三菱重工は、同社グループの「三菱航空機」が開発を進めていたジェット旅客機「スペースジェット」(旧称「MRJ」)について、開発中止を決定したことを、本日発表した2022年度第3四半期決算において発表しました。
三菱重工 | 2022年度 第3四半期決算概要
概要は以下のとおりです。
詳細は、上記発表資料をご覧下さい。
開発当初はMRJ(三菱リージョナルジェット)とも称された、この「スペースジェット」。
「リージョナルジェット」という座席数100席程度の地域間を結ぶ航空機の市場では、カナダの「ボンバルディアCRJ」やブラジルの「エンブラエルERJ」が代表格で、日本国内でもJ-AIRやアイベックスエアラインズで導入されています。
一方で、このリージョナルジェットが有望な市場と見込み、YS-11以来の国産旅客機として開発が始まったのが、このスペースジェット、かつてのMRJでありました。
当初の予定では2021年の就航を目指していて、国内でもANAやJALも発注していましたが、度重なる納入延期と新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年には開発の大幅な縮小を行いましたが、その後も環境が好転することはなく、本日「開発中止」が発表されました。
試験機の中には、ローンチカスタマー(初期発注者)であるANAの機体カラーである「トリトンブルー」が施された機体もあり、このカラーのこの機種が、もう暫くすれば日本の空を縦横無尽に飛ぶ日がやってくるのか、と思ったものですが、そんな日はついぞ実現しないまま、となってしまいました。
現在もリージョナルジェットが多数発着する伊丹空港などに、青色ベースと赤色ベースのスペースジェットが多数駐機する姿も、夢の話で終わることとなってしまいました。
勿論、開発中止に至る理由を批判することはできますが、それはあくまで結果論でありましょう。
大事なのは、このスペースジェット開発の過程で得られた知見・教訓を今後の航空産業で活かすことができるかどうか、でしょうか。
「国産旅客機」としての成果は潰えましたが、同じ三菱重工が手がけるリージョナルジェットのCRJ事業やFX(次期戦闘機)へ、その努力の成果が報われることを願いたいニュースであります。
【関連ニュースサイト】
●「三菱スペース・ジェット」開発終了を正式発表 「事業性を見出せず」…開発失敗の要因は? | 乗りものニュース
●三菱、スペースジェットの開発中止を正式発表 - トラベル Watch
●三菱重工、スペースジェット開発中止を正式発表 泉澤社長「機体納入できず申し訳ない」
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三菱重工 | 2022年度 第3四半期決算概要
概要は以下のとおりです。
【中止の理由】
以下の観点から開発再開に足る事業性を見いだせなかったため。
・技術・・・技術 開発長期化により一部見直しが必要。また脱炭素対応等も必要
・製品・・・海外パートナーより必要な協力の確保が困難と判断
・顧客・・・北米でスコープクローズ(労使協定による機体サイズ等の制限)の緩和が進まず、市場に適合しない。また足下でのパイロット不足の影響もあり、リージョナルジェット市場規模が不透明
・資金・・・型式証明の取得にさらに巨額の資金を要し、上記市場環境では事業性が見通せない
【今後の取り組み】
・CRJ事業での完成機事業への取組み
・海外OEMとのパートナーシップの深化
・完成機を見据えた次世代技術の検討
・FX(次期戦闘機)への知見の活用
・愛知県にある施設・設備の活用
【同社説明資料】
(同社発表資料(https://www.mhi.com/jp/finance/library/result/pdf/fy20223q/presentation.pdf)より引用)
詳細は、上記発表資料をご覧下さい。
▲三菱スペースジェット
(三菱重工Webサイト(https://www.mhi.com/jp/products/air/spacejet.html)より引用)
開発当初はMRJ(三菱リージョナルジェット)とも称された、この「スペースジェット」。
「リージョナルジェット」という座席数100席程度の地域間を結ぶ航空機の市場では、カナダの「ボンバルディアCRJ」やブラジルの「エンブラエルERJ」が代表格で、日本国内でもJ-AIRやアイベックスエアラインズで導入されています。
一方で、このリージョナルジェットが有望な市場と見込み、YS-11以来の国産旅客機として開発が始まったのが、このスペースジェット、かつてのMRJでありました。
当初の予定では2021年の就航を目指していて、国内でもANAやJALも発注していましたが、度重なる納入延期と新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年には開発の大幅な縮小を行いましたが、その後も環境が好転することはなく、本日「開発中止」が発表されました。
試験機の中には、ローンチカスタマー(初期発注者)であるANAの機体カラーである「トリトンブルー」が施された機体もあり、このカラーのこの機種が、もう暫くすれば日本の空を縦横無尽に飛ぶ日がやってくるのか、と思ったものですが、そんな日はついぞ実現しないまま、となってしまいました。
現在もリージョナルジェットが多数発着する伊丹空港などに、青色ベースと赤色ベースのスペースジェットが多数駐機する姿も、夢の話で終わることとなってしまいました。
勿論、開発中止に至る理由を批判することはできますが、それはあくまで結果論でありましょう。
大事なのは、このスペースジェット開発の過程で得られた知見・教訓を今後の航空産業で活かすことができるかどうか、でしょうか。
「国産旅客機」としての成果は潰えましたが、同じ三菱重工が手がけるリージョナルジェットのCRJ事業やFX(次期戦闘機)へ、その努力の成果が報われることを願いたいニュースであります。
【関連ニュースサイト】
●「三菱スペース・ジェット」開発終了を正式発表 「事業性を見出せず」…開発失敗の要因は? | 乗りものニュース
●三菱、スペースジェットの開発中止を正式発表 - トラベル Watch
●三菱重工、スペースジェット開発中止を正式発表 泉澤社長「機体納入できず申し訳ない」
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