先の記事に引き続き、年末年始の休みを利用して読了した鉄道関係書籍をご紹介します。
次にご紹介するのは、京都大学鉄道研究会が発行する同会の雑誌「葵」の最新号です。
特集は「関西の観光列車」となっています。

特集記事では、まず関西地区のみならず全国で走っている観光列車を、本源的需要(※)の創造の程度などからいくつかのグループに分類しています。
確かに一口に「観光列車」といっても、「乗ることを楽しむ」という方向性は概ね一致しているものの、その沿線観光地がそもそも集客できるコンテンツを既に有しているのか否かによって、その性格付けは変わってくるかと思いますので、こうした分類をすることは、有意義に感じました。
続いて、関西の各観光列車に会員が実際に乗車した記録だけでなく、他地域との比較や将来像の提言など、単なる乗車記録だけでなく「研究会」の名の通り、しっかり研究された記事であることを実感しました。
今回の会誌で注目したのは、この「観光列車」以上に、「鉄道運賃法制度の概観」と「日根野支所・新在家派出所の車両とその運用区間の話題」です。
前者「鉄道運賃法制度」は、このブログでこれまで他の書籍でもご紹介してきた「旅客営業制度」のことではなく、「鉄道事業法」に基づく運賃の認可に関するもので、このブログでも事業者の運賃改定(主に値上げ)で、近年触れる機会が増えてきているものです。
(一例として南海電鉄の運賃変更認可申請をご紹介します)
この運賃変更の法的根拠や手続論、そして運賃認可を巡る裁判例などが取り上げられており、近年目にすることも多かった運賃値上げについて、その仕組みを法律(鉄道事業法)の観点から理解できるものとなっています。
実を言うと私自身、上述のとおり運賃が認可制であること、そして多くの料金が届出制であることは理解はしていたものの、それ以上突っ込んだ勉強をあまり行っていなかったので、今回の記事は非常に参考になりました。
参考文献でも、運輸審議会(運輸行政に関する国土交通省の諮問機関)の資料を丁寧に紹介しており、私自身もこれらの資料をしっかりチェックしておきたいな、と改めて勉強になりました。
そしてもう一つの「日根野支所・新在家派出所〜」ですが、阪和線・関西空港線・きのくに線の車両について、線区の歴史に加えて、主にJR化以降のダイヤ・車両の動きを時系列に追いかけた記事となっています。
…こう書くとシンプルに聞こえますが、その実、ページ数は120ページ近くに及び、ダイヤの変遷や車両の動きなどを、時系列に追いかけている、まさに「バイブル」とも言えるものでありましょう。
特に、また新型コロナウイルス感染症の影響での減便・複便の経緯もしっかり記録されており、激動の時期であったコロナ禍(主に2020年〜2022年)における「はるか」「くろしお」を中心とした貴重な記録であると、後になればなるほど評価されるものでありましょう。
実際に手に取って読んでいただければ分かりますが、これだけの情報を収集し、そして集約して発表するという、著者の取材力の高さに感服する次第です。
その内容は、特に阪和線・関西空港線・きのくに線沿線のファンの方々にとっては、この感想が共感できるものだと思いますので、この記事目当てでこの雑誌を購入しても、十二分にお釣りがくると確信しています。
大学の鉄道研究会の書籍は、学祭などで頒布されることが多く、一般のファンが手にするルートが限られるのですが、今回の「葵」は、下記「BOOTH」による通販も実施しており、過去の「葵」と併せて購入することができます。
個人的には、期待以上の内容であったこの雑誌、一人でも多くの方が手にされることを願い、頒布先のご紹介を最後にさせていただければと思います。
▼頒布先(BOOTH)
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次にご紹介するのは、京都大学鉄道研究会が発行する同会の雑誌「葵」の最新号です。
特集は「関西の観光列車」となっています。

特集記事では、まず関西地区のみならず全国で走っている観光列車を、本源的需要(※)の創造の程度などからいくつかのグループに分類しています。
(※)
本源的需要の対義語は「派生的需要」で、そもそも交通機関は行先で主な目的(本源的需要)を果たすために移動するという需要(「派生的需要」)を満たすために供給されるサービスであります。
