JR西日本では、お客様センター及び「みどりの券売機プラス」のオペレーター応対時間について、早朝・深夜での応対時間を見直し、利用の多い昼間中心の時間帯の体制を強化することを目的に、これらの応対時間の変更(短縮)を実施することを発表しました。

JR西日本お客様センター、みどりの券売機プラスの オペレーターによる応対時間変更について:JR西日本

概要は以下のとおりです。

【みどりの券売機プラスのオペレーター応対時間の変更】
現行・・・5:30〜23:00
変更後・・・8:00〜20:00
(※)オペレーター応対の機能以外は、現行どおり5:30〜23:00

【実施時期】
2024年6月1日(土)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。




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▲和泉砂川駅に設置されている「みどりの券売機プラス」
6月1日より、オペレーター応対時間が8時〜20時に短縮されます。


JR西日本では、昨今の少子高齢化による人材確保難などの変化を踏まえ、コロナ禍前の2019年2月に既に、「みどりの窓口」を縮小し、「みどりの券売機」「みどりの券売機プラス」を増やしていき、駅の運営体制を持続的に提供できる体制を構築していくことを、発表していました。
(参考)


この方針は、間もなく到来したコロナ禍もあってでしょうか、実際にみどりの窓口の閉鎖、みどりの券売機等への置き換えが急ピッチで進められ、ここ和歌山支社管内でも、今や「みどりの窓口」が開設されているのが和歌山・御坊・紀伊田辺のみとなりました。

一方、「みどりの窓口」の係員応対機能を置き換えた「みどりの券売機プラス」のオペレーターですが、こちらも労働人口の減少による要員確保の厳しさもあってか、主にオペレーターが混雑する昼間時間帯の体制強化が進まない状況も見受けられます。
(参考)



今回のJR西日本の発表では、早朝・深夜の応対を取り止め、その分の人員を昼間に回すことで、大きな問題となっている昼間時間帯の応対時間短縮につなげることを目的としています。

「応対時間短縮」と聞くと、条件反射的に「サービス低下」という感想を抱くのもある意味仕方がないのかも知れません。
実際、このニュースに関するSNS上の感想を見ても同様の意見が多く見受けられました。

しかし上述の事情を考えてみれば、より利用者にとって問題の、昼間の時間帯の待ち時間短縮に人的資源を振り向けるのは、決して悪くない施策だと思うし、むしろ優先させるべきではないか、と思うのであります。

それなら「オペレーターを増員すればいいんじゃないのか?」という意見も出てきそうですが、これとて上述の労働人口の減少により、もはや賃金だけではなく勤務時間等の労働条件をもって仕事が選ばれている状況下、早朝・深夜の人員を確保するのも難しくなってきているともいえます。

これら諸々の環境を考えてみると、今回の「みどりの券売機プラス」オペレーター応対時間短縮は、これだけをもって批判一辺倒に考えるのは筋違い、ともいえるでしょう。

むしろ、これにより生じた人員を、昼間時間帯の拡充に回し、もって昼間の混雑緩和がどれだけ解消できたか、を確かめてから、批判をしても決して遅くないとも思えるのです。


そもそも、ネット予約「e5489」の商品拡充に加え、「各種障害者割引」「株主優待」等、これまでオペレーター対応が必要であった商品もe5489で申し込みし、みどりの券売機で受け取れる(オペレーターの応対不要)となっていることを踏まえると、今後もオペレーター応対が必要な商品は、「通学定期」(新年度)や「学生割引」「ジパング倶楽部」や、e5489で発売できない乗車券(経路が複雑、等)と限られたものとなっています。

労働人口の減少を食い止める妙策が無い以上、こういった環境変化を利用者の側も受け止めていく必要はあるんだろうな、と感じたニュースでありました。



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