先日、のと鉄道「のと里山里海」号とJR七尾線「花嫁のれん」号に乗車した際、乗り継ぎの都合で和倉温泉駅で下車しました。
この和倉温泉駅ですが、特急「サンダーバード」「能登かがり火」といった、和倉温泉アクセスの特急列車の終着駅であり、同時に北陸地方を代表する温泉・和倉温泉への玄関口となっています。
この和倉温泉駅ですが、実は昨年(2022年)3月より無人駅となっています。
(参考)
●七尾線 和倉温泉駅、3/12無人化へ 話せる「みどりの券売機プラス」設置 | レイルラボ ニュース
●コロナ禍 増える無人駅 石川県内新たに12駅 路線の維持 課題:北陸中日新聞Web
上述のとおり、北陸を代表する温泉の玄関口となる駅、そして特急列車も多数発着する駅がまさか無人化されるとは、個人的に衝撃を受けたニュースでした。
コロナ禍前の乗車人員は一日あたり400人台と、決して多くない利用状況でありましたが、とはいえ、遠方からの利用者も多い観光拠点の駅なだけに、完全な無人化というのは、ビックリしたのが正直なところです。
話には聞いていましたが、実際和倉温泉駅に降り立つと、係員が誰もいないのに、正直びっくりしました。
一方、駅の待合室や駅前広場には、列車待ちをしている乗客や、列車での到着を待つ旅館・ホテルの従業員などがおり、それなりに賑わっている感じでした。
そんな中、15時56分に「能登かがり火」5号が到着します。
この能登かがり火5号は、16時頃に和倉温泉駅に到着するという、温泉に宿泊する観光客にとっては、都合のよい時間帯の列車であります。
またこの日は土曜日であったこともあり、列車からは多数の乗客が降りてきました。
改札口を通る乗客の多くは、紙のきっぷを使っていて、駅係員がいないことに戸惑いながらも、改札口に使用済みのきっぷを置いていきました。
一方、ここ和倉温泉駅は金沢方面からですと交通系ICカードも利用できるため、少なくない利用者もICカードを端末にタッチして降りていきましたが、複数の方々が、タッチしてもエラーが出て、通れない事態が発生していました。
よく観察していると、ICカードのエラーの原因は、二つの理由があるようでした。
1の「残高不足」は、エラー時にカードリーダーに表示されるはずなのでチャージして問題解決…のはずですが、肝心のチャージ方法がはっきりしません。
ここでの答えは、「改札外の券売機でチャージする」ことで精算可能なのですが、だからと言って残高不足で一旦改札を通過するのは、ぱっと見不正乗車とも思われることから、そう簡単に思いつく方法でもなく、そういう意味ではもう少し手厚い対応が必要かな、と感じました。
そして、更に厄介なのは2の「エリア外からの利用」。
下記JR西日本の案内にあるようにここ和倉温泉駅で降りる場合、大聖寺〜越中宮崎の各駅、新高岡駅、そして七尾線各駅からでしか、交通系ICカードを利用できません。(下記赤枠部分参照)
JR西日本のICOCAで交通系ICカードを利用する場合、原則営業キロを200km超えて利用することはできません。
一方、200km超えている場合でも、大阪近郊区間の駅と特急サンダーバード等の在来線特急停車駅とを利用する場合は、例外として交通系ICカードを利用することができます。
ただこの場合も、特急「サンダーバード」は大阪〜金沢間の利用に限られており、和倉温泉を含む七尾線の特急停車駅と大阪近郊区間の各駅を交通系ICカードで利用することはできません。
つまりこの場合、「能登かがり火5号」に金沢駅で接続する「サンダーバード21号」に交通系ICカードで乗車し、金沢駅で改札を出ずにそのまま「能登かがり火5号」に乗り継いだ、ということが考えられます。
上述のとおり、ここ和倉温泉駅では、大聖寺以西から交通系ICカードで利用することができず、その場合「エリア外」となり、出場することができません。
…ただ、こういった制限、鉄道ファンでも何でもない、一般の利用者がきっちり理解しているとは限らず、なぜ和倉温泉駅でカードエラーとなったのかが理解できず、途方に暮れる乗客が、私が見た限りでも何人かいました。