観光列車が本源的需要を作り出すというのは、ざっくり言えば「乗ることだけを目的とした利用者を集める」ということを指していると言えるでしょう。
(参考)
第1回 交通は手段か目的か | 高槻市営バス
確かに一口に「観光列車」といっても、「乗ることを楽しむ」という方向性は概ね一致しているものの、その沿線観光地がそもそも集客できるコンテンツを既に有しているのか否かによって、その性格付けは変わってくるかと思いますので、こうした分類をすることは、有意義に感じました。
続いて、関西の各観光列車に会員が実際に乗車した記録だけでなく、他地域との比較や将来像の提言など、単なる乗車記録だけでなく「研究会」の名の通り、しっかり研究された記事であることを実感しました。
今回の会誌で注目したのは、この「観光列車」以上に、「鉄道運賃法制度の概観」と「日根野支所・新在家派出所の車両とその運用区間の話題」です。
前者「鉄道運賃法制度」は、このブログでこれまで他の書籍でもご紹介してきた「旅客営業制度」のことではなく、「鉄道事業法」に基づく運賃の認可に関するもので、このブログでも事業者の運賃改定(主に値上げ)で、近年触れる機会が増えてきているものです。
(一例として南海電鉄の運賃変更認可申請をご紹介します)
この運賃変更の法的根拠や手続論、そして運賃認可を巡る裁判例などが取り上げられており、近年目にすることも多かった運賃値上げについて、その仕組みを法律(鉄道事業法)の観点から理解できるものとなっています。
実を言うと私自身、上述のとおり運賃が認可制であること、そして多くの料金が届出制であることは理解はしていたものの、それ以上突っ込んだ勉強をあまり行っていなかったので、今回の記事は非常に参考になりました。
参考文献でも、運輸審議会(運輸行政に関する国土交通省の諮問機関)の資料を丁寧に紹介しており、私自身もこれらの資料をしっかりチェックしておきたいな、と改めて勉強になりました。
そしてもう一つの「日根野支所・新在家派出所〜」ですが、阪和線・関西空港線・きのくに線の車両について、線区の歴史に加えて、主にJR化以降のダイヤ・車両の動きを時系列に追いかけた記事となっています。
…こう書くとシンプルに聞こえますが、その実、ページ数は120ページ近くに及び、ダイヤの変遷や車両の動きなどを、時系列に追いかけている、まさに「バイブル」とも言えるものでありましょう。
特に、また新型コロナウイルス感染症の影響での減便・複便の経緯もしっかり記録されており、激動の時期であったコロナ禍(主に2020年〜2022年)における「はるか」「くろしお」を中心とした貴重な記録であると、後になればなるほど評価されるものでありましょう。
実際に手に取って読んでいただければ分かりますが、これだけの情報を収集し、そして集約して発表するという、著者の取材力の高さに感服する次第です。
その内容は、特に阪和線・関西空港線・きのくに線沿線のファンの方々にとっては、この感想が共感できるものだと思いますので、この記事目当てでこの雑誌を購入しても、十二分にお釣りがくると確信しています。
大学の鉄道研究会の書籍は、学祭などで頒布されることが多く、一般のファンが手にするルートが限られるのですが、今回の「葵」は、下記「BOOTH」による通販も実施しており、過去の「葵」と併せて購入することができます。
個人的には、期待以上の内容であったこの雑誌、一人でも多くの方が手にされることを願い、頒布先のご紹介を最後にさせていただければと思います。
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#C103 お疲れ様でした
— 京都大学鉄道研究会@C103日曜日東ウ50a (@kyodaitekken) December 31, 2023
今回当会が頒布した新刊「京都大学鉄道研究会雑誌 葵 39号」はただいまBOOTHにて頒布を開始しました
今回のコミケットに参加できなかった方、予算オーバーで買えなかった方などは是非ご活用ください!https://t.co/EHbu10eH2B
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