大阪府貝塚市の水間鉄道では、この度鉄道運賃の旅客運賃の改定を申請(上限変更認可の申請)を行ったことを発表しました。

鉄道旅客運賃改定の申請について|水間鉄道

概要は以下のとおりです。

【改定予定日】
2024年4月1日

【申請運賃(抜粋)】
・普通旅客運賃(大人)
1区(1.5kmまで):180円⇒200円
2区(3.0kmまで):220円⇒250円
3区(4.5kmまで):270円⇒300円
4区(5.5kmまで):300円⇒330円

【設備投資計画】
・安全対策として、老朽化した線路設備の更新・交換は優先度を見極めながら引き続き進めるとともに、同じく老朽化が顕著な車両の改修を進め、長寿命化を図る
・また、高額な投資が必要となるため更新を見送っていた変電所機器は、機器の状態を見ながら計画的に更新。


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



ここ最近の物価上昇や、またコロナ禍による利用者の激減を経験したこと、そして構造的な問題として少子高齢化による利用者の減少傾向などから、鉄道事業者ではここ最近値上げの運賃改定が続いています。

今回の水間鉄道でも、少子高齢化やモータリゼーション、コロナ禍による生活様式の変化などにより鉄道利用者の回復は見込めない一方、安全・安心を確保するための設備投資が引き続き必要なことなどを理由に、運賃改定を申請しています。

改定率は定期・定期外含めた全体で17.0%となっていますが、これによっても今後3年間の差引損益は引き続きマイナスであるところに、同社の経営環境の厳しさが感じられます。


今回の運賃改定の申請において、今後の設備投資計画も記載されています。
これによりますと、更新を見送っていた変電所の機器については、今回の設備投資計画に記載されている一方、車両については、改修を進めて長寿命化を図ることとしています。

そのため、東急電鉄より譲渡されたの1000形車両の姿は、もうしばらく見ることはできそうです。
ただ、「改修を進め」とありますので、今後何らかの変化が見られることも十分考えられます。

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▲貝塚駅に停車中の水間鉄道1000形。
運賃値上げによる原資で、今後改修工事を実施することが予定されています。


ともあれ、貝塚市内を南北に走り、水間観音への観光や地域の足として引き続きその役割を担っている水間鉄道。
持続可能な運営ができるよう、今回の値上げに理解しつつ、より多くの方々に利用してもらえるよう、当ブログとしても引き続き応援していきたいな、と思っています。




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