これもまた、係員がいればある程度対応可能なのかな、とも感じました。
以上、無人駅となって一年半が過ぎた和倉温泉駅の様子を見てみました。
土曜日の夕方という、温泉客にとっては都合の良い時間に到着する特急列車の時間だっただけに、無人化となった課題、というのも垣間見ることができました。
一方、冒頭に記したように、乗車人数も決して多くない駅なだけに、駅係員を常駐させるというのも、今後の労働力不足を考えると難しいかも知れません。
ただ、折角列車で来てくれた観光客に対し、何だかよく分からないカードエラーで悪印象を与えるのも勿体ない話とも思えます。
そのため例えば駅構内にある観光案内所に改札案内業務を委託するなどの方法があったりするんじゃないのかな、とも思ったりしました。
(参考)
和倉温泉駅観光案内所|七尾・中能登公式観光サイト
新幹線の延長開業により、大阪方面から特急列車で直接和倉温泉駅まで来ることは無くなり、その点ICカードに関する案内は、少しは分かりやすくなるかも知れません。
しかし、そうであっても引き続き観光客が多く立ち寄る駅ですので、何らかの案内はあればいいよな、と感じましたが、今後どのような対応が進められていくのか、変化があればまた、ご紹介できればと思います。
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▲和倉温泉駅の外観
この和倉温泉駅ですが、特急「サンダーバード」「能登かがり火」といった、和倉温泉アクセスの特急列車の終着駅であり、同時に北陸地方を代表する温泉・和倉温泉への玄関口となっています。
この和倉温泉駅ですが、実は昨年(2022年)3月より無人駅となっています。
(参考)
●七尾線 和倉温泉駅、3/12無人化へ 話せる「みどりの券売機プラス」設置 | レイルラボ ニュース
●コロナ禍 増える無人駅 石川県内新たに12駅 路線の維持 課題:北陸中日新聞Web
上述のとおり、北陸を代表する温泉の玄関口となる駅、そして特急列車も多数発着する駅がまさか無人化されるとは、個人的に衝撃を受けたニュースでした。
コロナ禍前の乗車人員は一日あたり400人台と、決して多くない利用状況でありましたが、とはいえ、遠方からの利用者も多い観光拠点の駅なだけに、完全な無人化というのは、ビックリしたのが正直なところです。
▲和倉温泉駅の改札口付近。
このように、窓口は完全に閉鎖されており、基本的に係員はいません。
話には聞いていましたが、実際和倉温泉駅に降り立つと、係員が誰もいないのに、正直びっくりしました。
一方、駅の待合室や駅前広場には、列車待ちをしている乗客や、列車での到着を待つ旅館・ホテルの従業員などがおり、それなりに賑わっている感じでした。
そんな中、15時56分に「能登かがり火」5号が到着します。
▲和倉温泉駅に到着した「能登かがり火」5号
この能登かがり火5号は、16時頃に和倉温泉駅に到着するという、温泉に宿泊する観光客にとっては、都合のよい時間帯の列車であります。
またこの日は土曜日であったこともあり、列車からは多数の乗客が降りてきました。
▲「能登かがり火」5号から降車してきた乗客
(画像は一部加工しています。)
改札口を通る乗客の多くは、紙のきっぷを使っていて、駅係員がいないことに戸惑いながらも、改札口に使用済みのきっぷを置いていきました。
一方、ここ和倉温泉駅は金沢方面からですと交通系ICカードも利用できるため、少なくない利用者もICカードを端末にタッチして降りていきましたが、複数の方々が、タッチしてもエラーが出て、通れない事態が発生していました。
よく観察していると、ICカードのエラーの原因は、二つの理由があるようでした。
1:残高不足
2:エリア外からの利用
1の「残高不足」は、エラー時にカードリーダーに表示されるはずなのでチャージして問題解決…のはずですが、肝心のチャージ方法がはっきりしません。
ここでの答えは、「改札外の券売機でチャージする」ことで精算可能なのですが、だからと言って残高不足で一旦改札を通過するのは、ぱっと見不正乗車とも思われることから、そう簡単に思いつく方法でもなく、そういう意味ではもう少し手厚い対応が必要かな、と感じました。
