このブログ「阪和線の沿線から」名称の由来となっているJR阪和線。
歴史を遡ると、阪和電気鉄道という会社が建設・開業した路線であることは、このブログをご覧になっている方にとってはご存じのところかと思われます。

その阪和電気鉄道、阪和間45分の「超特急」が有名ですが、その「阪和間45分」など高速な旅客列車の運転を支えるために、同線を走る貨物列車についても、旅客列車の邪魔にならないような高性能の電気機関車を導入していました。

その阪和電気鉄道が導入していた電気機関車の一つが「ロコ1000形」という電気機関車でした。
このロコ1000形、当初の目的どおり、阪和間を高速で走る電車の合間を縫って貨物列車の牽引に活躍しました。
そしてその性能と阪和電気鉄道線の路線環境にマッチした設計が故に、その後南海、国鉄と運営主体が変わった後も、引き続き阪和線の機関車として活躍したそうです。

国有化後に付けられた形式は「ED38」とのことで、長らく阪和線で活躍した後、埼玉県の秩父鉄道に譲渡され、その後も割と長く活躍していましたものの、その後の後継車両が導入されたことを契機に廃車されました。


その後、ED38形のうち1両が秩父鉄道の三峰口駅構内の「鉄道車両公園」に保存されていましたが、これも2019年に公園リニューアルのため解体されました。



このように、思い出したかのように阪和電鉄の電気機関車に触れたのは、下記の鉄道コム記事を見つけたのがきっかけでした。
阪和線を建設したのは私鉄だった 伝説的なスピード狂「阪和電気鉄道」 - 鉄道コム

記事を読んでみると、掲載されている画像の「ED38形」が、つい最近まで三峰口駅で保存されていたとのことでした。
「もしかしたら撮影しているのではないか」と過去の画像を調べてみたら、やはり撮影していましたので、ここでご紹介しておきます。
CIMG1394_R
▲秩父鉄道(←国鉄)ED38形電気機関車(←阪和電気鉄道ロコ1000形電気機関車)
現在は公園のリニューアルに伴い、解体されて現存していません。


この時は、このED38形が、かつての阪和電気鉄道の電気機関車とは思うことなく、単に記録を取っておこうという意味で撮影していましたが、まさか貴重な記録になるとは思ってもみませんでした。

やはり撮るべきものは「記録」ですので、今年も出かけた先では可能な限り車両や駅などの様子を撮影しておこうと思います。
何気なく撮った一枚が、後々貴重な資料になることも多々ありますからね…



なお、上述の「鉄道コム」記事では、阪和電気鉄道の歴史があまりにもあっさりしすぎているので、阪和電気鉄道の伝説的な歴史が、これだけでは分かりません。

下記ブログ記事で、その「阪和電気鉄道」の歴史が詳しくも分かりやすく述べられていますので、是非ご訪問いただければと思います。


(参考)
秩父鉄道 ED381 号  電気機関車 ED38|産業技術史資料データベース
『鉄道車両公園』のリニューアルについて | 秩父鉄道



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