去る4月9日に執行された奈良県知事選挙で現職の荒井正吾氏などを破って当選した山下真氏は、5月8日(月)の就任日の知事記者会見において、予算を執行するか否かを最終的に決定するための査定を行うこととし、査定対象事業の一部については、予算の執行停止を指示したことを発表しました。
知事記者会見/奈良県公式ホームページ
知事記者会見によりますと、予算の執行停止を指示したのは21事業ですが、その中で公共交通に関係するものとしては、以下の2事業が対象となりました。
また、「(47)JR新駅の設置と鉄道高架化」については、「事業全般に対するヒアリングを実施するもの(予算執行の一旦停止の対象事業もあれば、そうでないものもある)」に分類されました。
このうち、「大和西大寺駅の高架化・近鉄奈良線の移設」については、当ブログでも下記記事でご紹介しましたが、事業完了予定が2060年度と相当先(約40年先)が予定されています。
そのため、このブログはおろか、私自身もこの世に残っているのどうかも怪しいくらいの将来的な話である一方、大和西大寺駅付近の高架化は付近の道路事情を考えると何らかの対策は必要であることから、時間はかかるものの着実に実施していくことになるのかな、という程度で思っていました。
(参考)
●阪和線の沿線から : 【奈良県】近鉄奈良線の踏切道改良計画を発表。平城宮跡を走る近鉄奈良線は2060年度に移設予定
しかし先の奈良県知事選挙で、現職の荒井正吾氏だけでなく、他の与党支援候補も破って当選したのが、日本維新の会公認の山下真氏でありました。
山下氏は、前知事の荒井氏が掲げた大型事業の見直しを公約に訴えていましたが、同氏が当選したことから、今回このような予算の一時執行停止を行ったとのことです。
これだけ見ると「高架化事業をストップ」という印象ですが、その後の記者との質疑応答を見ますと、完全な事業取り止めではなさそうに考えます。
そもそも、大和西大寺駅周辺の踏切が「開かずの踏切」として国土交通省から指定されていることを考えると、この問題について全く手を付けないことは考えにくいと思われますが、この点についての、山下知事の考え方について、質疑応答の中でも示されていましたので、ご紹介します。
このように、当事業に関しては事業の執行停止を知事は指示していますが、事業より効率的な方法を検討していくこと、即ち、上記質疑応答にあるように、大和西大寺駅及び同駅以西の高架化は実施するものの、同駅以西の地下化及び新駅設置は取り止めることとし、それに基づく全体計画を再検討する、というものになるのではないか、と思われます。
査定は6月上旬までに終えることとしていますが、その結果と計画の見直しがどのようになるのかは、改めてご紹介できればと思いますが、まさかこういう形で「平城宮跡を走る近鉄電車」が残ることになりそうなのは、選挙の結果という有権者の判断が故の見直しとはいえ、興味深くもある実例だな、と感じたニュースでありました。
【関連ニュースサイト】
●「近鉄奈良線移設」「関空方面鉄道」新任の奈良県知事が事業見直し | マイナビニュース
↑今回ご紹介した「近鉄奈良線移設」だけでなく、「JR新駅」「関空接続線」についても詳しく分析されていますので、併せてお読みいただければ理解が進むと思われます。
【関連ブログ】
●近鉄奈良線の移設、凍結か?: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」
↓↓鉄道系ブログ・ニュースポータルサイト「鉄道コム」はこちらをクリック↓↓
知事記者会見/奈良県公式ホームページ
知事記者会見によりますと、予算の執行停止を指示したのは21事業ですが、その中で公共交通に関係するものとしては、以下の2事業が対象となりました。
(46)大和西大寺駅の高架化・近鉄奈良線の移設
(48)リニア中央新幹線「奈良市附近駅」の早期確定と関西国際空港接続線
これら2事業が執行停止となりました。
(奈良県Webサイト(https://www.pref.nara.jp/secure/293997/yosannsikkou.pdf)より引用)
また、「(47)JR新駅の設置と鉄道高架化」については、「事業全般に対するヒアリングを実施するもの(予算執行の一旦停止の対象事業もあれば、そうでないものもある)」に分類されました。
(47)JR新駅の設置と鉄道高架化
