JR東海・参宮線にかつて存在した「池の浦シーサイド」駅。

「池の浦シーサイドパーク」への海水浴客の利便性向上を目的に、1989年7月に開設された臨時駅で、開設当初はそれなりの利用者はあったようですが、その後年々利用者が減少し、それにつれて営業日数も減少してきました。

2018年度より営業を休止し、2020年3月のダイヤ改正で正式に廃止となりました。



この週末、別件で二見浦の近辺を訪問していましたので、そのついでに、この廃止となった「池の浦シーサイド駅」の現在の様子を見てきましたので、ご紹介したいと思います。

20230819_142651


20230819_142707
池の浦シーサイド駅の跡。

ホームは残されたままですが、入口には柵が設置され、中に入れないようになっています。

「池の浦シーサイド」駅であったことを示す表示などは一切ありませんでした。

20230819_142559
池の浦シーサイドの駅前には海水浴場、ではなく干潟がありました。

池の浦シーサイドパークへは、ここから15分ほど歩く必要がありました。

池の浦シーサイドパークへのアクセスは、他にも近鉄鳥羽線(池の浦駅)がある上に、いずれの鉄道駅から離れていることから、アクセスはマイカー主体に移ってきたと思われます。

加えて、レジャーの多様化により海水浴客そのものも減少していったことから、この臨時駅も役割を終えた、といえるでしょう。


廃止となって既に3年ですが、ホームはそのまま存置されていた池の浦シーサイド駅。
海岸沿いのホームからの眺めは、さぞかし格別だったと思われます。

海水浴客目当てではなくても、多客期に一部列車でも臨時停車して、海沿いの秘境駅で売り出せば、伊勢志摩の観光名所の一つとして注目を集めたのではないか…といった素人の思いつきなんかは、とっくに検討された上での廃止だったと思います。

今後、この残されたホーム跡が撤去されるのかどうかは知る由もありませんが、ともあれしばらくの間は、かつて駅が存在した証拠として、引き続き行き交う列車たちを見守っていくのでありましょう。