そして、更に厄介なのは2の「エリア外からの利用」。
下記JR西日本の案内にあるようにここ和倉温泉駅で降りる場合、大聖寺〜越中宮崎の各駅、新高岡駅、そして七尾線各駅からでしか、交通系ICカードを利用できません。(下記赤枠部分参照)
(JR西日本Webサイト(https://www.jr-odekake.net/icoca/area/map/all.html)より引用)
JR西日本のICOCAで交通系ICカードを利用する場合、原則営業キロを200km超えて利用することはできません。
一方、200km超えている場合でも、大阪近郊区間の駅と特急サンダーバード等の在来線特急停車駅とを利用する場合は、例外として交通系ICカードを利用することができます。
ただこの場合も、特急「サンダーバード」は大阪〜金沢間の利用に限られており、和倉温泉を含む七尾線の特急停車駅と大阪近郊区間の各駅を交通系ICカードで利用することはできません。
●ICOCAエリアでは営業キロ200キロを超えてご利用いただくことはできません。ただし以下の場合は除きます。
・大阪近郊区間内相互発着のご利用の場合。
・大阪近郊区間内の駅と右記の在来線特急列車停車駅相互間をご利用の場合(サンダーバード(大阪〜金沢間)、しらさぎ、くろしお、こうのとり、きのさき、はしだて、まいづる、はまかぜ)
・特急やくも号の停車駅相互間をご利用の場合
※特急列車停車駅は臨時に停車する駅を除きます。
〜JR西日本Webサイト(https://www.jr-odekake.net/icoca/area/)より引用)
つまりこの場合、「能登かがり火5号」に金沢駅で接続する「サンダーバード21号」に交通系ICカードで乗車し、金沢駅で改札を出ずにそのまま「能登かがり火5号」に乗り継いだ、ということが考えられます。
上述のとおり、ここ和倉温泉駅では、大聖寺以西から交通系ICカードで利用することができず、その場合「エリア外」となり、出場することができません。
…ただ、こういった制限、鉄道ファンでも何でもない、一般の利用者がきっちり理解しているとは限らず、なぜ和倉温泉駅でカードエラーとなったのかが理解できず、途方に暮れる乗客が、私が見た限りでも何人かいました。
これもまた、係員がいればある程度対応可能なのかな、とも感じました。
以上、無人駅となって一年半が過ぎた和倉温泉駅の様子を見てみました。
土曜日の夕方という、温泉客にとっては都合の良い時間に到着する特急列車の時間だっただけに、無人化となった課題、というのも垣間見ることができました。
一方、冒頭に記したように、乗車人数も決して多くない駅なだけに、駅係員を常駐させるというのも、今後の労働力不足を考えると難しいかも知れません。
ただ、折角列車で来てくれた観光客に対し、何だかよく分からないカードエラーで悪印象を与えるのも勿体ない話とも思えます。
そのため例えば駅構内にある観光案内所に改札案内業務を委託するなどの方法があったりするんじゃないのかな、とも思ったりしました。
(参考)
和倉温泉駅観光案内所|七尾・中能登公式観光サイト
▲和倉温泉駅前には、各旅館の送迎バスが多数来ていました。
このように、案内を必要とする客の多くが温泉目的なわけですから、地元の観光団体が案内業務を担う、というのは解決策の一つではないか、と感じました。
▲北陸新幹線・金沢〜敦賀間開業まで、あとわずかとなりました。
ここ和倉温泉駅にもカウントダウンが設置されていました。
新幹線の延長開業により、大阪方面から特急列車で直接和倉温泉駅まで来ることは無くなり、その点ICカードに関する案内は、少しは分かりやすくなるかも知れません。
しかし、そうであっても引き続き観光客が多く立ち寄る駅ですので、何らかの案内はあればいいよな、と感じましたが、今後どのような対応が進められていくのか、変化があればまた、ご紹介できればと思います。
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