▲「JR新駅の設置と鉄道高架化」事業については、事業全般に対するヒアリングを実施することとなりました。
(奈良県Webサイト(https://www.pref.nara.jp/secure/293997/yosannsikkou.pdf)より引用)
このうち、「大和西大寺駅の高架化・近鉄奈良線の移設」については、当ブログでも下記記事でご紹介しましたが、事業完了予定が2060年度と相当先(約40年先)が予定されています。
そのため、このブログはおろか、私自身もこの世に残っているのどうかも怪しいくらいの将来的な話である一方、大和西大寺駅付近の高架化は付近の道路事情を考えると何らかの対策は必要であることから、時間はかかるものの着実に実施していくことになるのかな、という程度で思っていました。
(参考)
●阪和線の沿線から : 【奈良県】近鉄奈良線の踏切道改良計画を発表。平城宮跡を走る近鉄奈良線は2060年度に移設予定
しかし先の奈良県知事選挙で、現職の荒井正吾氏だけでなく、他の与党支援候補も破って当選したのが、日本維新の会公認の山下真氏でありました。
山下氏は、前知事の荒井氏が掲げた大型事業の見直しを公約に訴えていましたが、同氏が当選したことから、今回このような予算の一時執行停止を行ったとのことです。
これだけ見ると「高架化事業をストップ」という印象ですが、その後の記者との質疑応答を見ますと、完全な事業取り止めではなさそうに考えます。
そもそも、大和西大寺駅周辺の踏切が「開かずの踏切」として国土交通省から指定されていることを考えると、この問題について全く手を付けないことは考えにくいと思われますが、この点についての、山下知事の考え方について、質疑応答の中でも示されていましたので、ご紹介します。
記者:
もう1点、46番の大和西大寺駅の高架と平城宮跡を走っている近鉄奈良線の移設に関してですが、これに関しては、国土交通省のほうから踏切の改善の話もちょっと関連してくるのかなと思いますが、ここについてはどのような見直しをお考えですか。
知事:
高架化は私もやったほうがいいと思っています。西大寺までを高架化して、西大寺とあやめ池の間の踏切を解消するということは必要だと思っていますが、西大寺から以東について、大宮通りの地下を走らすという計画は、あまり意味がないだろうと思っていますので、高架化はするけど、そのまま下げていって、今の平城宮跡の中のルートを通ると、そういう案をベースに、今後、近鉄や国土交通省と協議をしていきたいと、そういうふうに思っています。
令和5年5月8日(月曜日)山下知事就任記者会見2/奈良県公式ホームページより引用 、太字下線は管理人による。
このように、当事業に関しては事業の執行停止を知事は指示していますが、事業より効率的な方法を検討していくこと、即ち、上記質疑応答にあるように、大和西大寺駅及び同駅以西の高架化は実施するものの、同駅以西の地下化及び新駅設置は取り止めることとし、それに基づく全体計画を再検討する、というものになるのではないか、と思われます。
査定は6月上旬までに終えることとしていますが、その結果と計画の見直しがどのようになるのかは、改めてご紹介できればと思いますが、まさかこういう形で「平城宮跡を走る近鉄電車」が残ることになりそうなのは、選挙の結果という有権者の判断が故の見直しとはいえ、興味深くもある実例だな、と感じたニュースでありました。
▲近鉄奈良駅に停車中の近鉄特急(上)と、車窓から眺める平城宮跡・朱雀門(下)。
先の計画では、平城宮跡を通る区間を地下化することとなっていましたが、新知事の就任による予算の一時執行停止で、この計画を見直すこととなりました。
知事の発言から考えると、地下化は見直すこととなりそうなので、そのとおりとなると、この車窓も引き続き見られることになりそうです。
【関連ニュースサイト】
●「近鉄奈良線移設」「関空方面鉄道」新任の奈良県知事が事業見直し | マイナビニュース
↑今回ご紹介した「近鉄奈良線移設」だけでなく、「JR新駅」「関空接続線」についても詳しく分析されていますので、併せてお読みいただければ理解が進むと思われます。
【関連ブログ】
●近鉄奈良線の移設、凍結か?: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」
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