「宅急便」サービスを提供するヤマトホールディングスと日本航空(JAL)では、2024年4月に貨物専用機(フレイター)を導入することを、今年1月に発表しています。


今回、このフレイターの運航路線及び運航便数が決定したことが両社より発表がありました。

2024年4月から運航を開始する貨物専用機の運航路線・運航便数を決定 | ヤマトホールディングス株式会社
2024 年 4 月から運航を開始する貨物専用機の運航路線・運航便数を決定 |プレスリリース|JAL企業サイト

概要は以下のとおりです。

【運航路線・便数】
以下の4路線で合計21便/日を計画。
・東京(成田/羽田)〜北九州
・東京(成田/羽田)〜札幌(新千歳)
・東京(成田)〜沖縄(那覇)
・沖縄(那覇)−北九州

【運行会社】
運航会社をJAL連結子会社であるスプリング・ジャパン株式会社に変更

【イメージ】
kuroneko_jet
(上記発表資料(https://www.yamato-hd.co.jp/news/2022/newsrelease_20221122_1.html)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



冒頭の過去ブログ記事でご紹介したように、ヤマトホールディングスでは、安定的な輸送力確保やサービス品質の維持・向上等を図るため、同社でフレイターを導入することとし、運航はJALグループが担うこととしています。

およそ2年先となる2024年4月に運航開始するこの「クロネコジェット」ですが、今回、就航路線と便数が発表されています。
まず就航については、既に発表されている運航地点(羽田・成田・新千歳・北九州・那覇)の各空港を結ぶ路線で、羽田・成田・北九州にハブ機能を設ける路線展開になりそうです。

また便数は、1日21便を計画しており、これを3機のA321ceo P2F型機で担うこととしています。
単純計算で1機あたり7便の運航で、これまた旅客機とそこまで大きな差がない稼働率で、意外と便数が多いという印象を持ちました。


一方、今回の発表で大きな変更として発表されたのが、「運航会社」でありました。
当初の計画では、JALグループの中でLCC(格安航空会社)の分野を担う「ジェットスター・ジャパン」が行う予定としていましたが、今回の発表では、JALの子会社で、日本から中国への国際線を主に運航する「スプリング・ジャパン」の運航に変更する、というものでありました。

この変更の理由については、上記発表資料では「外部環境を踏まえた上で経営資源配分の最適化を図り」と軽く触れているだけですが、下記「乗りものニュース」でその理由について詳しく取材していますので、ご紹介します。
2024年就航“ヤマトの貨物機”なぜ「違う機種しか持っていない会社で運航」に変更? JAL異例の方針転換のワケ | 乗りものニュース-
運航会社がスプリング・ジャパンへ変更された背景を、JALの担当者は「新型コロナウイルス感染拡大による中国の『ゼロコロナ対策』などの厳格な検疫体制が敷かれ、中国からのインバウンドのお客様が伸び悩んでいる現状を見るに、今後新たな疫病が出た際などに、スプリング・ジャパンが旅客便事業一本足では立ち行かなくなる可能性もあります。そこで、新たな事業の柱を持つことが重要であると判断しました」と話します。

-上記「乗りものニュース」より引用、下線は管理人による-


即ち、現状ではイベントリスクに対して脆弱な事業展開となっているスプリング・ジャパンの事業構造をより安定的なものとするために、この「クロネコ・ジェット」の運航を担わせる、という理由と考えられます。
そうすると、発表資料にある「経営資源配分の最適化」の意味も理解できるのかな、とも感じました。



ともあれ、空を飛ぶ「クロネコ」が見られるのも、少しずつ近づいてきました。
残念ながら私の地元・関西空港への就航はありませんが、羽田や成田、北九州の各空港に立ち寄る際に、このほっこりさせつつも、日本の物流を担う「クロネコ・ジェット」の姿を是非見ることができればいいな、と感じたニュースでありました。



【関連ニュースサイト】
2024年就航“ヤマトの貨物機”なぜ「違う機種しか持っていない会社で運航」に変更? JAL異例の方針転換のワケ | 乗りものニュース
(再掲)



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