2024年3月16日ダイヤ改正について、JR西日本の近畿エリアの改正内容について、ご紹介していきます。

2024年3月16日にダイヤ改正を実施します|JR西日本近畿統括本部

近畿エリアの主な改正内容は以下のとおりです。

【特急「スーパーはくと」増発・区間短縮】
・特急「スーパーはくと」を大阪〜鳥取間で1往復増発し、計8往復で運転
・なお、京都〜大阪間は、7往復→2往復に削減

【有料座席サービス拡大】
・通勤特急「らくラクやまと」新設
平日朝夕1往復運転
ダイヤは以下のとおり。
(朝)奈良7:16発→天王寺7:56着→大阪8:13着→新大阪8:19着
(夕)新大阪19:43発→大阪19:49発→天王寺20:05発→奈良20:46着

・快速「うれしート」拡大
平日は現在の4本(大和路線2本・おおさか東線2本)から、更に大和路線1本・おおさか東線2本を拡大。
また土休日も新規設定(大和路線3本、おおさか東線4本)

・通勤特急「らくラクはりま」を現在の姫路→新大阪から、網干→京都に延長。
はりま勝原、英賀保(あがほ)にも停車

・「びわこエクスプレス」を「らくラクびわこ」に名称変更の上、運行時間帯を繰り上げ

・特急「くろしお」の夕通勤時間帯以降の和泉府中停車拡大
くろしお21号(和泉府中17:52着)からくろしお31号(和泉府中21:51着)の6本が新規に和泉府中に停車

【その他増発等】
・嵯峨野線の昼間時間帯に6往復増発
・おおさか東線の城北公園通に「直通快速」が新たに停車
・特急「南紀」の新宮〜紀伊勝浦間でワンマン運転実施



詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



例年12月中旬に発表されるJRグループダイヤ改正。
今回のメインは北陸新幹線・金沢〜敦賀間の開業ですが、それ以外にも様々な発表がありました。
当ブログでは例年のとおり、順を追ってご紹介していきたいと思います。

なお、当ブログは「おおざっぱに・わかりやすく」を目標に記していきます。
極端にマニアックな考察よりも、ざっくり大枠をご紹介することが、この春以降の旅行や通勤などにお役立ていただけるのかな、と思っています。



まずは、居住地からして個人的に関心の大きい近畿エリアの改正内容です。
概要は上述のとおりですが、特に目を惹くのは「有料座席サービスの拡大」です。

既にこの秋より大和路線・おおさか東線で「うれしート」のサービスが開始しました。
(参考)


転換クロッスシートの221系の一部を利用した有料座席で、既存の自由席(料金無し)と着席保証以外の相違点がないことから、一部では利用者の定着に疑問の意見もあったようにも思えますが、その実、更なる拡大が実施されました。

しかも、土休日にも、平日と同規模の本数で実施するところをみると、本格的な導入も目指しているのでは、とも思える積極姿勢が見受けられます。
この土休日では、朝の時間帯に加え、おおさか東線経由は夕方の2本も設定されています。
この意図は、奈良市内の観光客が大阪市内や新幹線乗り継ぎに利用することを想定しているのではないかと思います。
これまでとは異なる客層にアプローチしていく「うれしート」、今後の動向に注目です。

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▲「うれしート」が設定されるおおさか東線・直通快速。
上記画像の奈良行きとは逆方向、大阪行きに、平日・土休日含めて設定されます。




大和路線関係では、更に「らくラクやまと」という特急列車が新設されます。
かつて、大和路線には「やまとじライナー」という通勤ライナーが運転されていましたが、13年の時を経て、特急型車両による有料着席サービスが復活することになります。

ところでこの「らくラクやまと」、発表資料から見ると287系を使用することは分かるのですが、現在運行されている臨時特急「まほろば」のような3両編成なのか、それともグリーン車込みの6両編成なのか、も同時に気になるところです。
どんな編成になるのかは、今後の発表(特急列車のダイヤ改正が発表される時刻表2月号発売時)になるかと思いますので、これも楽しみにしたいと思います。



有料座席サービス拡大の点では、阪和線でも触れておきたいところです。
これまで朝のみ和泉府中に停車していた「くろしお」が、新たに夕方にも同駅に停車することになりました。
これにより、既に夕方停車している「はるか」と併せて、着席サービスの拡大や、新大阪での新幹線接続がより楽になります。

ちなみに、上記発表資料で283系「オーシャンアロー」が用いられているように、今回の発表で283系「オーシャンアロー」の引退は記されていません
来春以降も、新大阪〜新宮間で運転される見込みですので、引き続きその乗車を楽しみたいところです。
(参考記事)


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▲283系「オーシャンアロー」車両。
2024年3月16日以降も引き続き、「くろしお」でその姿をみることができる見込みです。




きのくに線関係では、その他特急「南紀」の新宮〜紀伊勝浦間のワンマン運転が実施されます。
勝浦温泉や那智の滝で有名な紀伊勝浦まで、名古屋や首都圏からのアクセスとして、この区間は運行されていますが、やはり利用者がそれほど多いわけではありません。

一方で、上述のとおり観光列車として定期的に運行していくことは、誘客の上では必要でもあります。
今回のワンマン運転は、そういった事情から、より持続的な運行を目指した答え、と個人的には捉えています。
JR東海が所有するHC85系が、この区間だけJR西日本に乗り入れることから、利用者も少ないことだし廃止になるような予想をしている意見も見聞きしますが、地元の誘客の姿勢などを考えると、それは地域の実情をちっとも見ていない意見と思っていました。

それだけに、今回のワンマン運転は、思い切った決断だと、高く評価したいと思います。

それにしても、HC85系がワンマン運転できる、というのは知りませんでした…


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▲紀伊勝浦駅に停車中の特急「南紀」HC85系。
紀伊勝浦〜新宮間でワンマン運転が実施されますが、減便等は無く、これまでどおりの本数が維持されます。




非電化区間も走る特急列車つながりで、「スーパーはくと」も見ておきたいと思います。

現在、京都〜鳥取で7往復運転されている「スーパーはくと」ですが、今回の改正で8往復に増発する一方、8往復のうち6往復が大阪〜鳥取間の運転に短縮されます。

いわば、京都〜大阪間を短縮して1往復増発を実現した、という感じですね。
多くの利用者にとっては、1往復増発は朗報といえるでしょう。
一方で、京都〜大阪間で、有料座席サービス代わりに使う場合は、「はるか」「サンダーバード」がほとんどとなりますので、注意が必要です。

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▲京都駅に到着した「スーパーはくと」。
増発の代わりに、多くの列車が京都〜大阪間で短縮となり、京都駅発着は2往復となります。
京都発着の列車は、朝の京都発・夜の京都着に限定され、この画像のように昼間に京都駅を発着する「スーパーはくと」は、今後は見られなくなります。




以上、JR西日本近畿エリアの改正内容についてご紹介しました。
阪和線・きのくに線関係では、上述の「くろしお」和泉府中停車拡大、「南紀」ワンマン運転程度で、大きな見直しは無さそうです。
北陸新幹線・金沢〜敦賀間により、車両の動きが気になるところですが、それは今後、といったところでしょうか。

既に運行開始から27年が経過している283系「オーシャンアロー」も、今後の動向が気になりますが、引き続き、「乗れる時に乗っておく」「撮れる時に撮っておく」のが大事なのではないのでしょうか。



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