』」
特に今回乗車した64号は、人気が高い時間帯でもあることから、輸送力を大きく減らす訳にはいかないことや、その他の車両事情も相まってか、このような「ラピート」が泉北線内を走る、という光景が見られることとなりました。

泉北ニュータウンに関西空港へ向かう特急用車両がやってくるとは、10年前には想像すらできるはずもありませんでした。
これも泉北高速鉄道が南海電鉄グループ化となったことから実現し得た、というのはあながち間違いではないと思われます。

一方、運行開始から28年となる「ラピート」ですが、まだまだその人気は衰えることは知らず、この日の「泉北ライナー」運用でも、決して少なくない一般利用者がその姿をカメラに収めていました。

なお、明日・3日は土休日ダイヤとなるため、朝の50000系「泉北ライナー」は2往復運行されます。
(和泉中央7:43発・9:43発、難波8:25発・10:25発)
乗車チャンスも増えますので、気になる方は是非、乗車・撮影してみてはいかがでしょうか。



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