近畿日本鉄道(近鉄)では、老朽化した車両を更新するために、新型車両の投入を計画しています。
今回、2024年10月より奈良線、京都線、橿原線及び天理線で新型一般車両の運行を開始することを発表しました。

併せて、2025年度には、大阪線、名古屋線、南大阪線にも新型一般車両を投入することも予定しています。

奈良線・京都線で新型一般車両がデビューします!〜2025年度には大阪線・名古屋線・南大阪線にも新型一般車両を投入します〜|近畿日本鉄道

概要は以下のとおりです。

【車両形式】
8A系

【運行開始時期】
2024年10月

【運行線区】
奈良線、京都線、橿原線、天理線


【製造両数】
4両編成×12本 計48両(2024年度、整備完了次第順次投入)

【外観デザイン】
2024051109-53-091
(上記発表資料(https://files.microcms-assets.io/assets/f76cb3f097104533921f6d6262a336ee/3ffcffeeedf5418db31ce7f192df2976/20240510.pdf)より引用)

【内装デザイン】
2024051109-53-231
(上記発表資料(https://files.microcms-assets.io/assets/f76cb3f097104533921f6d6262a336ee/3ffcffeeedf5418db31ce7f192df2976/20240510.pdf)より引用)

【ベビーカー・大型荷物対応スペース「やさしば」】
ベビーカーやキャリーバック・スーツケースなどの大型荷物をもった乗客が、周囲に気兼ねなく着席して過ごせるスペースを、車両中央の乗降扉付近に、1両あたり2カ所設置。
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(上記発表資料(https://files.microcms-assets.io/assets/f76cb3f097104533921f6d6262a336ee/3ffcffeeedf5418db31ce7f192df2976/20240510.pdf)より引用)

【その他特徴】
・扉個別開閉スイッチ設置(近鉄初 ※ケーブルカーを除く)
夏期や冬期の車内保温のために、駅に長時間停車する際に乗客が個別に扉を開閉できるスイッチを設置
・利用状況に応じてロングシートとクロスシートを切り換えることができる L/C シートを設置
また、1両のなかでロングシートとクロスシートを混在して配置することも可能

【車内レイアウト】
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(上記発表資料(https://files.microcms-assets.io/assets/f76cb3f097104533921f6d6262a336ee/3ffcffeeedf5418db31ce7f192df2976/20240510.pdf)より引用)

【2025年度の投入計画(計68両)】
・奈良線、京都線、橿原線、天理線:
4両編成×9本 計36両

・大阪線:
4両編成×2本 計8両

・名古屋線:
4両編成×3本 計12両

・南大阪線:
4両編成×3本 計12両


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



近鉄では、2022年5月に、24年ぶりに新型一般車両を投入することを既に発表しています。
(参考)


今回、この新型車両の詳細が発表されましたが、注目のポイントは「外装デザイン」「系式名」、そして「大阪線等への新型一般車両導入」でしょうか。

まず、外装デザインですが、当時の発表資料によりますと、白を主体に、赤・青の帯が施されていました。
(参考)
kintetsu_new_localtrain_1
(2024年5月17日発表資料(https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/sinngatasyaryou.pdf)より引用)

これに対して、今回発表されたデザインでは、青色帯がなくなり、赤と白がほぼ半々の塗り分けになっているのが特徴で、現在の近鉄一般車両と近い色調となっています。

次に「系式名」ですが、これまで4ケタの数字で表示されていた近鉄の系式名が、「8A」と、数字とアルファベットで示されているのが大きな変化であります。

既に9000番台まで使い切っている近鉄一般車両の系式ですが、他社で行われている古い番号(例:1000番台)の再利用も、現存している系式が多いことから採ることができないことから、このような「奇策」が出てきたのかも知れません。

となると、「8」「A」それぞれが意味するところが気になるところです。

数字の「8」はともかく、アルファベットの「A」を考えてみますと、近鉄の駅ナンバリングでは「A」は難波・奈良線を指しています。
そこから、奈良線で主体に運用される車両であることから「A」を付けた、というのはあまりにも安直な予想な気がしないでもありません。

一方で大阪線は「D」、名古屋線は「E」、南大阪・吉野線は「F」とそれぞれ振られていることから、同タイプの車両を投入線区で分ける場合に整理しやすいことを考えると、実務的に分かりやすい、ということから、あり得なくはないのかな、とも感じました。

それに関連するのが、他線区での投入計画で、奈良線等だけでなく、大阪線、名古屋線、南大阪線にも来年度(2025年度)投入されることが発表されています。
(参考)



「久々の一般車両の新車投入」と沸く鉄道ファンの書き込みも、SNS上で見られたりしましたが、同社では、2023年度の運賃値上げの際、2024年度以降一般車両の更新を実施していくことを発表していますので、今回の発表もその一連の流れと考えられるでしょう。

とするとやはり、他線区に投入される車両の系式を線区ごとに分けることも考えられそうな気もしますので、「8D系」や「8F系」なんかが出てくるのかな、という気もしないでもありません。


ともあれ、今年10月にもお目見えする久々の新型一般車両「8A系」。
機会があれば、是非乗車してみたいな、と思います。




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