こちらの記事でご紹介したように、のと鉄道の観光列車「のと里山里海号」に乗車し、穴水駅に到着しますと、ホームの先に何やら「パノラマカー」という案内がありました。

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▲この先に「パノラマカー」が止まっている模様です。

近寄ってみますと、かつてのと鉄道で運行されていたNT800形「のと恋路号」が保存されていました。
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▲NT800形「のと恋路号」。

この「のと恋路号」、かつてのJR能登線(穴水〜蛸島)が第三セクター鉄道「のと鉄道」に転換された際、観光列車として導入された車両でありました。

「パノラマカー」と案内されているように、床が通常より高くなっており、また窓も大きく取られ、能登線沿線の風景を楽しむことができる列車でありました。
車内には、自動販売機やサービスカウンターも設けられ、観光客が楽しめる車両として設計されていました。
さしずめ、ここ穴水駅まで乗車してきた「のと里山里海号」のご先祖、といったところでしょうか。

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▲ホームからガラス越しに、車内を撮影してみます。
転換クロスシートに大型テーブル設置と、観光客を意識した意欲的な設計が見て取れます。

ここ穴水駅に保存されているNT800形「のと恋路号」ですが、昨年9月に、かつての能登線の沿線であった珠洲市の県立飯田高校が、授業の一環として実施している「ゆめかなプロジェクト」として実施された「廃列車カフェ」で、車内に入ることができたそうです。
(参考)
飯田高生が のと恋路号でカフェ 往時の風情 味わって:北陸中日新聞Web
のと鉄道NT800形(保存車)を活用したカフェ「ゆめかなカフェ(廃列車カフェ)」 | 鉄道ホビダス

このNT800形を使用したカフェ、昨年で一区切りだったようですが、懐かしい車両目当てのファンも多かったようですので、また開催されることを期待したいと思います。


NT800形の先には、更に別の車両が1両保存されていました。
これまたのと鉄道開業当時、普通列車用として導入された「NT100形」でした。

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▲NT100形NT127号車。
行先は、既に廃線された能登線内の「宇出津」を表示していました。


かつては七尾線・輪島方面と能登線・蛸島方面との分岐駅であった穴水駅。
発着や入換の列車も多かったと思いますが、路線が相次いで短縮された結果、現在では行き止まりの終着駅となってしまいました。

広い構内が持て余し気味となっている感は否めませんでしたが、そんななか、このようにかつて能登線内で活躍していた車両が保存されているのをみると、懐かしい気持ちを抱く一方、段階的に部分廃止されてきた路線の歴史を思わずにもいられないな、と思いました。



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▲2004年2月に穴水駅を訪問した際の一枚です。
当時は、既に七尾線の穴水〜輪島間は廃止されていましたが、残る路線のうち、能登線(穴水〜蛸島)も廃止の方針が定まりつつある時期でした。
それを察してか、私の他にも数名の鉄道ファンも乗車していたように思えます。

なお、このNT100形は、のと鉄道が作中舞台として登場する「花咲くいろは」の劇場版でも登場しますので、興味あるかたは視聴してみてはいかがでしょうか。




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