JR西日本は、各携帯電話サービス提供事業車と共同で、湖西線、山陰本線及び阪和線のトンネル区間において、携帯電話通信サービスの整備が完了し、順次サービスを開始したことを発表しました。

トンネル区間における携帯電話通信サービス開始のお知らせ 湖西線 マキノ−近江塩津駅間、山陰本線 嵯峨嵐山−馬堀駅間、阪和線 山中渓−紀伊駅間:JR西日本

概要は以下のとおりです。

【新たな通信サービスの開始日時及びエリア】
●湖西線:
区間・・・マキノ〜近江塩津間
開始日時・・・2023年3月16日(木)始発よりサービス開始済み

●山陰本線:
区間・・・嵯峨嵐山〜馬堀間
開始日時・・・2023年3月16日(木)始発よりサービス開始済み

●阪和線:
区間・・・山中渓〜紀伊間
開始日時・・・2023年3月16日(木)始発よりサービス開始済み(KDDI、ソフトバンク)、2023年5月下旬予定(NTTドコモ)

【エリアイメージ】
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(同社発表資料(https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230320_00_press_keitai.pdf)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



かつて、まだ音声通話しかできなかった時代には、地下鉄やトンネル区間では「圏外」が当たり前となっていた携帯電話。
スマートフォンの普及も相まって、そういった不感地域の解消が課題となり、新幹線などではトンネル区間での携帯電話サービス開始が順次拡大してきました。

同様の動きは在来線でも着実に取り組みが進んできて、近畿圏で言えば、京都〜大津間などの区間で既に携帯電話のサービスが利用できるようになっています。

こういったトンネル区間での不感地域の解消は、運行障害時の連絡にも重宝することから、特にそれなりの利用者が通過する区間では、その解消が引き続き課題となってきました。

そんな区間の一つが、阪和線の山中渓〜紀伊間、といって差し支えないでしょう。

この区間では、特急「くろしお」や紀州路快速、快速といった列車が1時間に日中は5往復程度通過する上に、区間内のトンネル「雄ノ山トンネル」も比較的長いトンネルで、ここを含む区間は山間部であることから、携帯電話の電波が届かない状態が続いてきました。

加えて、この区間では、「イノシシ等の小動物との衝突」「雨や雪による竹木の線路支障」と、自然事象に起因する運行障害が発生する区間でもあります。
そのため、現場と指令所の連絡は勿論、乗客の通信手段としても、携帯電話の不感エリアの解消は、多くの利用者から望まれてきたのは相違ないでしょう。

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▲阪和線・山中渓駅。
大阪府阪南市の駅で、次の紀伊駅から和歌山県となります。
和泉山脈をトンネルで越えることから、これまで携帯電話のエリア外の区間も存在していました。


勿論私自身も、この山中渓〜紀伊間での携帯電話不感地域の解消は、ずっと待ち望んできました。
単に「Twitterのタイムラインが途切れる」等の趣味的な話だけでなく、竹や動物に接触し、山間部で停車した際、自宅や職場へ迅速に連絡する手段が無かったことから、もどかしい思いをしたことも、数回程度では済みませんでした。


「阪和線の沿線から」とうブログを名乗っている以上、この区間とは切っても切り離せない生活を送ってきている人間からすれば、一刻も早くこの区間の不感地域が解消されないか、今か今かと待ち続けてきました。


そんな中、本日、ようやく、やっとといいましょうか、山中渓〜紀伊間での携帯電話サービス開始の報に接することができ、感無量というのが第一の感想でありました。

折しも、去る3月18日(土)には大阪駅うめきたエリア地下ホームが開業し、特急「くろしお」全列車が大阪駅に停車するようになりました。


そんな節目の日に前後して、阪和線全線で携帯電話での通信可能となったことから、これら二つのニュースを合わせて、新しい阪和線の時代へ進行開始、と捉えるのは、決して大げさではないかも知れません。


ともあれ、個人的には現在通勤に阪和線は使用していないものの、今回の整備で今後和歌山市内等に転勤になった際、雄ノ山トンネル区間で「圏外」となることから解放されるのは、非常に嬉しいと感じ、そのメリットを早く体験したいな、とも感じたニュースであります。



【関連ニュースサイト】
湖西線・山陰本線・阪和線トンネル区間で携帯電話通信サービス開始 | マイナビニュース




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