関西地区の大手民鉄などで構成している「スルッとKANSAI協議会」では、乗車券のデジタル化による利便性向上のため、QRコードを活用したデジタル乗車券サービスを開始することを発表しました。

QRコードを活用したデジタル乗車券サービスの開始時期とサービス名称「スルッとQRtto」の決定について|スルッとKANSAI
2024年6月から QRコードを活用したデジタル乗車券サービスを開始します|ニュースリリース|阪神電気鉄道株式会社
京阪電車として初となるQRコードを利用した乗車サービスを開始|京阪電鉄
「e METRO」アプリでQRコードを活用したデジタル乗車券サービスを提供します|Osaka Metro
阪急電鉄の全87駅でQRコードを活用したデジタル乗車券のサービスを2024年6月より開始します|阪急電鉄

概要としては、QRコード乗車券のサービス開始時期は2024年6月頃を予定しており、そのサービス名称は「スルッとQRtto(クルット)」としています。
「スルッとQRtto」では、まずは、現在磁気カードや磁気きっぷで発売しているお得な乗車券(企画乗車券)の発売を予定しており、その内容は詳細決定次第発表するとのことです。

またサービス開始当初は、Osaka Metro、大阪シティバス、近畿日本鉄道、京阪電鉄、南海電鉄、阪急電鉄、阪神電鉄の7社で導入を行い、その後サービス導入事業者の拡大を予定しているとのことです。

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▲スルッとQRttoのブランドマーク・ロゴ
(上記スルッとKANSAI協議会からの発表資料より引用)


なお、同日付で、Osaka Metro、京阪電鉄、阪急電鉄、阪神電鉄の各社からも、QRコードを活用した乗車券のサービス開始について、発表されていますので、併せてご確認下さい。



スルッとKANSAI協議会では、昨年11月にQRコードを活用したデジタル乗車券の開発着手を既に発表していましたが、今回その乗車券サービスの名称や導入時期などが発表されました。
(参考)


導入する乗車券のサービスとしては、企画乗車券をQR化し、スマホで決済して、スマホのQRコードをかざして乗車することができるものとなっています。
これらの乗車券は、これまで磁気カードにより発行されていましたが、それを置き換え、また、スマホがあればどこでも購入できるようになることから、利用者の利便性が高まるものと思われます。

また、この「スルッとQRtto」導入に併せて、関西地区の大手民鉄等ではQRコードによる乗車券サービスの開始も発表されています。


かつては「3dayチケット」などの超お得なきっぷも用意されていた、スルッとKANSAIの企画乗車券ですが、最近は見直しが行われ、ひと頃に比べると種類は減ったとはいえ、まだ奈良や京都といった観光地向けのフリーチケットが引き続き発売されています。

これらのチケットは現在は磁気カードとなっていますが、今後はこの「スルッとQRtto」を活用して、QRコード化が進められることになると思います。

現在のところ、QRコード活用の乗車券は、スマホ購入に限定されている模様ですが、今後は窓口発売分についても、QRコードが進められるのかも知れません。

考えてみれば、ICOCAやPiTaPaの交通系ICカードの普及や、回数乗車券の廃止により、磁気を搭載する乗車券としては、券売機等で購入できる普通乗車券と、今回ご紹介した企画乗車券くらいになってきているものと思われます。

更に企画乗車券をQR化すれば、残るは普通乗車券となり、磁気処理の必要なきっぷは遠からず姿を消していくかも知れません。

長らく改札の自動化に貢献してきた磁気式の自動改札ですが、それをQRコードとICカードにその役割を譲る時期が遠からずやってくるのかな、という気もします。

勿論、一足飛びにQR化は進まないかも知れませんが、そこへの向けての変化が少しずつ進んでいることには違いありません。
今後、このスルッとQRttoが、どのように展開していくか、磁気式のきっぷ・カードの動向も含めて、引き続きご紹介していきたいと思います。



【関連ブログ】
●7「スルッとKANSAI」から「スルッとQRtto」へ: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」



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